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54. 戸惑う王子 〈クリフ視点〉
しおりを挟むどうすればこの状況が変わるのか…。
レオンが婚約…。
このままいけば…結婚。
僕は堪えられるのか…。
好きな人の幸せは自分の幸せ…なんて言うけど本当にそう思えるだろうか?
毎日、好きな人の惚気話しなんか聞いていたら気がおかしくなるんではないかと心配になる。
好きだと自分の気持ちに気がついたら…こんな展開になるなんて…。
お互いに結婚はまだ先だと思っていたのに…。
レオンの両親は変わっているとは思っていたけど…。
気になってレオンの事を調べた。
いや、レオナの事と言うべきか…。
そうすると、不思議なくらいにレオナを見た者がいないということに気がついた。
いくら身体が弱かったからといっても使用人までが姿を見なかったなんておかしいよね。
専属の侍女だけが彼女の世話をしていたらしい。
両親はレオンを可愛がっていると聞いていたが、調べるとベッドで寝たきりのレオナの側にずっといたと証言する使用人が多かった…。
どういう事なんだ…。
レオンとレオナを同時に見た者も少なかった。
両親が2人を近づけないようにしていたらしい。
それも、おかしな話だ。
双子なら同じ様に可愛がるんじゃないのか?
しかも、あそこの両親は"跡継ぎ命"みたいな風に僕には見えていたんだけど…レオナだけを可愛がるなんて事があるのかな?
もしかして…ベッドで寝ていたのはレオンだったんじゃないかと僕は思う様になった。
そうすれば両親がベッドで寝ていたレオナについていたのも理解できる。
レオナではなくてレオンだったのだから。
大事な跡取りに元気になってもらわないといけないからね。
それに、レオナを可愛がっていたのなら社交界にも顔を見せただろうけど…ほとんど見たことないと思うよ。
やっぱり…幼い頃からレオンとレオナは入れ替わっていたんだよ…きっとそうだ。
だから違和感なく僕の側で働けるんだ。
幼い頃から苦労させた上に、大人になってからも男として女性と結婚させるなんて…良い度胸してるよね、あの両親。
何とかしてレオナとレオンが入れ替わっているという証拠を集めないと…。
レオナが結婚する前に全てを終わらせないと、僕との結婚は難しくなってしまう。
それに、叔父上もレオナに気づいているみたいなんだよね…。
しかも、今考えれば…失踪する前からレオンが女だと気づいていたっぽい。
昔の叔父上との会話を今思い出すとそうとしか思えなくなってきたんだよ。
「レオンのお姉さんは結婚しているのか」
「レオンとレオナはそっくりだな。入れ替わっていても誰も気づかないだろうな」
「レオンは中性的で魅力的だ」
…とか何を言っているんだと子供の時は思っていたが…今ならわかる気がする。
叔父上はあの頃からレオナを狙っていたんだ。
絶対に誰にも渡さないからね。
レオナ…。
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