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13. 氷の微笑み
しおりを挟む「何故こうなったのか教えて頂けますか?サリハ様」
公爵夫人は口元を扇子で隠しているが、怒っている事がわかる。
あれから…そうビリー様が起きてから、やはり大変だったのだ。
『ケバイ知らないのか?お前みたいな人だ』
ビリー様…そろそろお口をチャックしましょうね。
私はあまりのサリハ様の気迫にビリー様に近づく事ができない。
今、近づいたら血をみそうな感じ…。
「何なの!このオウム!たかが鳥が私に向かって何と言う口を聞くのかしら」
あっ、サリハ様…ビリー様のキラーワードを言ってしまいましたね。
『只のオウム違う!ビリーだ!』
どうしよう…ビリー様が翼をばたつかせて暴れ出しました。
こうなると、私も止められません。
「ちょっと、髪が乱れるから止めて!もう!何なのよバカオウム!」
サリハ様…更にビリー様のキラーワードのバカを口に出してしまいました~。
『お前がバカ!バ~カ!』
ビリー様は嘴で髪の毛を乱したり、翼でバシバシとサリハ様を攻撃しています。
対するサリハ様も負けていません。
扇子でビリー様を追い払おうと応戦されています。
流石に止めないと駄目だよね。
「あの…」
私はケンカを止めようとした時、リリル様がサリハ様を止めた。
「ほら、いい加減にしてください。サリハ様…」
リリル様はサリハ様を後ろから羽交い締めみたいにして止めに入った。
でも、何故だかサリハ様は嬉しそう。
「リリル様…抱きつくなら後ろからではなくて前からが良いですわ…いえ、後ろからが嫌と言うわけではないのですけど…」
…サリハ様ってどこまでもプラス思考なんですね。
今の状態をバックハグだと思えるのは凄いと思います。
「コホンッ…。抱きついているわけではありませんよ」
そう言ってリリル様はサリハ様から手を離した。
私はサリハ様がリリル様を見ている間にビリー様を捕まえて籠にいれた。
基本ビリー様は籠が嫌いなので入れることはしない。
公爵様にも了解を得ている。
だが、それは暴れない前提でだ。
暫くはビリー様に籠に入っててもらわなければならないかもね。
お仕置きとして…。
「何の騒ぎですか?」
その時公爵夫人がレッスン場に入って来られた。
「あら?サリハ様…今日はお越しになられる予定でしたかしら?」
何時もの夫人の声より冷ややかに聞こえる。
サリハ様もわかったのか、顔色が悪くなっていた。
「い、いえ。近くまできましたので…ご挨拶をと…思いまして…」
サリハ様…言葉が途切れ途切れになっています。
「そう…以前も申しましたよね。貴族の子女なら事前に言うべきだと…それに、まずはこちらに挨拶に来るようにと申しましたよね」
あ~、何回か同じ事をしてお説教されているのに懲りずにまたやってしまったんですね。
いつもは、穏やかな夫人を怒らせるなんて…何回目なんだろう。
「ここはリリルのレッスン場です。サリハ様は私と一緒に来て頂けますか…」
わ~、氷の微笑みです。
冷気を感じます。
今からたっぷりとお説教されるんでしょうね。
でも、いったいサリハ様って公爵家とどんな関係何だろう?
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