頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話

東導 号

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第69話「商いのプロを探せ④」

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「ご紹介致します。ウチは姉妹3人なのですが、末っ子のペリーヌです」

「初めまして、ペリーヌ・オリオールです。商業ギルドのサブマスターを務めております。姉ともども宜しくお願い致します」

 面影がモルガーヌに良く似た、栗毛のサラサラ髪をなびかせる20代前半の端麗な女子……ペリーヌ・オリオールは礼儀正しく頭を下げた。
 
 モルガーヌが補足説明する。 
 
「ペリーヌは3名居る当ギルドのサブマスターのひとりです。そしてこの子も、私の後輩。つまりティーグル魔法大学を卒業しておりますわ」

 モルガーヌが言えば、ペリーヌもにっこり笑う。

「ええ、ウチは3姉妹全員が、ティーグル魔法大学OGなのですよ!」

「卒業年数を言うと、この子にひどく怒られるから内緒」

「うふふ、おふたりのちょっとだけ先輩かな」

「という事で私達3姉妹は、シモンさん、エステルさんの先輩にあたるの。このペリーヌは魔法鑑定士ランクAの資格も持っています」

 『先輩』という言葉で、シモン達が一気に近しくなったのだろう。
 ペリーヌの表情が和らいだ。
 口調も気安くなる。

「うふふふ、という事で後輩さん達、改めて宜しくお願いしますねっ! あ、王国復興開拓省へ入省したら職場では部下として、接しますから安心してねっ!」

「事前にシモンさん達が来訪する事情は、ペリーヌへ話してあります。詳しい話はまた後々致しますから、この場でいろいろとご説明されなくとも大丈夫です」

「了解しました」

 という事で、昨日の冒険者ギルド同様に場は和やかで話は盛り上がる。
 モルガーヌとペリーヌはシモンの冒険譚を聞きたがった。

 また彼女達は商業ギルドの長と幹部だけあり、コルボー商会の悪辣あくらつぶりも良く知っていたのだ。

「あのダークサイドな商会を処分する為に、私も協力したの。ギルドにも所属せず、王国労働法を完全に無視して、好き放題やっていたから」
「姉の言う通りですわ」

「そうなんですか」

「ええ、社員を使い捨てして、搾取しまくった上に、死なせても平気の平左。良心の呵責など全くない極悪な経営陣だった」
「商会の経営陣は、今は全員牢屋の中、因果応報、天罰がくだったのですよ」

「……まあ、心身を鍛えて貰った事だけは感謝していますよ」

 シモンはそう言い、トレジャーハンター活動の差し障りのない部分だけ話した。
 名もなき賢者の話等は当然伏せた。

「先ほどのオークの皮みたいな魔物の部位だけでなく、商業ギルドにはお宝や特産品も扱って頂きたいのです。そしてひとつ提案がありますが、宜しいですか?」

「ええ、おっしゃってください」
「ぜひお聞きしたいですわ」

「この商業ギルド内、もしくは付近に王国の特産品ショップを作るんです」

「特産品ショップ?」
「それは、どのようなお店でしょう?」

「はい、現在の王都内における商品販売状況を精査した上での品ぞろえとなりますが、この特産品ショップに行けば、王国各地の特産品のほとんどを手に入れる事が出来るようにします」

「へぇ、それ面白そうですね」
「ええ、姉さん、シモンさんの特産品ショップは王都の名所になりそうなお店ですよ」

「はい、特産品ショップのデータを精査し、売れ行きが好調ならば、更に仕入れ数を増やし、ギルドと提携した王都の各店で売れば良いのです。仕入れコストも下がるし、利益も上がります。逆に売れない商品は改良したり、他のものに切り替えるのです」

「成る程」
「食べ物同様、『旬』を見極めるのですね」

「はい! 流行や季節に合わせてフェアやイベントも行います。現地の方に王都へ来て頂き、出張販売も行えば盛り上がります」

「うふふ、良いですね、それ」
「はい、私も良いと思います。自分達の作ったものが王都で売れるとなれば、現地の人達の大きな励みになりますもの」

「はい、モルガーヌさん、ペリーヌさんのおっしゃる通りです。もしもギルドにご賛同頂けるのならば、予算を確保して王国復興開拓省も、ショップへ出資するよう上席とも相談します」

 シモンがそう言うと、何故かモルガーヌは悪戯っぽく笑う。
 ペリーヌも同様だ。

「うふふ、ねえシモンさん」

「はい」

「もしも役所勤めが嫌になったら、いつでも商業ギルドへ来てください。ペリーヌと同じサブマスターとして高給で迎えますから」

 何と!
 モルガーヌはヘッドハンティングを匂わした。
 
 ペリーヌもにこにこ笑っている。
 そして大きく手を差し出し、おいでおいでをした。

「うん! シモンさんなら、私も大賛成! ウエルカ~ムっ!」

「だめだめ! そんなの絶対にだめですっ!」

 そして、エステルが必死に止めたのは言うまでもなかったのだ。
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