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4. 生まれ変わって美少女です
しおりを挟む皆さんごきげんよう。
私はデルセナ公爵家の長女のルナと申します。
今日、誕生日を迎えて10歳になりました。
只今、私の誕生日会の真っ最中なんです。
「「「ルナ様お誕生日おめでとうございます」」」
「ありがとうございます」
私はニッコリと微笑んで見せました。
「何て可愛らしいのかしら…本当に天使の様ね。だけど…」
誰かが私の事を噂しています。
今の私は金色の髪に緑色のパッチリとした大きな瞳、唇は少しぷっくりとしていて愛らしい顔立ちをしています。
前世の平凡な顔立ちのキャロルとは似ても似つかない容貌です。
悔しいけどあの2人の良いとこどりなんですよね。
勿論、生まれ変わっても神様との約束通りに前世の記憶もばっちり残っています。
復讐も勿論していますよ。
2人にわからないようにね…。
「ルナ様…やはり着替えませんか?」
侍女のヤトが私の耳元で訴えてくる。
「嫌よ。私はこれが気に入っているの」
私が今着ているドレスは流行遅れのデザインでしかもサイズが全く合っていない。
普通の公爵家の令嬢なら絶対に着ないような服を私はあえて着ている。
「ルナ様…そのお洋服はどうされたのですか?」
友人のマイラが私に聞くくらいのレベルの代物だ。
「実は…ドレスを新しく作ろうにも両親の許可が出なくて…仕方なくこのような古いデザインの…お母様のお古を着ているのです…」
私は目に涙を浮かべながらマイラに語った。
まあ、ほとんど嘘だけど…。
アデレイトの着ていたドレスというのだけは本当。
マイラは私に同情したらしく、私の背を擦りながら寄り添ってくれた。
騙してごめんね、マイラ。
そう、私は両親から虐待を受けている様に見せかけている。
その事をまだバカな2人は気がついていないみたいだけど(笑)
まあ、ほとんど会うことがないから仕方ないか。
私は話が出来るようになるとすぐに2人の仲を拗らせるように仕組んだ。
デリムにはアデレイトが知らない男の人を屋敷に連れて来ていたと吹き込み、アデレイトにはデリムが女性と抱き合っているのを見たと吹き込んだ。
2人ともまさか幼い我が子が嘘をつくなんて思っていないのですぐに信じ、ケンカをする日が多くなっていった。
私の他に子供が出来ると計画が台無しになるので2人の仲を悪くしたかった。
念の為にアデレイトには美容に良い薬らしいといって子供が出来ない薬をプレゼントしたけどね。
その内に、本当にアデレイトは愛人を作りほとんど家に帰って来なくなり、デリムも仕事と言いながら愛人の家に通っている。
だから、基本はこの屋敷には私しかいない。
そうなるように仕組んだのは私だけどね。
それは、2人がいない間にキャロルを殺した証拠集めをする為だ。
デリムは用心深いみたいで、証拠をあまり残していなくて結構大変なんだよね。
もうすぐ、何とかなりそうだからこの生活も終わりそうだ。
とっておきの証拠も用意してあるし…。
フフッ。
2人の驚く顔を見るのが楽しみだわ。
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