【R18】全てを捧げる初恋に報いあれ

さみ

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12話

「なにしてんだよ」

真人が父さんや母さんと同じ心配そうな顔をして優を見ていた。
口は吐瀉物としゃぶつで汚れていて涙と混ざり顔はぐちゃぐちゃになっていた。

「おい、大丈夫か」

「吐けない....上手く吐けないのぉ」

すると優しく背中をさすり、ゆっくりでいいから吐けと言ってくれた。不思議なことに先程まで全然吐けなかったのに自然に吐くことができた。心もだんだんと落ち着いてきた。口の周りが汚れていたので真人が拭いてくれた。汚くて触りたくもないはずなのに....

「ホームルームのチャイムはもう鳴った。とりあえず保健室に行こう。」

手際良く片付け、手を引いて立ち上がらせてくれる。そのまま優の肩を支えながら保健室まで行き先生に事情を説明した後しばらく寝かせて貰えることになった。
都合がいいのか悪いのか分からないが保健室の先生は今から出張らしく昼まで戻ってこないとの事。なにかあれば職員室にと言い残し去っていった。

「授業に出なくていいの?」

「いい、先生もいないしサボる」

沈黙が続く......
こんな状況で寝れるわけない!どうしよう....あっ、お礼言わないといけないのすっかり忘れてた。

「あの.....」

「なんだ?」

「あの日、家まで送ってくれてありがとう。えっと....どうやって帰ったの?」

一番疑問であったことを聞いた。家で起きた時瞬間移動でもしたのかと思い驚いた。抱っこして電車で帰るわけにもいかない、それに鞄まで持ってきて貰って本当に恥ずかしい。

「はは、そんなこと聞くのかよ。タクシーだよタクシー」

笑いながら答えてくれた。真人が笑っている姿など見たことがなかったのでこころが高鳴った。

「ありがとう色々と....」

「すまん、元はと言えば俺のせいだ。俺の今までの行動のせいで.....もっとちゃんとしてたら優はっ...」

真人は後悔の念に駆られる。今までやることだけやってあとは知らんぷりしていた。女が朝勝手についてこようがどちらが彼女かを賭けて喧嘩をしてようが放ってきた。今からじゃ遅いけれど直して、優に許してもらおうとまでは思わないが償えるようにしていきたいと決意した。

「すまない。本当に反省してる。だから俺のこと嫌いにならないでくれ」

その言葉に優は驚きのあまりベッドから起きた。

「真人のこと嫌いじゃない、嫌いになんかならないよ。」

「俺、お前が休んでる一週間で考えたんだ。何やっても優の悲しい顔や嬉しそうな顔が浮かんでくるんだ。休んでる間何回も家に行こうか悩んだけど結局勇気が出なくて。こんなこと初めてで何のことかわからないから紫吹に聞いたらそれは恋だよって言われてそれで....今まで散々傷つけてきたのに俺が優のそばにいていいか分かんなくて.....」

真人が饒舌だということに驚くと同時にじーんと鼻の奥が痺れるほど涙が出てきた。

「ねぇ、ほんと?」

「本当だ」

と恥ずかしいのかぶっきらぼうに言う。

「僕のこと好きってこと?」

「......」

真人は口をつぐんだ。顔を覗くと真っ赤にして照れている。そんな真人を見るのは新鮮でこんなに饒舌なのにも驚いて....今が一番幸せだ。

「ふふふ、好きってことなの??」

「分かれよ...」

「言葉にしなくちゃ分かんない」

頬を膨らませ答えると真人は顔を近づけそっと口付けをする。

「好きだ。優だけが好きなんだ。」

「うんっ、僕も真人のことが大好き、大好き」

end
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