96 / 205
第96話「破滅への道」
しおりを挟む
俺が叫んだ通り、いきなり話し掛けて来たのはこの世界の管理神、スパイラル様であった。
ああ、邪神様って言わないで良かった……
『ほ~い、おっひさ~、これもまた巡り合わせだよ』
『ど、どうしたんですか? いきなり』
『いきなりも何もないよ~ん。それより君はソフィアというこのガルドルド王女の人生を、無理矢理に切り開いてしまったじゃあないか。本来は死ぬところだった、この娘の人生をさ』
それって……俺のせいって事?
何だ、それ。
『ソフィアが野望を持ったのが俺の責任だというのですか?』
『そうさ! 僕から見ればガルドルドなんて歯牙にも掛けないけど、今の世界の人間や悪魔からしたら、とんだ迷惑を蒙《こうむ》るんじゃないかなぁ……』
くっそ~。
すっげぇ面白がってる。
でもさ、使徒=子供。子供の責任は親の責任って言葉を知らないの?
『あの……他人事みたいに言わないで欲しいのですが、戦乱が起きればスパイラル様、貴方だって管理責任を問われるんじゃあないのですか?』
『あはっ、成長したね! 管理責任なんて上手い事を言うじゃないの! 君も元から考えればだいぶ知恵をつけたねぇ。感心、感心』
邪神様は俺が斬り込んでも全然動じていない。
それに「知恵をつけた」って、そんな褒め方全然嬉しくない!
しかめっ面の俺に邪神様は、「ぽろっ」と怖ろしい事を告げる。
『心配は無用! 父の創世神には再生の為の破壊をすると言えば簡単に通っちゃうから』
って、待て!
今、何て仰いました!?
『さ、さ、さ、再生の為の破壊って何ですか!?』
『お~、良い質問だね! 君の前世でも大洪水や神々同士の戦争、そして大予言が告げる人の世の終わりなど、色々な終末モノが伝わっていただろう? 人間が堕落すれば神が大きな罰をくだす。これが再生の為の破壊さ』
な、何だってぇ!
『うふふ、世界を破壊して一旦、人間を殆ど滅ぼすのさ。その後に神が手助けして出来た新たな人間の世に復興の機運が起こり、やがて素晴らしい再生に至るのだよ』
『でも神様が起こす破壊という事は……』
『そう! 神の使徒である君もさすがに死は免れない。破壊の原因を作ったこの旧魔法帝国の小娘や、何の罪もない君の妻達も含めてね。そして、この世は一旦浄化され、作り直されるのさ。ふふ、面白いだろう?』
はぁ!?
何となくイメージしていたけど……浄化って……
改めて分かった。
神様って非情で怖ろしいよ。
『何か、この世の浄化とか、それって冷酷非情というか、簡単に言い切りますね!』
『だって仕方無いじゃない、僕が神様なんだからね』
『…………』
『この世界の事は好きなようにやらせて貰うさ。あ、そうそう誰かに口外したら、君を即消滅させるよ、絶対に内緒だからね~』
『え、えええっ!』
『まあ僕の気が変わるような素晴らしい行いをして、この世界が滅びないように頑張るんだね。ばっはは~い』
『あ、ま、待て!』
いつもの通りだ。
邪神様め、言いたい事だけ言って会話を切りやがった。
しかし今回は世界滅亡!?
その事を今、俺だけが知っている。
口外したら……俺を待つのは消滅。
すっげぇ!
重過ぎる!
ただ……世界の破滅をもたらさない方法はひとつはある。
それはこの場でか、もしくは外界に出たら間を置かずにソフィアを殺す事だ。
彼女さえ居なければ、世界の破滅へのきっかけは起きないのだから……
でもと……俺は自問自答する。
このような場合、もしソフィアが死んでも、邪神様の『調整』がかかる場合がある。
知らない他の誰かが、同じような世界滅亡のきっかけを作ったり、他の原因が生まれるかもしれない。
出した結論は……俺が傍に居てソフィアを止める!
そうすれば運命は変えられる。
という結論=確信だったのだ。
いきなり―――俺は誰かに肩を揺すられる。
小さな手を掛けて、心配そうに俺の顔を覗き込んでいたのは……ジュリアであった。
「トール、大丈夫? またぼうっとしていたから」
「ああ、大丈夫さ。それでソフィアの件は?」
「うん、あたし達はトールに一任する事に決めたから」
ちらっと聞いたら、俺が邪神様と話している間はじっくりと考え込んでいるように見えたそうだ。
「アモンが言うには、ソフィアはクランバトルブローカーの即戦力として使えるだろうって」
確かにアモンの言う通り、ソフィアが類稀なる魔法の才を持つ創世神の巫女だとしたら凄い逸材だ。
しかしそれは諸刃の剣かもしれないが。
「了解したぞ、ソフィア。お前を新たな仲間として迎え入れよう。但し俺の指示には逆らわず全て従う事が条件だ、良いな?」
「わ、分かった! お前の言う通りにしよう」
だが……俺には見える。
ソフィアがほくそえむ魔力波が……
今の彼女の台詞はこの場しのぎの嘘なのだ。
しかし……
俺はそんな事をおくびにも出さず笑顔で頷いていたのであった。
ああ、邪神様って言わないで良かった……
『ほ~い、おっひさ~、これもまた巡り合わせだよ』
『ど、どうしたんですか? いきなり』
『いきなりも何もないよ~ん。それより君はソフィアというこのガルドルド王女の人生を、無理矢理に切り開いてしまったじゃあないか。本来は死ぬところだった、この娘の人生をさ』
それって……俺のせいって事?
何だ、それ。
『ソフィアが野望を持ったのが俺の責任だというのですか?』
『そうさ! 僕から見ればガルドルドなんて歯牙にも掛けないけど、今の世界の人間や悪魔からしたら、とんだ迷惑を蒙《こうむ》るんじゃないかなぁ……』
くっそ~。
すっげぇ面白がってる。
でもさ、使徒=子供。子供の責任は親の責任って言葉を知らないの?
『あの……他人事みたいに言わないで欲しいのですが、戦乱が起きればスパイラル様、貴方だって管理責任を問われるんじゃあないのですか?』
『あはっ、成長したね! 管理責任なんて上手い事を言うじゃないの! 君も元から考えればだいぶ知恵をつけたねぇ。感心、感心』
邪神様は俺が斬り込んでも全然動じていない。
それに「知恵をつけた」って、そんな褒め方全然嬉しくない!
しかめっ面の俺に邪神様は、「ぽろっ」と怖ろしい事を告げる。
『心配は無用! 父の創世神には再生の為の破壊をすると言えば簡単に通っちゃうから』
って、待て!
今、何て仰いました!?
『さ、さ、さ、再生の為の破壊って何ですか!?』
『お~、良い質問だね! 君の前世でも大洪水や神々同士の戦争、そして大予言が告げる人の世の終わりなど、色々な終末モノが伝わっていただろう? 人間が堕落すれば神が大きな罰をくだす。これが再生の為の破壊さ』
な、何だってぇ!
『うふふ、世界を破壊して一旦、人間を殆ど滅ぼすのさ。その後に神が手助けして出来た新たな人間の世に復興の機運が起こり、やがて素晴らしい再生に至るのだよ』
『でも神様が起こす破壊という事は……』
『そう! 神の使徒である君もさすがに死は免れない。破壊の原因を作ったこの旧魔法帝国の小娘や、何の罪もない君の妻達も含めてね。そして、この世は一旦浄化され、作り直されるのさ。ふふ、面白いだろう?』
はぁ!?
何となくイメージしていたけど……浄化って……
改めて分かった。
神様って非情で怖ろしいよ。
『何か、この世の浄化とか、それって冷酷非情というか、簡単に言い切りますね!』
『だって仕方無いじゃない、僕が神様なんだからね』
『…………』
『この世界の事は好きなようにやらせて貰うさ。あ、そうそう誰かに口外したら、君を即消滅させるよ、絶対に内緒だからね~』
『え、えええっ!』
『まあ僕の気が変わるような素晴らしい行いをして、この世界が滅びないように頑張るんだね。ばっはは~い』
『あ、ま、待て!』
いつもの通りだ。
邪神様め、言いたい事だけ言って会話を切りやがった。
しかし今回は世界滅亡!?
その事を今、俺だけが知っている。
口外したら……俺を待つのは消滅。
すっげぇ!
重過ぎる!
ただ……世界の破滅をもたらさない方法はひとつはある。
それはこの場でか、もしくは外界に出たら間を置かずにソフィアを殺す事だ。
彼女さえ居なければ、世界の破滅へのきっかけは起きないのだから……
でもと……俺は自問自答する。
このような場合、もしソフィアが死んでも、邪神様の『調整』がかかる場合がある。
知らない他の誰かが、同じような世界滅亡のきっかけを作ったり、他の原因が生まれるかもしれない。
出した結論は……俺が傍に居てソフィアを止める!
そうすれば運命は変えられる。
という結論=確信だったのだ。
いきなり―――俺は誰かに肩を揺すられる。
小さな手を掛けて、心配そうに俺の顔を覗き込んでいたのは……ジュリアであった。
「トール、大丈夫? またぼうっとしていたから」
「ああ、大丈夫さ。それでソフィアの件は?」
「うん、あたし達はトールに一任する事に決めたから」
ちらっと聞いたら、俺が邪神様と話している間はじっくりと考え込んでいるように見えたそうだ。
「アモンが言うには、ソフィアはクランバトルブローカーの即戦力として使えるだろうって」
確かにアモンの言う通り、ソフィアが類稀なる魔法の才を持つ創世神の巫女だとしたら凄い逸材だ。
しかしそれは諸刃の剣かもしれないが。
「了解したぞ、ソフィア。お前を新たな仲間として迎え入れよう。但し俺の指示には逆らわず全て従う事が条件だ、良いな?」
「わ、分かった! お前の言う通りにしよう」
だが……俺には見える。
ソフィアがほくそえむ魔力波が……
今の彼女の台詞はこの場しのぎの嘘なのだ。
しかし……
俺はそんな事をおくびにも出さず笑顔で頷いていたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる