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第721話「私の愛する娘ブレンダを何卒! 何卒! 宜しくお願い致します!」
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それから、話は順調過ぎるくらい順調に進んだ。
雇用条件を提示し、山猫亭の人材の新規募集を託した商業ギルドのサブマスターは、
何と!何と! 調理、接客担当各150人計300人の候補者リストを送って来て、
面接のセッティングを打診して来た。
対して、リオネル達は丁重に礼を述べ、送っても貰ったリストを精査。
まずは書類選考で1/3の50人ずつ計100人に絞り、早速面接のセッティングを依頼。
一方、大工達からは特別チームを組み、前打合せをしたので、
山猫亭へ赴き、隣のレストラン山猫亭を含め、
下見を兼ねた打合せをしたいと連絡が来た。
すぐにスケジュール調整し、翌日、下見を兼ねた打合せを行った。
幸い建設した際の山猫亭の図面が残っていたので、下見はスムーズ。
隣のレストランもしっかり見て、こちらの希望も充分伝える事が出来たのである。
人材の新規募集は、冒険者ギルドにおいて、
リオネル主導、イルヴァとモニカも出席しての第一次集団面接、
リオネル主導、ダニエラとブレンダ出席の第二次個別面接、
そして同じくリオネル主導、ダニエラとブレンダ出席の最終個別面接へ……
ちなみにリオネル主導なのは、こういう事に不慣れなダニエラとブレンダを、
共同経営者としてフォローするのは勿論、
面接へ臨んだ応募者の心の波動を受け、相手の真剣さ、誠実さをはかる為だ。
そしてレストラン山猫亭の新設、山猫亭増改築は、下見と打合せ後、
リオネル、ダニエラ、ブレンダ確認の上で、
大工からの設計図の提出、その修正、合意、半金の支払い、着工と、
更に進展して行った。
という事で、リオネルの結婚、山猫亭プロジェクトなど、
想定外のイベントが発動した為、予定外の日数がかかり、
当初の滞在予定日数を軽くオーバー。
予定通りのイエーラへの帰国は叶わなかった。
こうなるとイェレミアスはともかく、
ヒルデガルドが寂しさから「ぶうぶう」言いそうだが、
ティエラの恋愛指南もあり、さすがにそこはしっかりフォロー。
リオネルは毎晩の長距離念話連絡で、ヒルデガルドへコミュニケーションを取り、
日々の確認を兼ねた彼女の気持ちのケアを行っていた。
それゆえ、ヒルデガルドは寂しいとは言いながらも、
あからさまに不満を見せたりはしなかったのだ。
またリオネルは「時は金なり」とばかりに、
山猫亭プロジェクトが進行中に、
冒険者ギルドの講座で召喚魔法、付呪魔法、の習得を続行。
そして、これまでにフォルミーカの街で、
様々な買い物を行っていたのだが、更に更に買い物を続行。
今後必要となるであろう、とんでもない量の商品、食料品、飲料、
し好品、資材等々を買い込んだ。
一方、ダニエラとブレンダ、イェレミアスとボトヴィッドも
イエーラ行きを想定し、生活物資を中心に大量の買い物を行う。
ダニエラはすぐ出発せず、しばし、フォルミーカに滞在するが、
先に購入し、イエーラへ運んでおこうという意図である。
後、イェレミアスはリオネル同様、冒険者ギルドの各講座に通いつつ、
アートスを従えたボトヴィッドとともに、
フォルミーカの街の観光を思う存分に楽しみ、3者で魔道具店へ赴き、
目利きの訓練も兼ねて、売れそうな商品を買い漁っていた。
そんなこんなで、各人は時間を全く無駄にしなかったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
それから1週間が過ぎ、最終面接が終了。
山猫亭の新スタッフが決定した。
20歳から35歳までの調理担当が5名、20歳から25歳までの接客担当が5名、
計10人を採用した。
いずれオープンするレストラン山猫亭への移籍も見越しての採用である。
但し、調理担当であっても人手が足りない場合、
接客を含む宿の業務も担って貰うという条件を了承しての採用だ。
ただこの10人は初心者ではなく、
調理担当は、これまでレストラン、居酒屋等々で腕を磨き、
接客担当は、ホテル、同業の宿屋などでしっかりと仕事をして来た経験者である。
なので、いちから仕事を教えるという事はさすがに無い。
リオネルは、山猫亭の仕事の流れに出来る限り早く慣れて貰い、
何かあれば遠慮なく提案をして貰い、レストラン山猫亭への移籍も含め、
各自がベストのパフォーマンスを発揮する事を心がけて欲しいと告げた。
本来ならば、オーナーであるダニエラ、ブレンダが話す訓示だが、
最早アクィラ王国において偉大な英雄とされ、
レジェンドたるランクS冒険者、ドラゴンスレイヤーたる共同経営者リオネルから、
伝える事で、新スタッフ達が素直に聞き入れると考えたのだ。
その作戦は、ばっちり上手く行った。
リオネル・ロートレックの名前と功績はアクィラ王国中は勿論、
周辺各国、遠き国まで伝わっている。
今回の応募者達は、耳にたこが出来るほどリオネルの噂を聞き及んでいて、
サブマスターが大々的にそれらを強調し、募集をかけた事もあり、
リオネルゆかりの店が、新たにスタッフを募集するという事で、
問合せが殺到したのだ。
採用者達も当然リオネルの大ファンであり、全員が素直に話を聞いている。
更にリオネルはダメ押しとして、3日間の研修を行った。
そこで採用者達は大いに驚愕
英雄が、ダニエラ達とまめまめしく宿屋の仕事を行うのに加え……
自らが厨房に立ったのだから。
しかし、驚愕はまだまだ終わらない。
いつもながらの軽快な包丁さばき。
とんとんとんとん! とんとんとんとん!
大きな鉄製フライパンも楽勝で軽々と使う。
じゃじゃじゃっ! じゃじゃじゃっ!
じゅ~ううう! じゅ~ううう!
じゅわわわぁ! じゅわわわぁ!
「………………………………」
リオネルの一流シェフさながらの手際の良さを見て、
そのとんでもないギャップに完全に参り、新スタッフ全員が心酔してしまった。
出来上がった料理が絶品だったから尚更。
全員が山猫亭プロジェクトを絶対に大成功させようと、
モチベーションは、ダダ上がりとなる。
特に調理担当は、自身が得意のアクィラ王国料理は勿論、
ソヴァール王国とアールヴ料理を習得しようと燃えに燃えた。
そしてリオネルからはとりあえず、ソヴァール王国とアールヴ料理のレシピ、
各100ずつも渡された。
これでダニエラ、イルヴァとモニカを始め、調理担当達が、
習得に励んでくれるはずだ。
そんなこんなで、山猫亭のスタッフはブレンダがイエーラへ出発し、
ダニエラがその後抜けたとしても、イルヴァとモニカのカディオ母娘を入れ12名。
ちなみに各スタッフへ支払う給金は、物騒なので総額をルベルに預け、
ダニエラが支払うという形にし、リオネルが了解を貰っていた。
レストラン山猫亭オープンの際には新規募集を改めてかけるし、
当面はこの12名で、充分回していけるはずである。
一方、そのレストラン山猫亭の新設も順調に進んでいた。
隣家であった3階建ての旧レストランは、まだ築10年と少し。
取り壊し、いちから建築するより、リフォーム工事した方が、
というリオネルの判断は妥当であった。
担当した大工達は、英雄リオネルゆかりの店として、
素晴らしいオープンをさせたいと、大奮闘。
多分、2か月かからず、工事は終了するとの事。
リオネルは感謝し、建設費用を全額、完成前に支払った。
結果、大工達のモチベーションが更に更に爆上がりしたのは言うまでもない。
それから更に1週間経ち、宿泊客が一気に増え、常に満室の状態であったが、
新スタッフを加えた山猫亭の業務は順調。
指導役にも慣れたカディオ母娘が中心となり、営業はスムーズに行われていた。
そしてヒルデガルドからは、定時連絡の中で、
『特別地区の工事は順調に進んでおり、魔力システム、上下水道などの必須インフラが既に完成。優先上位となる外壁、官邸、ホテル、魔道具店用の店舗、スタッフ用の宿舎他の建築物も完成し、いつでも居住OKです』
と報告があげられている。
これで、ようやく、という感じでブレンダ出発準備が整った。
まずリオネルは、冒険者ギルドフォルミーカ支部のギルドマスター、
アウグスト・ブラードへ一報を入れた。
近日中に、フォルミーカの街を出て、イエーラへ向かうと。
出発日は未定なので、見送りや餞別などは一切不要、
お構いなくという旨も、ギルドの受付経由で伝えておく。
……それからリオネルは、話があるとブレンダを呼び出し、ふたりきりの時に、
『実は、今回のイエーラへの旅は『特別な魔法』を使い、長い旅の負担を著しく軽減する』
と念話で伝える。そして更に、
『特別な魔法は今、具体的には明かさないが、既に何度も行使しており、禁呪のような邪悪な魔法ではなく、危険もほぼ無く、イェレミアスは体験済みで、先日ボトヴィッドへも伝えた。
但し、この特別な魔法は失われた幻の魔法。リオネルが行使可能な事は厳秘であり、こちらが許可する以外、実の母と言えども、一切の他言は厳禁、必ず厳守する事』
とも伝えたのである。
対してブレンダは大いに驚きながらも、
『旦那様! 私は貴方を信じていますし、必ず秘密は守ります!』
と固く固く約束してくれた。
そんなこんなで、いよいよ出発の日、リオネルは笑顔で、ダニエラへ言う。
「ダニエラさん、後をお任せし、本日午前11時にイエーラへ出発させて頂きます。今後のスケジュールですが、レストラン山猫亭の完成前にまたフォルミーカへ来ます。その前に商業ギルドのサブマスターへは人材の新規募集のお願いを魔法鳩便で行っておきます」
「分かりました! リオネルさん! イルヴァとモニカは頑張ってくれているし、ルベルさんが居るから本当に心強い。新しく来たスタッフさん達も良く働いてくれているし、何の不安もありません! ……私の愛する娘ブレンダを何卒! 何卒! 宜しくお願い致します!」
「はい! 任せてください! 必ず幸せにしますから!」
ダニエラへ固く誓いを立てた後、
更にリオネルは、スタッフ全員へ改めて訓示を行い、
気を引き締めた上で、収納の腕輪から8人乗りの馬車『魔獣車』を搬出。
水の精霊ウンディーネのマイムへお願いして、
たくましい駿馬に擬態したケルピーを水宮城より4体召喚。
ケルピーをハーネスで魔獣車へつなぎ、出発の用意をすると……
事前に召喚しておいた炎の魔人ブライムを護衛として従えつつ、
ダニエラ達山猫亭スタッフ全員の見送りを受けながら、
ブレンダ、イェレミアス、ボトヴィッド、アートスとともに、
イエーラへ出発したのである。
雇用条件を提示し、山猫亭の人材の新規募集を託した商業ギルドのサブマスターは、
何と!何と! 調理、接客担当各150人計300人の候補者リストを送って来て、
面接のセッティングを打診して来た。
対して、リオネル達は丁重に礼を述べ、送っても貰ったリストを精査。
まずは書類選考で1/3の50人ずつ計100人に絞り、早速面接のセッティングを依頼。
一方、大工達からは特別チームを組み、前打合せをしたので、
山猫亭へ赴き、隣のレストラン山猫亭を含め、
下見を兼ねた打合せをしたいと連絡が来た。
すぐにスケジュール調整し、翌日、下見を兼ねた打合せを行った。
幸い建設した際の山猫亭の図面が残っていたので、下見はスムーズ。
隣のレストランもしっかり見て、こちらの希望も充分伝える事が出来たのである。
人材の新規募集は、冒険者ギルドにおいて、
リオネル主導、イルヴァとモニカも出席しての第一次集団面接、
リオネル主導、ダニエラとブレンダ出席の第二次個別面接、
そして同じくリオネル主導、ダニエラとブレンダ出席の最終個別面接へ……
ちなみにリオネル主導なのは、こういう事に不慣れなダニエラとブレンダを、
共同経営者としてフォローするのは勿論、
面接へ臨んだ応募者の心の波動を受け、相手の真剣さ、誠実さをはかる為だ。
そしてレストラン山猫亭の新設、山猫亭増改築は、下見と打合せ後、
リオネル、ダニエラ、ブレンダ確認の上で、
大工からの設計図の提出、その修正、合意、半金の支払い、着工と、
更に進展して行った。
という事で、リオネルの結婚、山猫亭プロジェクトなど、
想定外のイベントが発動した為、予定外の日数がかかり、
当初の滞在予定日数を軽くオーバー。
予定通りのイエーラへの帰国は叶わなかった。
こうなるとイェレミアスはともかく、
ヒルデガルドが寂しさから「ぶうぶう」言いそうだが、
ティエラの恋愛指南もあり、さすがにそこはしっかりフォロー。
リオネルは毎晩の長距離念話連絡で、ヒルデガルドへコミュニケーションを取り、
日々の確認を兼ねた彼女の気持ちのケアを行っていた。
それゆえ、ヒルデガルドは寂しいとは言いながらも、
あからさまに不満を見せたりはしなかったのだ。
またリオネルは「時は金なり」とばかりに、
山猫亭プロジェクトが進行中に、
冒険者ギルドの講座で召喚魔法、付呪魔法、の習得を続行。
そして、これまでにフォルミーカの街で、
様々な買い物を行っていたのだが、更に更に買い物を続行。
今後必要となるであろう、とんでもない量の商品、食料品、飲料、
し好品、資材等々を買い込んだ。
一方、ダニエラとブレンダ、イェレミアスとボトヴィッドも
イエーラ行きを想定し、生活物資を中心に大量の買い物を行う。
ダニエラはすぐ出発せず、しばし、フォルミーカに滞在するが、
先に購入し、イエーラへ運んでおこうという意図である。
後、イェレミアスはリオネル同様、冒険者ギルドの各講座に通いつつ、
アートスを従えたボトヴィッドとともに、
フォルミーカの街の観光を思う存分に楽しみ、3者で魔道具店へ赴き、
目利きの訓練も兼ねて、売れそうな商品を買い漁っていた。
そんなこんなで、各人は時間を全く無駄にしなかったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
それから1週間が過ぎ、最終面接が終了。
山猫亭の新スタッフが決定した。
20歳から35歳までの調理担当が5名、20歳から25歳までの接客担当が5名、
計10人を採用した。
いずれオープンするレストラン山猫亭への移籍も見越しての採用である。
但し、調理担当であっても人手が足りない場合、
接客を含む宿の業務も担って貰うという条件を了承しての採用だ。
ただこの10人は初心者ではなく、
調理担当は、これまでレストラン、居酒屋等々で腕を磨き、
接客担当は、ホテル、同業の宿屋などでしっかりと仕事をして来た経験者である。
なので、いちから仕事を教えるという事はさすがに無い。
リオネルは、山猫亭の仕事の流れに出来る限り早く慣れて貰い、
何かあれば遠慮なく提案をして貰い、レストラン山猫亭への移籍も含め、
各自がベストのパフォーマンスを発揮する事を心がけて欲しいと告げた。
本来ならば、オーナーであるダニエラ、ブレンダが話す訓示だが、
最早アクィラ王国において偉大な英雄とされ、
レジェンドたるランクS冒険者、ドラゴンスレイヤーたる共同経営者リオネルから、
伝える事で、新スタッフ達が素直に聞き入れると考えたのだ。
その作戦は、ばっちり上手く行った。
リオネル・ロートレックの名前と功績はアクィラ王国中は勿論、
周辺各国、遠き国まで伝わっている。
今回の応募者達は、耳にたこが出来るほどリオネルの噂を聞き及んでいて、
サブマスターが大々的にそれらを強調し、募集をかけた事もあり、
リオネルゆかりの店が、新たにスタッフを募集するという事で、
問合せが殺到したのだ。
採用者達も当然リオネルの大ファンであり、全員が素直に話を聞いている。
更にリオネルはダメ押しとして、3日間の研修を行った。
そこで採用者達は大いに驚愕
英雄が、ダニエラ達とまめまめしく宿屋の仕事を行うのに加え……
自らが厨房に立ったのだから。
しかし、驚愕はまだまだ終わらない。
いつもながらの軽快な包丁さばき。
とんとんとんとん! とんとんとんとん!
大きな鉄製フライパンも楽勝で軽々と使う。
じゃじゃじゃっ! じゃじゃじゃっ!
じゅ~ううう! じゅ~ううう!
じゅわわわぁ! じゅわわわぁ!
「………………………………」
リオネルの一流シェフさながらの手際の良さを見て、
そのとんでもないギャップに完全に参り、新スタッフ全員が心酔してしまった。
出来上がった料理が絶品だったから尚更。
全員が山猫亭プロジェクトを絶対に大成功させようと、
モチベーションは、ダダ上がりとなる。
特に調理担当は、自身が得意のアクィラ王国料理は勿論、
ソヴァール王国とアールヴ料理を習得しようと燃えに燃えた。
そしてリオネルからはとりあえず、ソヴァール王国とアールヴ料理のレシピ、
各100ずつも渡された。
これでダニエラ、イルヴァとモニカを始め、調理担当達が、
習得に励んでくれるはずだ。
そんなこんなで、山猫亭のスタッフはブレンダがイエーラへ出発し、
ダニエラがその後抜けたとしても、イルヴァとモニカのカディオ母娘を入れ12名。
ちなみに各スタッフへ支払う給金は、物騒なので総額をルベルに預け、
ダニエラが支払うという形にし、リオネルが了解を貰っていた。
レストラン山猫亭オープンの際には新規募集を改めてかけるし、
当面はこの12名で、充分回していけるはずである。
一方、そのレストラン山猫亭の新設も順調に進んでいた。
隣家であった3階建ての旧レストランは、まだ築10年と少し。
取り壊し、いちから建築するより、リフォーム工事した方が、
というリオネルの判断は妥当であった。
担当した大工達は、英雄リオネルゆかりの店として、
素晴らしいオープンをさせたいと、大奮闘。
多分、2か月かからず、工事は終了するとの事。
リオネルは感謝し、建設費用を全額、完成前に支払った。
結果、大工達のモチベーションが更に更に爆上がりしたのは言うまでもない。
それから更に1週間経ち、宿泊客が一気に増え、常に満室の状態であったが、
新スタッフを加えた山猫亭の業務は順調。
指導役にも慣れたカディオ母娘が中心となり、営業はスムーズに行われていた。
そしてヒルデガルドからは、定時連絡の中で、
『特別地区の工事は順調に進んでおり、魔力システム、上下水道などの必須インフラが既に完成。優先上位となる外壁、官邸、ホテル、魔道具店用の店舗、スタッフ用の宿舎他の建築物も完成し、いつでも居住OKです』
と報告があげられている。
これで、ようやく、という感じでブレンダ出発準備が整った。
まずリオネルは、冒険者ギルドフォルミーカ支部のギルドマスター、
アウグスト・ブラードへ一報を入れた。
近日中に、フォルミーカの街を出て、イエーラへ向かうと。
出発日は未定なので、見送りや餞別などは一切不要、
お構いなくという旨も、ギルドの受付経由で伝えておく。
……それからリオネルは、話があるとブレンダを呼び出し、ふたりきりの時に、
『実は、今回のイエーラへの旅は『特別な魔法』を使い、長い旅の負担を著しく軽減する』
と念話で伝える。そして更に、
『特別な魔法は今、具体的には明かさないが、既に何度も行使しており、禁呪のような邪悪な魔法ではなく、危険もほぼ無く、イェレミアスは体験済みで、先日ボトヴィッドへも伝えた。
但し、この特別な魔法は失われた幻の魔法。リオネルが行使可能な事は厳秘であり、こちらが許可する以外、実の母と言えども、一切の他言は厳禁、必ず厳守する事』
とも伝えたのである。
対してブレンダは大いに驚きながらも、
『旦那様! 私は貴方を信じていますし、必ず秘密は守ります!』
と固く固く約束してくれた。
そんなこんなで、いよいよ出発の日、リオネルは笑顔で、ダニエラへ言う。
「ダニエラさん、後をお任せし、本日午前11時にイエーラへ出発させて頂きます。今後のスケジュールですが、レストラン山猫亭の完成前にまたフォルミーカへ来ます。その前に商業ギルドのサブマスターへは人材の新規募集のお願いを魔法鳩便で行っておきます」
「分かりました! リオネルさん! イルヴァとモニカは頑張ってくれているし、ルベルさんが居るから本当に心強い。新しく来たスタッフさん達も良く働いてくれているし、何の不安もありません! ……私の愛する娘ブレンダを何卒! 何卒! 宜しくお願い致します!」
「はい! 任せてください! 必ず幸せにしますから!」
ダニエラへ固く誓いを立てた後、
更にリオネルは、スタッフ全員へ改めて訓示を行い、
気を引き締めた上で、収納の腕輪から8人乗りの馬車『魔獣車』を搬出。
水の精霊ウンディーネのマイムへお願いして、
たくましい駿馬に擬態したケルピーを水宮城より4体召喚。
ケルピーをハーネスで魔獣車へつなぎ、出発の用意をすると……
事前に召喚しておいた炎の魔人ブライムを護衛として従えつつ、
ダニエラ達山猫亭スタッフ全員の見送りを受けながら、
ブレンダ、イェレミアス、ボトヴィッド、アートスとともに、
イエーラへ出発したのである。
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