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5. リリ…よね?
しおりを挟む最近、リリが姿を見せなくなってしまいました。週に3回程はお茶会で会っていましたの…どうしたのかしら?お母様に聞いても「お忙しいから連絡があるまで待っていなさい。」と言われるだけで、何故忙しいのかとかも教えてもらえません。
「リリ…。」
もしかしてリリにも婚約の話しとかがきているのかしら?
考えてみればおかしいもの。だってあんなに綺麗なリリに婚約者がいないなんて不思議すぎますわ。リリは声を気にしているようですが、あれだけ美人なら私のように気にならないという男性も多いはず。
なぜリリは今まで婚約しなかったんだろう?
…聞いたことがなかったわ。
せっかくお父様達から解放されてリリと遊べると思っていましたのに…。
リリと会えないだけでこんなに寂しいなんて…私はどうかしているのかしら…。
「お嬢様、リリ様からお手紙が届いております。」
アンナが手紙を持ってきてくれました。
「ありがとう、アンナ。」
以心伝心とはこういうことを言うのかしら。と思いながら急いでリリの手紙を開封します。
"大好きなルナへ"
"大事な話があるので1週間後に会ってくれませんか?"
簡潔な内容ですがリリと会えると思うと嬉しくて声を出していました。
「すぐにでも会いたいわ!」
それから1週間の間にリリを驚かせやうと思って、アンナなに手伝ってもらって自分磨きを頑張りました。
そして、今日はいよいよリリが我が家にやって来る日です。
艶やかな髪と肌…それにメイクも少し変えてもらい、ドレスも少し大人っぽいものにしてもらいました。
だけど…心配です。
「アンナ…これで大丈夫かしら?」
「お嬢様とてもお綺麗ですので心配いりません。リリ様もきっと褒めてくれます。」
「そう…アンナありがとう。」
少し自信がつきました。
さあ、リリを迎える準備は万全ですわ!
待ちきれず、はしたないと知りながらも玄関ホールでリリの到着を待ちます。
外に馬車が到着する音が聞こえました。
リリ…私を見て驚いてくれるかしら。
扉が開いて驚いたのは…。
私でした。
え…リリ…よね?
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