冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!

東導 号

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第47話「よくよく考えたら、杞憂に過ぎないと気づいた」

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バスチアンさん、セレスさんから出た夕食のリクエスト。

昨夜のメニューとは違うもの。
それさえクリアすれば、俺の好きな料理にして構わないって。

ええっと、昨夜は確か、豚肉の野菜炒め、鶏肉の揚げ物、焼き魚、サラダ、
煮込み料理のラグー、そして解凍した冷凍パンだった。

で、あればと俺は考えた。

豚肉の塩ゆで、鶏肉のミートパイ、魚のから揚げ、スクランブルエッグ、サラダ、
ひよこ豆のスープを、同期と協力しながら作り、冷凍パンも違う種類を出したのだ。

これでだいぶ見栄えも食感も、そして味も変わるはずだ。

フェルナンさんが、食事の支度が出来たと、呼びに行き、
バスチアンさん、セレスさんを呼びに行った。

予備棟ロッジにやって来た、バスチアンさん、セレスさんだが、
食べ始めて、すぐに大喜び。

同期ふたりも凄く美味いと褒めてくれた。

勿論、俺も、見栄え、食感、そして味には満足した。

上機嫌となったバスチアンさん、セレスさんからは、重大な発表があった。

バスチアンさんが言う。

「明日の基礎訓練メニューは基本、本日と一緒。但し持久走は距離短縮の3周。その分、ほふく前進とパルクール訓練を行うぜ」

補足しよう。
パルクール訓練とは、スフェール王国における訓練方法のひとつだ。
街や森で、自由にスタートとゴールを決め、走る・跳ぶ・登る・回転する、
などの移動動作を使い、障害物を越えることで体を鍛えて行くものである。

個人的ない意見だが、持久走や、ほふく前進よりかなり高難度だと思う。

「パルクール訓練も俺が先導するが、俺がやった通りに模倣する必要はねえ。ようは目の前の障害物をてめえらなりにクリアすれば構わねえぞ。クリアしたら基本、減点はしねえ」

……成る程。
障害物をクリアする際、技術的には臨機応変に対応して構わないのか。

と、俺は納得したが……

シャルロットさん、フェルナンさんは、やはりというか、
思い切り、どよよよ~んんとしていた。

ここで、セレスさんがフォロー。

「うふふ♡ 今回のパルクール訓練は特例で、同期同士、協力しながらクリアしても構わないわ」

おお、そうか!

本来のパルクール訓練は、単独でクリアだが、
今回の研修は同期同士、協力はありか!

セレスさんのその言葉を聞き、
シャルロットさん、フェルナンさんは、すがるような目で俺を見た。

セレスさんからは、

「新人主将のエルヴェ君は、責任を持ち、ふたりをしっかり引っ張ってね」

と念押しされてしまった。

最後にバスチアンさんが最大の重大発表。

「ごら! 良いか? 耳の穴、かっぽじって聞けえ! 明後日の朝! マエストロとクリスが合流するぜ! 以降は4人でお前たちを鍛え、評価する事となる! 明日も含め、一層気合を入れて、頑張れや!」

おお、グランシャリオのリーダー、マエストロ、ローラン・ケーリオ様と、
魔法使いのクリストフ・エマールさんが合流するのか!

特にローラン様に、俺たちの成果を見て貰うビッグチャンスだ。

チラ見すれば、シャルロットさん、フェルナンさんも、
気を取り直し、頑張ろうと決意した様子。

明日は大変そうだが……
俺たち新人3人は期待と不安を胸に就寝したのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

翌朝はほぼ既視感。

ほぼ同メニューでの立ち上がりの為、
途中までは、昨日とほぼ同じだった。

迷彩革鎧に着替え、整列。
準備運動、ストレッチを行い、訓練場3周、30㎞の持久走に出発する。
走るパターンも全く同じ。
先頭のバスチアンさんを抜かし、何度も一行を追い越し、周回遅れとし、
最後は、シャルロットさんと伴走した。
時たま、フェルナンさんへも声がけした。

無事に持久走を終えると休憩。
セレスさんから、シャルロットさん、フェルナンさんへは回復魔法。

ほふく前進を約1㎞実施。
再び、セレスさんから、シャルロットさん、フェルナンさんへは回復魔法。
さすがに俺も回復魔法をかけて貰う。

ここまでは、ほぼ一緒だったが、今日はこれからが全く違った。

パルクール訓練とは、街や森で、自由にスタートとゴールを決め、
走る・跳ぶ・登る・回転する、
などの移動動作を使い、障害物を越えることで、
体を鍛えて行くという話だけは聞いていた。

正直、パルクール訓練と聞いて、不安になったし、緊張もした。

しかし!
よくよく考えたら、杞憂に過ぎないと気づいた。

何故なら俺は、クラン『シーニュ』仮所属時代、
様々な迷宮と原野に何度も何度も何度も……
置き去りにされ、脱出した経験があるからだ。

そう、今回のパルクール訓練は、過去に性悪冷血女、
シーニュのクランリーダーで銀髪女魔法使い、
ミランダ・ベルグニウーから原野へ置き去りにされた状況と全く同じだろ?
と思った。

これまで駆け、脱出して来た地形や難度は違うかもしれないが、
既に何度もやった事、経験済みの事だと。

そう自問自答したら、のしかかっていたプレッシャーがすっと消えた。

心が強くなった。
身体に力もみなぎって来た。

余裕も出て来て、自分のクリアは勿論、
シャルロットさんとフェルナンさんも、しっかりフォローしようと決めたのである。
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