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26. お仕事頑張ろう!
しおりを挟む週末の疲れがまだ残っています。
あれから有宗さんの誤解を解くのに時間がかかりました。
本当に人の話を最後まで聞かなくて困りましたわ。
「はあ~…」
「あれ?藤堂さんお疲れの様子だね」
橘さんが書類を持って後ろに立っていたのに気がつきませんでした。
「これ、お願いしても良いかな?」
「はい。これはいつまでに必要ですか?」
パラパラと書類をめくってみたが期日の事は書いていない。
「今週末にいるから、できれば木曜日までにしてもらうと確認もできるから助かるかな」
「分かりました」
今日は森本先輩の邪魔はないようでホッとしました。
仕事に没頭することで余計な事を考えなくて済むので助かります。
さあ、頑張ってお仕事を片付けますわ。
「藤堂さん、お昼だよ」
「え?」
島岡さんが声をかけてくださらなければ仕事に集中しすぎてお昼を食べ損なう所でした。
「ふふっ…相変わらず凄い集中力だね。だけど、体を壊すといけないからご飯は食べるように」
肩をポンポンと軽く叩かれる。
…恥ずかしいです。
早くご飯に行きましょう。
といっても今日も静さんの手作りお弁当なんですが。
どこで食べましょうか…。
お天気が良いので近くの公園に行こうかしら。
お弁当とお財布、携帯を持って公園に向かう。
いい天気で歩くだけでも気持ちが良いです。
綺麗な花が咲いている花壇の近くにあるベンチが空いていたのでそこでお昼を食べる事にしました。
さあ、今日のお弁当は何でしょうか楽しみです。
今日はオムライスがメインで付け合わせに海老フライとブロッコリー、そして別に持たされていたデミグラスソースをかけて食べるんですね。
静さんに感謝です。
オムライスを一口食べました。
「美味しい…」
中のご飯はチキンバターライスですね、フワッとバターの香りが鼻に抜けます。
もうすぐこの美味しいご飯が食べられなくなると思うと寂しいですね。
よく味わって食べましょう。
「やっと見つけた…」
ん?
「島岡さん?」
私を探していたんでしょうか…。
額に汗が滲んでいます。
「は~、見つかって良かった」
「どうしたんですか?」
「このタオルを、返そうと思って…。家で洗濯してたら返すのを忘れてたんだよ、ごめんね。会社だと他の社員から見られるからね…」
そういえば、あの時に顔を拭くのに使用したタオルが見当たらないなと思っていたのですが、島岡さんの家にあったんですね。
「お手数をおかけして申し訳ありませんでした」
「いやいや…僕も返すのが遅くなってしまってごめん」
なんだか気まずい空気です。
そうだ!
「よろしければ隣に座りませんか?お茶をいれます」
静さんに美味しい玉露を水筒にいれてもらっていたのを思い出しました。
コップが2つついている水筒なので気を使わなくてすみますよね。
「ありがとう。このお茶…美味しいね」
「あら?珍しいお2人が一緒なんですね…」
この聞き覚えのある声は…。
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