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第517話「基本的に攻撃は最大の防御で行く!」
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……翌朝も、リオネルは早めに起床した。
手早く身支度をし、魔獣オルトロス以下の仲間達と共に食事をし、
キャンプをたたみ、出発する事に。
立てた本日の目標は、残っている地下146階層へ降り、
その146階層を、更に147階層を抜け、148階層クリアまで、まずは3階層クリアを目指す。
「まずは」というのは、「所詮、予定は未定だ」という、
ぶれないリオネルのポリシーから来る。
これまで学び得た知識、重ねて来た経験則に基づく事実と推測、及び、
冒険者ギルドの地図、古文書、資料等々で得た情報こそある。
それゆえある程度のシミュレーションは可能なものの、
この先、未知の領域へ足を踏み入れるのに、何が起こるのかなんて、
100%完璧に分からないからだ。
探索と確認は直近の146階層で、たった1階層のみのクリアで終わるかもしれないし、何の妨害もなく順調ならば、一気に予定以上のフロアをクリアし、
地下150階層まで到達出来るかもしれない。
ケースバイケース、臨機応変に対応しようと、リオネルは考えている。
基本的に探索のペース、パターンは変えず、無理はせず、いつもの通りで。
リオネルはシーフ職スキルを駆使し、
『隠形』『忍び足』で、すっ、すっ、すっ、と空気の如く進む。
もしも障害物があれば、転移、飛翔の失われた魔法、
ジャンプ、幅跳び、高所からの落下、木登りし樹上にての軽業など、
確信を得た超人的な身体能力を行使し、楽々と進んで行く。
索敵――魔力感知を最大範囲で張り巡らせ、外敵への警戒も怠らない。
さてさて!
地下121階層から戦って来て、ドラゴン族、巨人族の対処にも慣れた。
油断はしないが、両種族の動きは完全に見切っていた。
様々な手立てを使い、あっさりと屠って行く。
120階層より上層に出現した敵なら、尚更に討伐難度は低い。
このフォルミーカ迷宮に現れる敵は、地上の敵とは同等以上。
もはやリオネルは地上最強レベルに到達している。
今のリオネルにとって、強敵となるのは未対戦たる高位の悪魔族、
もしくは界王級の最高位精霊であろう。
そんなリオネルでも、ためらう修行はある。
それは耐性、耐久力の修行、及び実証である。
特に致命的な破壊力を持つ属性攻撃、または魔法攻撃に対する、
耐性、耐久力の実証は勇気が必要だ。
例えば、リオネルは火界王パイモンから、火の加護だけではなく、
『爆炎』『火炎全無効』という極大魔法をも授けられた。
攻撃魔法、攻撃的なスキルはほとんど問題はない。
敵に向かって容赦なく、行使すれば効能効果の確認は可能だ。
しかし、防御魔法、防御的なスキルの実証は違う。
例えば、パイモンお墨付きの『爆炎』をも退けるという『火炎全無効』を、
無防備の状態で身をもって確認するのは、大いにためらわれる。
もしも、万が一、『火炎全無効』が作用しなければ、リオネルの心身は一瞬にして、
爆炎の威力により、消滅してしまうに違いないから。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
リオネルは習得した最高位の防御魔法、破邪霊鎧の実証を、
ようやく終えたばかりだ。
リオネルがまだ遭遇し、戦った事がない行為の存在など、
相手のレベルにより強弱はあるから、100%断言は出来ないが、
毒、瘴気、麻痺、混乱、睡眠、石化、呪い等は全て無効だ。
これらの実証もリオネルが、数多の戦いで身をもって証明したものだ。
簡単に証明とは言うが、無防備で受けるのは大いなる勇気があったのは当然の事である。
そもそも、リオネルは相手の攻撃を受けないようにする事をまず考える。
「いろいろな手立てを講じ、防ぐ事」を優先する。
例えば、パイモンから、ファイアドレイクと戦うように試された際には、
究極の防御魔法、破邪霊鎧を発動。加えて、複合属性精霊魔法も発動!
身にまとう聖なる風へ、超低温の冷気を加え、炎を寄せつけぬ強固な盾として、
ファイアドレイクの吐く凄まじい火の息を、完全に防いだのだ。
またリオネルは、「攻撃は最大の防御だ!」というスタンスも徹底していた。
身体能力の俊敏さも、魔法行使の迅速さも敵よりも遥かに勝るリオネルは、
先手必勝とばかりに、敵へ攻撃する時間を全く与えず、絶対的なアドバンテージを持ち、戦っていたのである。
う~ん。
火の息大幅パワーダウン攻撃は、ファイアドレイクへお願いして試してみたけど……
「ちょっと、熱いな」と感じるくらいで、何とか大丈夫だった。
そもそも人間の肉体は魔物に比べて、とても脆弱。
数千、数万度の高熱を発するMAXレベルの炎を受けるのは、
さすがに勇気が出ないや……
苦笑したリオネルだが、考え直した。
破邪霊鎧を始め、『火炎全無効』などは、『保険』のようなものだと。
まずは敵の、状況の情報収集と分析!
敵を知り己を知れば百戦危うからずと、聞いた事がある。
更に!
戦う際は、まともに攻撃を浴びないよう、防ぐ!
それ以前に先手必勝!!
基本的に攻撃は最大の防御で行く!
改めて気を引き締めたリオネルは、地下146階層の探索を続けたのである。
手早く身支度をし、魔獣オルトロス以下の仲間達と共に食事をし、
キャンプをたたみ、出発する事に。
立てた本日の目標は、残っている地下146階層へ降り、
その146階層を、更に147階層を抜け、148階層クリアまで、まずは3階層クリアを目指す。
「まずは」というのは、「所詮、予定は未定だ」という、
ぶれないリオネルのポリシーから来る。
これまで学び得た知識、重ねて来た経験則に基づく事実と推測、及び、
冒険者ギルドの地図、古文書、資料等々で得た情報こそある。
それゆえある程度のシミュレーションは可能なものの、
この先、未知の領域へ足を踏み入れるのに、何が起こるのかなんて、
100%完璧に分からないからだ。
探索と確認は直近の146階層で、たった1階層のみのクリアで終わるかもしれないし、何の妨害もなく順調ならば、一気に予定以上のフロアをクリアし、
地下150階層まで到達出来るかもしれない。
ケースバイケース、臨機応変に対応しようと、リオネルは考えている。
基本的に探索のペース、パターンは変えず、無理はせず、いつもの通りで。
リオネルはシーフ職スキルを駆使し、
『隠形』『忍び足』で、すっ、すっ、すっ、と空気の如く進む。
もしも障害物があれば、転移、飛翔の失われた魔法、
ジャンプ、幅跳び、高所からの落下、木登りし樹上にての軽業など、
確信を得た超人的な身体能力を行使し、楽々と進んで行く。
索敵――魔力感知を最大範囲で張り巡らせ、外敵への警戒も怠らない。
さてさて!
地下121階層から戦って来て、ドラゴン族、巨人族の対処にも慣れた。
油断はしないが、両種族の動きは完全に見切っていた。
様々な手立てを使い、あっさりと屠って行く。
120階層より上層に出現した敵なら、尚更に討伐難度は低い。
このフォルミーカ迷宮に現れる敵は、地上の敵とは同等以上。
もはやリオネルは地上最強レベルに到達している。
今のリオネルにとって、強敵となるのは未対戦たる高位の悪魔族、
もしくは界王級の最高位精霊であろう。
そんなリオネルでも、ためらう修行はある。
それは耐性、耐久力の修行、及び実証である。
特に致命的な破壊力を持つ属性攻撃、または魔法攻撃に対する、
耐性、耐久力の実証は勇気が必要だ。
例えば、リオネルは火界王パイモンから、火の加護だけではなく、
『爆炎』『火炎全無効』という極大魔法をも授けられた。
攻撃魔法、攻撃的なスキルはほとんど問題はない。
敵に向かって容赦なく、行使すれば効能効果の確認は可能だ。
しかし、防御魔法、防御的なスキルの実証は違う。
例えば、パイモンお墨付きの『爆炎』をも退けるという『火炎全無効』を、
無防備の状態で身をもって確認するのは、大いにためらわれる。
もしも、万が一、『火炎全無効』が作用しなければ、リオネルの心身は一瞬にして、
爆炎の威力により、消滅してしまうに違いないから。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
リオネルは習得した最高位の防御魔法、破邪霊鎧の実証を、
ようやく終えたばかりだ。
リオネルがまだ遭遇し、戦った事がない行為の存在など、
相手のレベルにより強弱はあるから、100%断言は出来ないが、
毒、瘴気、麻痺、混乱、睡眠、石化、呪い等は全て無効だ。
これらの実証もリオネルが、数多の戦いで身をもって証明したものだ。
簡単に証明とは言うが、無防備で受けるのは大いなる勇気があったのは当然の事である。
そもそも、リオネルは相手の攻撃を受けないようにする事をまず考える。
「いろいろな手立てを講じ、防ぐ事」を優先する。
例えば、パイモンから、ファイアドレイクと戦うように試された際には、
究極の防御魔法、破邪霊鎧を発動。加えて、複合属性精霊魔法も発動!
身にまとう聖なる風へ、超低温の冷気を加え、炎を寄せつけぬ強固な盾として、
ファイアドレイクの吐く凄まじい火の息を、完全に防いだのだ。
またリオネルは、「攻撃は最大の防御だ!」というスタンスも徹底していた。
身体能力の俊敏さも、魔法行使の迅速さも敵よりも遥かに勝るリオネルは、
先手必勝とばかりに、敵へ攻撃する時間を全く与えず、絶対的なアドバンテージを持ち、戦っていたのである。
う~ん。
火の息大幅パワーダウン攻撃は、ファイアドレイクへお願いして試してみたけど……
「ちょっと、熱いな」と感じるくらいで、何とか大丈夫だった。
そもそも人間の肉体は魔物に比べて、とても脆弱。
数千、数万度の高熱を発するMAXレベルの炎を受けるのは、
さすがに勇気が出ないや……
苦笑したリオネルだが、考え直した。
破邪霊鎧を始め、『火炎全無効』などは、『保険』のようなものだと。
まずは敵の、状況の情報収集と分析!
敵を知り己を知れば百戦危うからずと、聞いた事がある。
更に!
戦う際は、まともに攻撃を浴びないよう、防ぐ!
それ以前に先手必勝!!
基本的に攻撃は最大の防御で行く!
改めて気を引き締めたリオネルは、地下146階層の探索を続けたのである。
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