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第101話「王都探索デート①」
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シモンが王都探索を行った2日後。
デートの当日、土曜日の午前10時少し前……
約束の時間通り、エステルとクラウディアがふたり一緒に馬車でシモン宅へやって来た。
クラウディアが、ラクルテル公爵家の専用馬車でエステルの自宅へ迎えに行き、
ピックアップ。
合流して、一緒に来たらしい。
エステルとクラウディアは、シモンとのデートに臨む為……
魔法鳩便を使用し、事前に手紙のやりとりで綿密な打合せをしたようだ。
たとえば……
服装も貴族が好むドレスなど華美なものではない。
お洒落なデザインながら、一般市民が着用するようなブリオーを着ていた。
平民のシモンとデートをする際、違和感がないようクラウディアも了承していたのである。
さてさて!
馬車には護衛役としてジュリエッタの妹アンヌも乗っていたが、ここで一旦お別れ。
夕方17時に再びシモンの家へ迎えに来る事となっていた。
護衛付きのデートをクラウディアがたいそう嫌がったのと、シモンの底知れぬ強さをラクルテル公爵夫妻が認めた事による処置だ。
「うふふ、シモン様。姉上より山賊退治の一部始終をお聞きしました。相変わらずのご活躍。さすがでございますね」
アンヌは笑顔で告げた。
小村におけるシモンの山賊退治の顛末は、姉ジュリエッタから妹のアンヌに伝わっているらしい。
先にラクルテル公爵に報告されていたのは言うまでもない。
「いやいや」
シモンが謙遜し苦笑すれば、アンヌの顔が更に輝く。
「オーク100体に続き、おひとり対山賊1,000名など普通では考えられない……とんでもない強さでございます。公爵閣下もお喜びでございますよ」
ここで、アンヌの言葉をさえぎったのはクラウディアだ。
「でしゃばってはいけませんよ、アンヌ! その件は私から、シモン様へ申し上げますからっ!」
「は! クラウディア様、失礼致しました。ではまた後程……」
アンヌは深く一礼し、馬車へ乗り込むと去って行った。
対してシモンも一礼し、見送る。
そして、エステルとクラウディアを見つめた。
いよいよデートの開始である。
「さあ、俺達も行こう」
「「はいっ!」」
「え、ええっと……ふたりとも手をつなごうか」
初デートにおいて、交際もしていない女子の手をいきなり握るのはNG。
拙速すぎるし、女子に嫌われる。
恋愛マニュアル本には、そう書いてあった。
シモンによこしまな気持ちはない。
手をつなぐ事を促したのは、あくまでも仕方ない事。
ズバリ、保安上の理由だ。
自分とはぐれない為と、ナンパを含め、『外敵』からふたりを守る為なのである。
しかし、エステルとクラウディアがシモンの『真意』を分かるはずがない。
ストレートに、男子から女子に対する親愛の情として受け取った。
当然、シモンを慕うふたりが拒否するはずもなかった。
「「はいっ!」」
「じゃ、じゃあ……エステルは左手で、クラウディア様は右手……かな?」
シモンがおずおず手を差し出すと、クラウディアは口を尖らせる。
「嫌ですわ、シモン様。様など不要です、エステル様を呼ぶのと同じく、クラウディア! とお呼びくださいませ」
「お、おう! わ、分かった」
「呼び捨てにして欲しい」と願うクラウディアの恋の熱さ。
圧倒されるシモン。
クラウディアは、返す刀?でエステルにも言う。
「エステル様もですわ。私は学院の後輩なのですから、ストレートにクラウディアと呼んで下さい」
「ええ、分かったわ」
苦笑したエステルも、仕方なく頷いた。
だが、クラウディアの情熱はまだまだ止まらない。
久々のシモンとの再会にだいぶ入れ込んでいるようだ。
「では! シモン様、どこへ参りましょうか?」
早速来た!
とシモンは思う。
こういう場合、「男子が主導するべき」だと、恋愛マニュアル本には書いてあった。
無計画に「おどおど」と、うろたえる事。
「君が好きな場所へ行こう」などと、女子へ丸投げするなどの対応は愚の骨頂。
「悪手極まりない」と、書かれていた事も思い出す。
当然シモンに計画は出来ていた。
その為に一昨日、王都市内を探索調査したのだから。
「お、おう! まだ早いがメシにしよう。ちょっと遠回りして中央広場隣接の市場へ行く。まだランチタイム前で比較的空いているからな」
「「はいっ!」」
ふたりは、シモンの指示で朝食は「軽く」していた。
なので、早いランチは全く問題がない。
3人はしっかり手をつなぎ、歩き始めたのである。
デートの当日、土曜日の午前10時少し前……
約束の時間通り、エステルとクラウディアがふたり一緒に馬車でシモン宅へやって来た。
クラウディアが、ラクルテル公爵家の専用馬車でエステルの自宅へ迎えに行き、
ピックアップ。
合流して、一緒に来たらしい。
エステルとクラウディアは、シモンとのデートに臨む為……
魔法鳩便を使用し、事前に手紙のやりとりで綿密な打合せをしたようだ。
たとえば……
服装も貴族が好むドレスなど華美なものではない。
お洒落なデザインながら、一般市民が着用するようなブリオーを着ていた。
平民のシモンとデートをする際、違和感がないようクラウディアも了承していたのである。
さてさて!
馬車には護衛役としてジュリエッタの妹アンヌも乗っていたが、ここで一旦お別れ。
夕方17時に再びシモンの家へ迎えに来る事となっていた。
護衛付きのデートをクラウディアがたいそう嫌がったのと、シモンの底知れぬ強さをラクルテル公爵夫妻が認めた事による処置だ。
「うふふ、シモン様。姉上より山賊退治の一部始終をお聞きしました。相変わらずのご活躍。さすがでございますね」
アンヌは笑顔で告げた。
小村におけるシモンの山賊退治の顛末は、姉ジュリエッタから妹のアンヌに伝わっているらしい。
先にラクルテル公爵に報告されていたのは言うまでもない。
「いやいや」
シモンが謙遜し苦笑すれば、アンヌの顔が更に輝く。
「オーク100体に続き、おひとり対山賊1,000名など普通では考えられない……とんでもない強さでございます。公爵閣下もお喜びでございますよ」
ここで、アンヌの言葉をさえぎったのはクラウディアだ。
「でしゃばってはいけませんよ、アンヌ! その件は私から、シモン様へ申し上げますからっ!」
「は! クラウディア様、失礼致しました。ではまた後程……」
アンヌは深く一礼し、馬車へ乗り込むと去って行った。
対してシモンも一礼し、見送る。
そして、エステルとクラウディアを見つめた。
いよいよデートの開始である。
「さあ、俺達も行こう」
「「はいっ!」」
「え、ええっと……ふたりとも手をつなごうか」
初デートにおいて、交際もしていない女子の手をいきなり握るのはNG。
拙速すぎるし、女子に嫌われる。
恋愛マニュアル本には、そう書いてあった。
シモンによこしまな気持ちはない。
手をつなぐ事を促したのは、あくまでも仕方ない事。
ズバリ、保安上の理由だ。
自分とはぐれない為と、ナンパを含め、『外敵』からふたりを守る為なのである。
しかし、エステルとクラウディアがシモンの『真意』を分かるはずがない。
ストレートに、男子から女子に対する親愛の情として受け取った。
当然、シモンを慕うふたりが拒否するはずもなかった。
「「はいっ!」」
「じゃ、じゃあ……エステルは左手で、クラウディア様は右手……かな?」
シモンがおずおず手を差し出すと、クラウディアは口を尖らせる。
「嫌ですわ、シモン様。様など不要です、エステル様を呼ぶのと同じく、クラウディア! とお呼びくださいませ」
「お、おう! わ、分かった」
「呼び捨てにして欲しい」と願うクラウディアの恋の熱さ。
圧倒されるシモン。
クラウディアは、返す刀?でエステルにも言う。
「エステル様もですわ。私は学院の後輩なのですから、ストレートにクラウディアと呼んで下さい」
「ええ、分かったわ」
苦笑したエステルも、仕方なく頷いた。
だが、クラウディアの情熱はまだまだ止まらない。
久々のシモンとの再会にだいぶ入れ込んでいるようだ。
「では! シモン様、どこへ参りましょうか?」
早速来た!
とシモンは思う。
こういう場合、「男子が主導するべき」だと、恋愛マニュアル本には書いてあった。
無計画に「おどおど」と、うろたえる事。
「君が好きな場所へ行こう」などと、女子へ丸投げするなどの対応は愚の骨頂。
「悪手極まりない」と、書かれていた事も思い出す。
当然シモンに計画は出来ていた。
その為に一昨日、王都市内を探索調査したのだから。
「お、おう! まだ早いがメシにしよう。ちょっと遠回りして中央広場隣接の市場へ行く。まだランチタイム前で比較的空いているからな」
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ふたりは、シモンの指示で朝食は「軽く」していた。
なので、早いランチは全く問題がない。
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