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5. 神様の独り言 (神様視点)
しおりを挟むあの娘…人間にしては純粋で穢れのないオーラをしていたな。あのような無垢の魂は珍しい。
会うまではどうしてやろうかと思っていたが…。さて、どうしたものかな…。
100年前の王とその娘は穢れきった魂をしていたので罰を与えることに何も感じなかったが、今回の娘は穢れが無さすぎて罰を与えるのが少し躊躇われるな。
コロコロと変わる表情も見ていて飽きないしな。それに…神には劣るが魂の輝きに負けない美しさだった。
殺すのは惜しい…。
本来ならば罰として湖で命を奪うのが通例なのだが連れて来てしまったし…。
しかし…あの娘はどう思って生きてきたのだろうか。
産まれてから名前もつけられず、神の生け贄になるから"生け贄様"と呼ばれ、両親の温もりも家族もわからず…石の塔で今日まで1人で過ごしてきたなんて…。
本来なら一国の姫なのだから、周りにチヤホヤされて両親からも可愛がられ、愛情を沢山の人々から得られただろうに。
実際…彼女の弟にあたる王子や妹姫は両親から可愛がられいる。
彼女は産まれたときから死んだと同然の扱いだったのにな…。
両親が自分の辛さを減らすためにそうしたのであろうが、それは彼女にとって本当に良かったのかどうか。
もう一つの方法としては、生け贄になることを本人にも伝えた上で娘として最後まで可愛がるということもできたのではないかと思ってしまうな。
本当に人間の考えていることはわからんな。
だが、純粋無垢すぎるなんて人間では赤ん坊くらいだと今まで思っていたが、社会と断絶することでありうるのだと初めて知ったな。
長いこと生きていて初めての発見は少ないので気持ちは高揚している。
その時、ふと嬉しそうな顔をした娘の顔を思い出した。
あの娘…名前をつけたら喜んでいたな。
アクア…遠い昔に友人になった人間の娘。彼女と見た目は全然違うが雰囲気がどことなく似ていたので、つい…口からでてしまっていた。
人間は儚く脆い存在…それは身を持って理解している。
人間の時間はあっという間に過ぎてしまうことも理解している。
だから、アクアがここにいる間は大切にしてやろう。今まで得ることが出来なかった愛情をたっぷりと注いでやろう。
まあ、こうなった原因は私にも責任があるからな。
まずは、アクアに拒否されないようにゆっくりと距離を縮めて行こう。
他の神達に何か言われるかもしれないが、その時はその時だな。
アクア…どんな表情を見せてくれるだろうか。
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