真☆中二病ハーレムブローカー、俺は異世界を駆け巡る

東導 号

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第95話「秘めたる野望」

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「ま、待てと言っておる! わらわを一緒に!」

「ん、何だ?」

 突如、大声を出したソフィア。
 俺は気になって振り返った。

「わ、わわわ、妾を連れて行け! さ、さすれば絶対お前達にも良い結果がもたらされるであろうぞ! 保証する!」

 ソフィアは必死に同行を懇願する。
 盛大に噛み、俺に取り縋ろうとする。
 誇り高い王女と思えない、そのなりふり構わない様子に俺達はつい足を止めた。

「あ、ありがたい! 妾の話を聞いてくれるのか?」

「ああ、とりあえず話だけはな」

「で、では! 結論から先に言おう。お前達は商い人あきないびとなのだろう? で、あれば妾を連れて行けば役に立つのじゃ」

「役に立つ?」

「そう! この世界にはじゃな、妾が知る限り、ここ以外にも我が魔法帝国の秘密の地下都市がたくさんある。ここなど小さい方じゃ」

「もっとでかい地下都市!? 何だ、それ?」

「ほほほ! そんなに大したものではないがな。体裁ていさいはドヴェルグの地下都市を真似たもの。それらの場所には我が帝国の遺産がたくさん眠っておる筈なのじゃ」

 ほう!
 ドヴェルグとは一般に良く言われるドワーフの事だ。
 資料本によれば……
 彼等は地下から得られる鉱物を加工するのが好きな性格から、深い地の底に街を築いて暮らしたという。
 そのような街を、ソフィアの一族が治めた旧ガルドルド魔法帝国も築いていたのか?
 成る程!
 この世界の旧ガルドルド帝国の遺構に眠る、莫大な遺産があるってわけだ。
 その都市の場所をソフィアが知っている?

 俺の中二病が騒ぎ出したのを、ソフィアは察知したらしい。
 僅かに笑みが生まれている。
 若干余裕が出たようだ。

「ほほほ、その様子では少しは興味がありそうじゃな。もし妾を仲間にするのであれば、お前達を案内し、探索する。そこには行く手を阻む仕掛けや罠も多数あるが、王族である妾が一緒なら問題なく解除し探索出来よう」

 ふむふむ、そういう事か!
 確かにこの遺構も罠だらけだった。
 ゴッドハルトが居なければ、進むのは難儀した筈だ。
 罠の位置が事前に分かり、解除も容易ならば楽だろう。

 ソフィアは笑みを浮かべたまま、話を続ける。 

「財宝が見付かれば、妾を助けてくれた恩に報いてそのいくつかをお前達に渡す。多分その価値は計り知れまい。さすればお前達は巨万の富を得る事が出来るのじゃ」

「それって本当?」

 ここまで話を聞けば……
 根っからの商人であるジュリアも目を輝かせて話に割り込んで来た。
 その瞬間、ソフィアの目が怪しく光ったように俺には見えた。
 宝石の目を持つ自動人形オートマタの筈なのに。
 もしかしたら、何かソフィアに思惑があるのだろう。

「ソフィア、まだ話が残っているのだろう? 最後まで聞こうじゃないか?」

 俺は興奮するジュリアの肩を掴むと、引き戻して軽く抱き締めた。
 美味過ぎる話には、概して裏があるものだ。

「ほほほ、さすがは冷静なリーダー様じゃの。では正直に言おう。ゴッドハルトも良く聞け!」

 ここからがソフィアにとって、『肝心な話』なのだろう。
 さあ、判断のしどころだ。

「妾の本当の身体は先程の玄室の棺の中にあり、そしてその棺に不具合が起きた事は話したな」

 ソフィアの口調は、ここで酷く冷めたものになる。

わらわの身体は……今まさに崩壊しつつある。……良くもってせいぜい1年じゃろうて」

 これは……衝撃の発言だ。
 俺には今迄の経緯《いきさつ》を見て聞いて、何となく予想はついていたが……

「幸い、トールのお陰で魂は助かったが、危うい状況は続いておる……完全崩壊しては手遅れとなる……そうなる前に少しでも早く、妾は本当の身体へ戻りたいのじゃ」

 戻りたいといっても、このままでは手立てがないだろうな。
 と、なると……

「だから妾はお前達の仲間となる! そして帝国が滅びた数千年の後と言われた、この世界を巡り、かつての我が帝国の技術を受け継いだ魔法工学師を何とか探し出し、妾の棺を修復させる」

 ソフィアは、小さな拳を握り締めて決意を語る。

「棺さえ直れば我が秘法により妾の魂は本来の身体に戻れる……ほほほ、その暁にはな、……いや何でもない」 

 最後に口篭ったソフィアであったが、神の使徒である俺には彼女から発する魔力波オーラでその真意が読めた。
 ソフィアは自分が完全復活した暁には旧ガルドルド魔法帝国を再興させたいのだ。
 そして世界を征服し、新たな女王としてこの地に君臨する。
 
 それは良い事なのか?
 またこの世界が戦乱に見舞われる事になるんじゃないだろうか?

 その時である。
 またあの、聞き覚えのある声が俺の中に響いてきたのだ。

『スパイラル様!』

 俺は思わず相手の名を、念話で叫んでいたのであった。
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