外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!

東導 号

文字の大きさ
239 / 777

第239話「英雄との問答②」

しおりを挟む
『お前はな、その要素はそれぞれ持ちつつも、どちらにも当てはまらない! だから面白いのだ! ははははははははははははははははは!!!!!!』

アリスティドは再び、思い切り高笑いした。

いにしえの英雄、ソヴァール王国建国の開祖、
血筋を考えれば王族の長、国王たるアリスティドの亡霊。

国王と国民……という身分を考えれば、
こんな時、「御意!」とか「はい!」と言う絶対服従は必須が常識。

更にリオネルは、アリスティドから、
「お前の夢を後押しする」と、ありがたき事も言われている。

だから、ここは素直に従うのが賢明。
下手をすれば、可愛さ余って憎さ100倍となる。

反論など、しない方がベストなのだが……

しかし、アリスティドの話に違和感を覚えたリオネル。
そのままスルー出来ず、「不可解です」という気持ちを戻してしまう。

『あのぉ……アリスティド様、お言葉ですが……俺は学ぶ事がとんでもなく大好きだし、いろいろな欲望にも、どっぷりまみれていると思いますが……』

『ほう、含みのある言い方だ。何か、我へ言いたい事がありそうだな……怒らぬから申してみよ』

『はい! では遠慮なく! ……頑張って仕事をしてガンガン稼ぎたいです! 俺はお金が欲しいですから! レベルアップやランクアップすれば嬉しいし、魔法やスキルを習得したら、満足感を覚えます』

『ふむふむ、まあ至極当然だな。我もかつてそうであった』

『ですか? そして素敵な女子に、もてたいし、いずれ生涯をかけて愛し、愛される「想い人」にも巡り合いたいです。これ、結構切実です。彼女ナッシング18年ですから』

『うむうむ、そんなに女子にもてたいか』

『はいっ! 凄くもてたいです! そして、いろいろな人と関わり、助け合い、支え合い、生涯をかけて名を残し、最後には満足して死にたい……いつもそう考えて旅をしています』

『ほう! そうなのか? いろいろな人と関わり、助け合い、支え合い、生涯をかけて名を残し、最後には満足して死にたい……か』

『はい! ですから、俺は強さ、女子、そして名誉を求めています』

『ふむふむ、分かりやすいな、リオネル、お前は』

『はい、俺、凄く単純なんで……』

『ふむ……』

『アリスティド様があげられた、おふたりの全属性魔法使用者オールラウンダーの方と、俺は生き方こそ違いますが……』

『うむ』

『そして、俺自身は全然ストイックではありませんが……本質的には『求道者ぐどうしゃ』であり、『下卑げびた野心家』でもある、そう思います』

対してアリスティドは、

『ははははははははははははははははは!!!!!!』

とまたも面白そうに笑い飛ばした。

『え? 可笑おかしいですか、アリスティド様』

『ああ、可笑しいわい、リオネル』

『そうですか……』

『ふむ、リオネルよ、確かにお前は、ストイックな求道者であり、下卑た野心家でもある』

アリスティドに言い切られ、リオネルは苦笑した。

『あ、やっぱりですか? 変人同様、しっかりと自覚しています』

『まあ、待て。我は、お前が、その要素はそれぞれ持ちつつあると、先に言ったはずだぞ』

『ああ、確かにそうですね……』

『だがお前が、先にかかげた目的、または今、申した事象は、ストイック過ぎるものでなく、肥大した欲望でもない。人間が本来持つ生存本能の一部だといえよう』

『え? 俺の目的は、生存本能の一部……ですか?』

『うむ! そもそも人間にはな!「生きる」「知る」「仲間になる」という基本的な欲求の本能がある! そして!「生きて行く為には、己自身を守らないといけない」という「自己保存の本能」も加わる!』

『な、成る程……』

『リオネル! お前はな、生存本能、自己保存の本能に従い、素直に自然に生きているだけだ。人間らしい理性を持ってな、しっかりと地に足をつけ生きておるのだ』

『人間らしい理性を俺が持って、しっかりと地に足をつけ、生きている……俺がですか?』

『うむ、そうだ。人間らしい理性とは、人間の真なる心と言い換えても良い……だが、極端なストイックさ、歯止めのきかない欲望は、人間の真なる心を失わせるのだ』

『人間の真なる心を……失わせる』

『うむ、極端なストイックさがあったとしても、我が先に告げた者のように、他者と一切交わらず、授かった全属性魔法使用者オールラウンダーの能力を極める事に徹し、一生を終えるのならば、まだましだ』

『ですね』

『だが……人間の力を遥かに超えた強大な力を有する全属性魔法使用者オールラウンダーが、他者と、かかわった場合、極端なストイックさ、歯止めのきかない欲望を持つのは、危険だ。彼らは目的を達成する為には自分の思想を求め強制し、手段を選ばないだろう。そして、どのような結果を招いても気にはしない』

『うわ、それ、外道そのもの、ですね』

『うむ! まさに外道だ! そして本人は勿論、その強大な力で周囲をも巻き込み、最後には、全てを破滅させてしまう……それが、『ストイック過ぎる求道者ぐどうしゃ』! もしくは、肥大した欲望の泥沼へ沈む『下卑げびた野心家』である! 彼らは堕ちた全属性魔法使用者オールラウンダーの末路なのだ!』

『堕ちた全属性魔法使用者オールラウンダーの末路……ですか。怖ろしいですね、それ……』

『うむ! 怖ろしい。だが、リオネル! お前の性格、これまでの行いから、身を持ち崩す事はないと、我は思う』

『は、はい!』

全属性魔法使用者オールラウンダーの能力はまだまだ奥が深い。天の使徒にも匹敵する力、すなわち創世神様の御業みわざに近い、凄まじき能力も習得出来る可能性がある! まさに底なしの能力だ!』

『は、はいっ!』

『リオネル・ロートレックよ! お前はこれからも修練を重ね、全属性魔法使用者オールラウンダーとして持てる能力を極めよ! 数多の魔法、数多のスキル、そして人間を超えた身体能力、卓越した武技で世界の人々を助けるが良い! お前の故国、我がソヴァール王国にこだわるな! 広き世界へ旅立つが良いぞ!』

『は、はい! 了解致しましたあ! アリスティド様のお言葉、心にしっかりと刻みます!』

『うむ! でも油断は大敵だぞ! しっかりと自戒し、彼らを反面教師とせよ! 絶対に、前車ぜんしゃてつを踏むな !』

反面教師とは、
手本とならない、絶対に真似をしてはいけない人物や物事を意味する。

また、前車の轍を踏む、とは、
前に行った車のわだちを、後の車が踏んで行く。
前の人と同じような失敗を、後の人が繰り返す事だ。

リオネルは、アリスティドの戒めを再び、心にしっかりと刻む。

『りょ、了解です!』

『うむ! 覚醒したお前は、心して認識せよ。全属性魔法使用者オールラウンダーとは、人々を救い支える世界の至宝であるとともに、人々を破滅させる、極めて危険な諸刃もろはつるぎなのだと!』

『はい!』

アリスティドの語る、
全属性魔法使用者オールラウンダーの素晴らしさと危うさを聞き……

リオネルは大きく頷いたのである。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます

水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。 勇者、聖女、剣聖―― 華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。 【戦術構築サポートAI】 【アンドロイド工廠】 【兵器保管庫】 【兵站生成モジュール】 【拠点構築システム】 【個体強化カスタマイズ】 王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。 だが―― この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。 最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。 識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。 「今日からお前はレイナだ」 これは、勇者ではない男が、 メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。 屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、 趣味全開で異世界を生きていく。 魔王とはいずれ戦うことになるだろう。 だが今は―― まずは冒険者登録からだ。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

器用貧乏な赤魔道士は、パーティーでの役割を果たしてないと言って追い出されるが…彼の真価を見誤ったメンバーは後にお約束の展開を迎える事になる。

アノマロカリス
ファンタジー
【赤魔道士】 それは…なりたい者が限られる不人気No. 1ジョブである。 剣を持って戦えるが、勇者に比べれば役に立たず… 盾を持ってタンクの役割も出来るが、騎士には敵わず… 攻撃魔法を使えるが、黒魔道士には敵わず… 回復魔法を使えるが、白魔道士には敵わず… 弱体魔法や強化魔法に特化していて、魔法発動が他の魔道士に比べて速いが認知されず… そして何より、他のジョブに比べて成長が遅いという… これは一般的な【赤魔道士】の特徴だが、冒険者テクトにはそれが当て嵌まらなかった。 剣で攻撃をすれば勇者より強く… 盾を持てばタンクより役に立ち… 攻撃魔法や回復魔法は確かに本職の者に比べれば若干威力は落ちるが… それを補えるだけの強化魔法や弱体魔法の効果は絶大で、テクトには無詠唱が使用出来ていた。 Aランクパーティーの勇者達は、テクトの恩恵を受けていた筈なのに… 魔物を楽に倒せるのは、自分達の実力だと勘違いをし… 補助魔法を使われて強化されているのにもかかわらず、無詠唱で発動されている為に… 怪我が少ないのも自分達が強いからと勘違いをしていた。 そしてそんな自信過剰な勇者達は、テクトを役立たずと言って追い出すのだが… テクトは他のパーティーでも、同じ様に追い出された経験があるので… 追放に対しては食い下がる様な真似はしなかった。 そしてテクトが抜けた勇者パーティーは、敗走を余儀無くされて落ち目を見る事になるのだが… 果たして、勇者パーティーはテクトが大きな存在だったという事に気付くのはいつなのだろうか? 9月21日 HOTランキング2位になりました。 皆様、応援有り難う御座います! 同日、夜21時49分… HOTランキングで1位になりました! 感無量です、皆様有り難う御座います♪

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

処理中です...