12 / 12
12話
「なにしてんだよ」
真人が父さんや母さんと同じ心配そうな顔をして優を見ていた。
口は吐瀉物で汚れていて涙と混ざり顔はぐちゃぐちゃになっていた。
「おい、大丈夫か」
「吐けない....上手く吐けないのぉ」
すると優しく背中をさすり、ゆっくりでいいから吐けと言ってくれた。不思議なことに先程まで全然吐けなかったのに自然に吐くことができた。心もだんだんと落ち着いてきた。口の周りが汚れていたので真人が拭いてくれた。汚くて触りたくもないはずなのに....
「ホームルームのチャイムはもう鳴った。とりあえず保健室に行こう。」
手際良く片付け、手を引いて立ち上がらせてくれる。そのまま優の肩を支えながら保健室まで行き先生に事情を説明した後しばらく寝かせて貰えることになった。
都合がいいのか悪いのか分からないが保健室の先生は今から出張らしく昼まで戻ってこないとの事。なにかあれば職員室にと言い残し去っていった。
「授業に出なくていいの?」
「いい、先生もいないしサボる」
沈黙が続く......
こんな状況で寝れるわけない!どうしよう....あっ、お礼言わないといけないのすっかり忘れてた。
「あの.....」
「なんだ?」
「あの日、家まで送ってくれてありがとう。えっと....どうやって帰ったの?」
一番疑問であったことを聞いた。家で起きた時瞬間移動でもしたのかと思い驚いた。抱っこして電車で帰るわけにもいかない、それに鞄まで持ってきて貰って本当に恥ずかしい。
「はは、そんなこと聞くのかよ。タクシーだよタクシー」
笑いながら答えてくれた。真人が笑っている姿など見たことがなかったのでこころが高鳴った。
「ありがとう色々と....」
「すまん、元はと言えば俺のせいだ。俺の今までの行動のせいで.....もっとちゃんとしてたら優はっ...」
真人は後悔の念に駆られる。今までやることだけやってあとは知らんぷりしていた。女が朝勝手についてこようがどちらが彼女かを賭けて喧嘩をしてようが放ってきた。今からじゃ遅いけれど直して、優に許してもらおうとまでは思わないが償えるようにしていきたいと決意した。
「すまない。本当に反省してる。だから俺のこと嫌いにならないでくれ」
その言葉に優は驚きのあまりベッドから起きた。
「真人のこと嫌いじゃない、嫌いになんかならないよ。」
「俺、お前が休んでる一週間で考えたんだ。何やっても優の悲しい顔や嬉しそうな顔が浮かんでくるんだ。休んでる間何回も家に行こうか悩んだけど結局勇気が出なくて。こんなこと初めてで何のことかわからないから紫吹に聞いたらそれは恋だよって言われてそれで....今まで散々傷つけてきたのに俺が優のそばにいていいか分かんなくて.....」
真人が饒舌だということに驚くと同時にじーんと鼻の奥が痺れるほど涙が出てきた。
「ねぇ、ほんと?」
「本当だ」
と恥ずかしいのかぶっきらぼうに言う。
「僕のこと好きってこと?」
「......」
真人は口をつぐんだ。顔を覗くと真っ赤にして照れている。そんな真人を見るのは新鮮でこんなに饒舌なのにも驚いて....今が一番幸せだ。
「ふふふ、好きってことなの??」
「分かれよ...」
「言葉にしなくちゃ分かんない」
頬を膨らませ答えると真人は顔を近づけそっと口付けをする。
「好きだ。優だけが好きなんだ。」
「うんっ、僕も真人のことが大好き、大好き」
end
真人が父さんや母さんと同じ心配そうな顔をして優を見ていた。
口は吐瀉物で汚れていて涙と混ざり顔はぐちゃぐちゃになっていた。
「おい、大丈夫か」
「吐けない....上手く吐けないのぉ」
すると優しく背中をさすり、ゆっくりでいいから吐けと言ってくれた。不思議なことに先程まで全然吐けなかったのに自然に吐くことができた。心もだんだんと落ち着いてきた。口の周りが汚れていたので真人が拭いてくれた。汚くて触りたくもないはずなのに....
「ホームルームのチャイムはもう鳴った。とりあえず保健室に行こう。」
手際良く片付け、手を引いて立ち上がらせてくれる。そのまま優の肩を支えながら保健室まで行き先生に事情を説明した後しばらく寝かせて貰えることになった。
都合がいいのか悪いのか分からないが保健室の先生は今から出張らしく昼まで戻ってこないとの事。なにかあれば職員室にと言い残し去っていった。
「授業に出なくていいの?」
「いい、先生もいないしサボる」
沈黙が続く......
こんな状況で寝れるわけない!どうしよう....あっ、お礼言わないといけないのすっかり忘れてた。
「あの.....」
「なんだ?」
「あの日、家まで送ってくれてありがとう。えっと....どうやって帰ったの?」
一番疑問であったことを聞いた。家で起きた時瞬間移動でもしたのかと思い驚いた。抱っこして電車で帰るわけにもいかない、それに鞄まで持ってきて貰って本当に恥ずかしい。
「はは、そんなこと聞くのかよ。タクシーだよタクシー」
笑いながら答えてくれた。真人が笑っている姿など見たことがなかったのでこころが高鳴った。
「ありがとう色々と....」
「すまん、元はと言えば俺のせいだ。俺の今までの行動のせいで.....もっとちゃんとしてたら優はっ...」
真人は後悔の念に駆られる。今までやることだけやってあとは知らんぷりしていた。女が朝勝手についてこようがどちらが彼女かを賭けて喧嘩をしてようが放ってきた。今からじゃ遅いけれど直して、優に許してもらおうとまでは思わないが償えるようにしていきたいと決意した。
「すまない。本当に反省してる。だから俺のこと嫌いにならないでくれ」
その言葉に優は驚きのあまりベッドから起きた。
「真人のこと嫌いじゃない、嫌いになんかならないよ。」
「俺、お前が休んでる一週間で考えたんだ。何やっても優の悲しい顔や嬉しそうな顔が浮かんでくるんだ。休んでる間何回も家に行こうか悩んだけど結局勇気が出なくて。こんなこと初めてで何のことかわからないから紫吹に聞いたらそれは恋だよって言われてそれで....今まで散々傷つけてきたのに俺が優のそばにいていいか分かんなくて.....」
真人が饒舌だということに驚くと同時にじーんと鼻の奥が痺れるほど涙が出てきた。
「ねぇ、ほんと?」
「本当だ」
と恥ずかしいのかぶっきらぼうに言う。
「僕のこと好きってこと?」
「......」
真人は口をつぐんだ。顔を覗くと真っ赤にして照れている。そんな真人を見るのは新鮮でこんなに饒舌なのにも驚いて....今が一番幸せだ。
「ふふふ、好きってことなの??」
「分かれよ...」
「言葉にしなくちゃ分かんない」
頬を膨らませ答えると真人は顔を近づけそっと口付けをする。
「好きだ。優だけが好きなんだ。」
「うんっ、僕も真人のことが大好き、大好き」
end
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。