5月の雨の、その先に

藍音

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第二十三話 気になる存在

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※今日は時間がとれなかったので、短いです。明日、この話の後半部分を加筆しますm(_ _)m





アウレリオが咳払いし、さもさりげなく切り出した。

「あー・・・アレはどこだ」

侍従長の目が面白そうに光った。「アレでございますか。ついさっきもお尋ねになりましたが・・・ラファエル様のところまで、届け物に行っております」
「ん、そうか。ただ、すこし時間がかかりすぎているのではないか?」
「そうでございますか?ではもっと急ぐように叱っておきましょう」
「む・・・叱らなくていい」
「左様で」

最近のアウレリオはリオのことが気になって仕方がないらしい。
少し姿が見えないと必ず言う。「アレはどこだ?」と。「リオ」と名前をはっきりと言わないところがまた面白い。目を反らして、そしらぬふりをしているつもりなのだろうが、本人以外にはバレバレだ。

どうやら、アウレリオはリオのことを気に入っているらしい。使用人たちは皆そう思っていた。
リオがいると、なんとなくアウレリオの持つ空気がゆるむ。時折、笑うことすらある。他の使用人ではありえないことだ。もちろん今までのカナリアたちに対して、そんな感情を持っていると感じさせたことは一度もない。

しかも、まるで親鳥のようにリオのことを気にかけている。
リオもリオで、「若様、若様」とアウレリオを恐れることもなくまとわりついている。
これは相性がいい、ということなんだろうか。
もちろん、未来の伯爵様と最下級の使用人でそれ以上のことがあるわけはない。ただ、それだけだ。

「遅くなりました!」

リオが息を切らし、寒さで頬を真っ赤に染めて部屋に戻ってくると、アウレリオはぷいと視線をそらした。まるで、リオの存在など気づいてもいない、とでも言うように。
リオはにこにこと微笑みながら、いつもの壁際の定位置に立つ。
アウレリオがいままでもずっとそうしていた、という素振りで家庭教師に質問し、難解な説明が始まる。
皆がほっと息をつき、部屋に明るい日差しが差し込んだ。
春はもうすぐだ。


********************

その日の朝は、特別寒かった。
そろそろ厳しい冬も終わるだろうと思っていたのに、夜から雪が振り始め、明け方まで降り続いていた。

まだ夜も開けない時間に、寒くて目が覚める。
暖炉の火が消えかけており、音を立てないように火かき棒で薪を起こしながら新しい薪を追加した。
薄い藁布団と毛布だけでは、寒くて眠れない夜もあったが、それは贅沢だ。
しばらくしてまた赤々と炎が舞い上がり、部屋の中をまた温かい空気が満たし始めた。
両手を火にかざすと、冷えきった身体が温まりはじめた。

(よしっ)

自分に気合を入れると、朝の水汲みに向かった。
ところが、井戸の水は凍りついていて汲むことができない。

(困ったな・・・)

周りを見回すとあるものが目に入った。

(これならどうかな・・・?)




*******************


お読みいただきましてありがとうございました。
ハートもありがとうございます。しかも、広告まで回してくださった方がいらっしゃいまして。。。感謝しています。

今日は時間がとれなかったので、明日この話の後半部分を加筆します。
明日もよろしくお願いします。

明日もいい天気で、おひさまがたくさん降り注ぎますように!
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