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12. え?!そうだったの
しおりを挟む「…で?私の大切なダーリンとの時間を邪魔した理由は何?」
腕を前で組んで不機嫌な織糸が足を組み替えながら私を睨んでいます。
だって…何だかスッキリしなくて誰かに話を聞いてほしかったんだよ。だけど思い付くのが織糸だけ…。友人の少なさを痛感しました。
「え…ごめん。たいした事じゃないんだけど…。」
「はあ?たいした事じゃないのにダーリンとの時間の邪魔をした訳?!」
織糸さん…殺気だってませんか?
恐ろしい冷気が漂っているような…。
私…殺されるの?
「いや、あの…ほら、織糸に紹介してもらった会社の社長の話なの!」
「え…占一さんの事?」
セーフ!織糸の殺気が弱まりました。私は命拾いしたみたいです。
「何?!何かあったの?占一さんに惚れた?まともな春がきたの?」
組んでいた足も手もほどいて身体を前のめりにして聞いてきます。
それにしても最後の"まともな春"っていう言葉が気にかかるんだけど。
まるで今までがまともではないみたいな言い方は失礼だよね。
「いや、そんな話ではなくて…。」
「…な~んだ。」
織糸はガッカリしたように、前のめりにしていた姿勢をもとに戻してしまいました。
「じゃあ、何?」
「私の事を勝手に占われて…社長に運命の人って言われてて…どうしたら良いのかわからなくて…。」
織糸の目つきが変わりました。
「え!嘘!!運命の人って占一さんに言われたの?!嘘?!本当に?!」
ちょっと…驚きすぎじゃない?
織糸は興奮しているみたいです。
「嘘を言って誰が得するのよ?」
「確かに…。え~、でもそうか~。占一さんの運命の人が葵だったのか~。」
驚いていたわりにはすんなりと認めている。もしかして社長から何か聞いていた?
「何か社長から聞いてたの?」
「…前に話をした時にね、僕にも今年は運命の人が現れるんです。って嬉しそうに話をしていたのを思い出しただけよ。それが葵だとは聞いてない。」
そうか、そうなんだ。そんなことを言ってたんだ。
「まだ葵には話して無かったけど、ダーリンが私とのお見合いをしたのは占一さんが言ってくれたからなのよ。」
「え?それってどういう事。」
お見合いの話しはよく聞かされていたけどその前の話しは聞いたことない。
「ダーリンのお見合いは実は私が初めてではなくて何回もしていたのよ。それでお見合いが嫌になっていたみたい。誰も僕を見ていない…どうせ自分の資産にしか興味のない人しかこないってね…。」
「へぇ~、そうだったんだ。で、社長が何て言ったの?」
「占一さんには前から会社絡みで占っていてもらっていたんだけど、たまたまプライベートの話になったらしくてね。その時に「今年は運命の人に出逢えますよ」って言われたんですって。「一目見ればわかるような出逢いです」ともね。だから次のお見合いは行ってみてくださいと言われて行ったら…私が来たらしいわ。」
いや…熱烈だね。
でも2人はその通りの出逢いだったから占い通りということになるのか…。
「何で今まで言わなかったの?」
「それは葵が占いを嫌いだからだよ。嫌いな話まで聞かせることはないかな~と思ってね。」
気を遣ってくれてたんだ。
「だからこそ、占一さんの言う"運命の人"は信じているのよね。そっか~、葵もいよいよ…。」
あれ?織糸の中では付き合うことが決定してませんか。
「いや、私は付き合うとは言ってないからね。」
織糸が凄い顔をしてこちらを見ました。
「え?!何で?イケメンだし会社の社長だし、性格も良いと思うよ。どこが気に入らないの?!あんたは欠陥人間しか好きにならないの?!」
凄い捲し立てられていますが気になるワードがありましたよ。
「ちょっと待って…欠陥人間しか好きにならないって?いつ私がそんな人間を好きになったのよ!」
凄い顔をしていた織糸がタジタジになっていますが気にしません。
「だって…今までの葵が好きになった人って…コミュニケーション能力に難ありだったり、男らしいという名の俺様だったりしたからさ…。」
「え…私ってそんな感じに見られていたの?そんなに男性を見る目が無いって感じなの…。」
目の前の織糸が無言でクビ振り人形の様にクビを縦に振っている。
…知らなかった。
私って男を見る目がないのか…。
「だから…葵はダメンズが好きなのかと思っていたんだよね。まさか本人に自覚が無いとは思わなかったわ。」
ショックだ。
え…初恋のあの人は何でも決めてくれて男らしいって思っていたけど俺様だった?
確かに私に何も聞かないでお前も俺のいう通りで良いよな!っていうのが口癖でしたけど…。
元カレは確かに友達が少なそうというか…付き合っている間に友達に会ったことは無かったけど…いなかったのかな?
コミュニケーションに難ありなの?
えええーーー!!!
27年間生きてきて初めて気がついてしまったーーー!!!
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