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77. 我が子を抱きしめる
しおりを挟む私はゆっくりと目を開けた。
そこには会いたくて仕方なかった可愛い我が子の姿が見えた。
クリフ様とそっくりな髪と瞳の笑顔の可愛い男の子。
「リオン…」
私は名前を呼んでから、頭を撫でた。
リオンは驚いてお姉様の方を見ている。
「おかあさま、おめめあいたよ」
お姉様は涙ぐみながら頷いた。
「そうね…そうね」
お姉様も私の頭に手を伸ばして触れてきた。
「心配したのよ…。良かったわ、リオンに会わせる事ができて…。でも、レオナ…一体何があったの?貴女のその髪の毛もどうしたの?」
髪の毛?
私は自分の髪を触って驚いた。
え!伸びている?
私が驚いているのがお姉様にもわかったみたいで、お姉様が話しかけてきた。
「わかってなかったのね…」
「でも、何があったかは最初からお話をします」
私はリオンを抱きしめながらお姉様に今までの事を話した。
リオンの体温を感じる事ができて嬉しい。
リオンは抱きしめている間に私の胸の上で寝てしまっていた。
お姉様には、自分がお母様に刺された事、そして意識がない間レオンと会っていろいろと話をした事、その時レオンに聖なる魔法を使えるようになると言われた事も話した。
お姉様は驚いたり、怒ったり、泣いたりしながら私の話を最後まで聞いてくれた。
「そう…そんな事があったのね。でも、お母様が貴女を殺そうとするなんて…そこまで酷いとは思っていなかったわ」
私もそう思っていた。
存在を無視されても利用価値がある私を殺しはしないだろうと…。
だけど、お母様の中で何かが変わったんだろう。
私を刺した時のお母様の表情が今でも忘れられない。
それに、意識が失くなる前に聞いた言葉も。
『レオンが待っている…』
お母様はレオンが寂しいだろうと私を殺そうとした。
家の事を考えずに…。
今まで、私は家の為にレオナとして生きる事ができなかったのに、何故急に家の事はどうでもよくなってしまったのかがわからない。
「でも、レオンはやっぱりレオナの事が心配だったのね。ずっと貴女を見守ってくれていたなんて…」
お姉様は私の話を全て信じてくれたみたいだ。
「私の夢の様な話を信じてくれるのですか?」
「勿論よ。レオナは嘘をつかないし、レオンが亡くなってからも心配している気持ちもわかるから。天国みたいなところで話をしたことも、レオンが貴女を死なせてはいけないと思ってこちらに帰らせたのも信じるわ」
やはりお姉様はいつでも私の味方をしてくださる。
「嬉しいです」
私がニッコリと笑うとお姉様の後ろから声が聞こえた。
「レオナ…目を覚ましたのか。良かった…」
クリフ様だった。
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