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20. ハッピーエンド
しおりを挟む結局あの2人は罪人の刺青をいれられて国から永久追放されることになった。
本来なら公爵家も取り潰しの所だが、本来の後継者であるキャロルの最後の願いということで私が公爵家を継ぐことが許された。
シア王子の婚約者というのも理由だと思うけど…。
私は念願の復讐が終わりスッキリしたが、物足りない様な気持ちになっていた。
こういうのを燃え尽きたと言うのかしら…。
あの1日1復讐もできなくなると寂しいものね。
あっ、でも忘れずに毎日の掃除と神様にお祈りをする事をかかしてはいませんよ。
そう言えば、大きく変わったこともあります。
以前の使用人達に声をかけて希望者に戻ってきてもらいました。
どうやら、皆さん神様のお告げがあったらしく、私とがキャロルの生まれ変わりだと思っているみたいです。
まあ、あれから何年も過ぎてますし…寂しくはないのですが…。
「やあ、元気にしていたかい?」
「ひゃ!」
突然の耳元での囁きに変な声が出てしまいました。
「シア王子様…」
「王子様はいらない。シアだよ、ルナ」
そう最近王子様と呼ぶとシア王子は訂正してくるんです。
「シア…」
「そう、よく言えたね」
私を抱きしめて満足そうにしています。
「ルナちょっと目を閉じててくれる?私が良いよと言うまで開けないでね」
一体何をするつもりなんだろう?
私は不思議に思いながらも目を閉じた。
手を触られている?
チュッ、チュッ…。
え?指にキスして耳にキスした~!
シアってば、何をしているの!
「もう目を開けて良いよ」
シアはキスをした後、耳元で囁いた。
目を開けて見えたのは…。
「綺麗…」
私の左手の薬指に綺麗な宝石のついた指輪がはめられていた。
シアは私の前に膝まつき、私の左手を握りながら…。
「私と結婚してほしい。君しか見えないんだよルナ…」
プロポーズされた。
そうか、前にシアが言っていた年齢にいつの間にかなっていたんだ…。
この国で結婚が認められる16歳になるまでシアは周りからの圧力に負けず待っていてくれた。
シアならいくらでも綺麗な令嬢が寄って来ていただろうに…。
私も覚悟を決めないとね。
「私で良ければ…」
私が返事をするとシアは嬉しそうに私を抱きしめた。
「私がどれだけこの日を待ちわびたか…。もう離さないからねルナ…」
いつものように額に口づけをされる。
最初は驚いていたが何年もされれば慣れるものだ。
ん?終わらない?
額の後、鼻の頭に口づけをされた。
思わず顔が近すぎて目を閉じた。
その瞬間自分の唇に柔らかく触れる感触があった。
驚いて目を開けると、まだシアの顔が近くにあって驚いた。
「もう結婚するんだから遠慮しないからね」
そう言うとまた唇を啄むような口づけをしてきた。
私はシアに求められるままにこたえていた。
キャロルの時のファーストキスは最悪な思い出だけど、本来ならこんな気持ちになるのね…。
私…幸せなんだわ。
唇が離れていく寂しさを感じながら2人は見つめ合っていた。
「ルナに寂しい思いはさせない。2人で幸せになろうね」
「はい。シアとなら幸せになれると思います」
再びシアの腕に抱きしめられた。
これからは1日1復讐ではなく、1日1恩返しでもしようかな…。
私に幸せを教えてくれたシアに…。
これで最終話になります。
最後まで読んでいただいた皆さん、ありがとうございました。
お気に入り登録してくださった皆さん、感想を書き込みしてくださった皆さん、栞をして読んでいてくださった皆さん本当に感謝しています。
勝手に応援してもらっているつもりでやる気になっていました(笑)
本当にありがとうございました。
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みんなの感想(8件)
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たまごさんご指摘ありがとうございます。
確かにこの設定でいくと犯罪が溢れるかと思います。
これも作者の我が儘なんですが、爵位を継げる子供を産ますまで待つと子供のことも書く事になりいろいろと考えたんですけど短編で終わらないなと思い甘い設定にしてしまいました。
本当に甘い設定で申し訳ないです。
不快に思われたならすいません。
ミグさんご指摘ありがとうございます。
よく分かりました。
丁寧で詳しい説明をありがとうございました。
ミグさんのご指摘の内容がよく分かりました。
今度からは教えてもらった事を考えながら書きます。
ありがとうございました。
『シア【王子様】』ってのが気になります。【殿下】じゃないんですか?
ミグさんご指摘ありがとうございます。
ミグさんは言葉の使い分けに詳しい人なんですね。
私はいつも物語を作る時にどんな年代の人達が読んでくださるかが分からないので、なるべく皆さんが分かりやすい言葉を使用して書くことを考えています。
私も最初にどうしようかと思ったのですか、殿下より王子様の方が分かりやすいかなと思いシア王子様にしました。
私も昔は殿下と王子の違いは何?!って調べました。
それを省こうかと…。
つまり、作者の我が儘ですね。
不快に思われたならすいません。