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第48話「円滑さ、美しさも求められる採点競技のような訓練なんだ」
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街や森で、自由にスタートとゴールを決め、
走る・跳ぶ・登る・回転する、
などの移動動作を使い、障害物を越えることで、
体を鍛えて行くという、パルクール訓練に関して、
クラン『シーニュ』で散々やらされていた事だと認識し、
余裕も出て来て、自分のクリアは勿論、
シャルロットさんとフェルナンさんも、しっかりフォローしようと決めた。
それに、幸いにして俺には『武器』がある。
武器とは言っても、戦う為の武器ではない。
このパルクール訓練をクリアする為の武器だ。
まずは身体能力。
最初に『シーニュ』で置き去りにされた時に、帰還にはひどく難儀した。
はっきり言って死ぬかと思った。
そんな経験があったので、身体を徹底的に鍛えに鍛えた。
身体能力は向上し、加えて現場でも鍛えられたから、
更に著しく向上したが、それだけでは不安だった。
俺は安い賃金をはたいて、いくつもの魔道具を買い込んだ。
いわゆる一種のサバイバルグッズだ。
全てが小型でかさばらず、値段は結構な金額だった。
高所へ登る為の魔導かぎ爪とか、魔法で撃ち出す魔導登山ロープとか、
水上を浮かんで渡る魔導靴などだ。
他にもいくつかあるが、とりあえず、割愛する。
当然ながら、魔道具は一度にまとめて購入出来ず、
時間をかけて、少しずつ、こつこつと手に入れていった。
魔道具はとんでもなく痛い出費で、食費を始めとしたそれ以外のお金を倹約した。
仮所属時代の薄給の身には辛い出費だったが、命には代えられない。
俺の命が守られ、永らえた事実を鑑みても、
その判断は大が付く正解だった、と言えるだろう。
念の為、バスチアンさん、セレスさんへ魔道具使用の許可を求めると、
「自分で準備したものなら」とあっさりとOKが出た。
仲間を助ける」という趣旨で、「同期を助ける」という確認も取れた。
これで後顧の憂いはない。
ここでバスチアンさんが声を張り上げる。
「おし! そろそろパルクール訓練開始だ! 準備はいいか! 出発するぞ!」
「「「はい!」」」
返事をする俺たち新人3人。
……そう言えば、訓練場持久走をやっている途中、
自然を活かした、シビアなクロスカントリーというか、
フィールドアスレチックコースのような場所があったが……
あの場所で行うのだろうか?
「うふふ♡ がんばろ~ねえ♡」
背後からセレスさんの声が響き、俺たちは出発。
移動中も、魔物、肉食獣の脅威はあるので、油断は出来ないが……
昨日今日の持久走で、ゴブリン、オークをだいぶ蹴散らし、倒したので、
俺の勘働き――索敵に反応はない。
もう少し索敵範囲が広がれば、余裕が出来るので、
バスチアンさんへ、コツがあれば聞いてみたいと思う。
たっ、たっ、たっ、たっ、と走ること、約30分……
予想した通り、 パルクール訓練を行うのは、
俺が見て、認識していた、
自然を活かした、シビアなクロスカントリーというか、
フィールドアスレチックコースのような場所だったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
石畳のメイン道路からチラ見しただけだったので、詳しい全貌は不明だったのだが、
俺たちの前に広がっているコースは自然の池、川、沼、谷、砂地、森林等々を活かした広大なコースだった。
基本的には、自然を活かしたコースだ。
川に飛び石を置いて渡るコース。
小さい川は何も手を加えていない、
飛び越えさせようとするみたい。
川の上に固定したいかだを、いくつも浮かべたようなもの。
同じく川の上に高く設置したつり橋のようなもの。
底なしのように見える泥沼。
広々としたアップダウンのある砂地。
蟻地獄のような急傾斜の砂穴。
意図的に木登りをさせる森林。
そして、セッティングされている人工物は、様々である。
木製の高い壁がいくつもある。
低いものは1mない。
高いものは5m、更にジャンプ台付きで10mを超えたものもある。
高さ別の跳び箱もある。
人工的な突起のついた崖もあった。
崖の下部には微妙な大きさの穴もあり、通り抜けでもさせるのだろうか。
切り株風なのを並べたもの。
丸太を組み合わせたハードルのようなもの。
丸太を高く組み、上からロープをぶら下げたもの。
同じく丸太を組み、ロープを平面に張り巡らせたもの。
ロープを筒状に組み、潜らせ、ほふく前進させるもの。
巨大なブランコのようなもの。
綱渡りのようなもの。
巨大で高い滑り台のようなもの。
リスの回し車のようなもの。
木々にロープつなげ、滑車を使い、ぶらさがって滑るもの。
まだまだ、たくさんある。
ふうと息を吐く俺。
油断は大敵だが、少し安心した。
俺がクリアして来た迷宮、原野に比べて『鬼』ではないと。
殆どの障害物は魔道具を使わずとも、何とかなりそうだと思う。
ここで、バスチアンさんが言う。
「いいか、てめえら! 目の前の障害物をてめえらなりにクリアすれば構わねえぞ。クリアしたら基本、減点はしねえとは俺は言った。しかしだ! それだけじゃ、ダメだ! 合格の最低ラインだ!」
え?
クリアするだけじゃ、ダメ?
どういう事だ?
合格の最低ラインって?
俺だけじゃなく、シャルロットさんとフェルナンさんも、いぶかしげな表情。
そんな俺たちへ、更にバスチアンさんは言う。
「よっく聞けよ! 障害物を、てめえらなりに正確にクリアするだけじゃねえ! 正確なのはやって当たり前だ! 正確に! 速く! スムーズに! 全てを満たしてクリア! するのかが評価につながるんだ!」
更に、セレスさんも。
「うふふふ♡ そうよ! それにスピードだけを競うタイムアタックじゃないわ! 新人君たちの身体能力、走る・跳ぶ・登る・回転する、などの移動動作をフル回転させて、美しく魅せてくれる事も期待するわ」
成る程ねえ……
クラン『グランシャリオ』のパルクール訓練とは、正確さだけじゃない、
速さ、円滑さ、美しさも求められる採点競技のような訓練なんだ。
再びバスチアンさんが、
「とりあえず、最初は試走、トライアルで1周回って、コースに慣れてみろや。まずは俺が手本を見せてやる!」
と言い、にやりと笑った。
コースを見て、バスチアンさん、セレスさんに煽られたら燃えて来た。
俺って、単純?
よっし!
いっちょ、やるか!
パルクール訓練場を前にして、俺は気合を入れ、張り切っていたのである。
走る・跳ぶ・登る・回転する、
などの移動動作を使い、障害物を越えることで、
体を鍛えて行くという、パルクール訓練に関して、
クラン『シーニュ』で散々やらされていた事だと認識し、
余裕も出て来て、自分のクリアは勿論、
シャルロットさんとフェルナンさんも、しっかりフォローしようと決めた。
それに、幸いにして俺には『武器』がある。
武器とは言っても、戦う為の武器ではない。
このパルクール訓練をクリアする為の武器だ。
まずは身体能力。
最初に『シーニュ』で置き去りにされた時に、帰還にはひどく難儀した。
はっきり言って死ぬかと思った。
そんな経験があったので、身体を徹底的に鍛えに鍛えた。
身体能力は向上し、加えて現場でも鍛えられたから、
更に著しく向上したが、それだけでは不安だった。
俺は安い賃金をはたいて、いくつもの魔道具を買い込んだ。
いわゆる一種のサバイバルグッズだ。
全てが小型でかさばらず、値段は結構な金額だった。
高所へ登る為の魔導かぎ爪とか、魔法で撃ち出す魔導登山ロープとか、
水上を浮かんで渡る魔導靴などだ。
他にもいくつかあるが、とりあえず、割愛する。
当然ながら、魔道具は一度にまとめて購入出来ず、
時間をかけて、少しずつ、こつこつと手に入れていった。
魔道具はとんでもなく痛い出費で、食費を始めとしたそれ以外のお金を倹約した。
仮所属時代の薄給の身には辛い出費だったが、命には代えられない。
俺の命が守られ、永らえた事実を鑑みても、
その判断は大が付く正解だった、と言えるだろう。
念の為、バスチアンさん、セレスさんへ魔道具使用の許可を求めると、
「自分で準備したものなら」とあっさりとOKが出た。
仲間を助ける」という趣旨で、「同期を助ける」という確認も取れた。
これで後顧の憂いはない。
ここでバスチアンさんが声を張り上げる。
「おし! そろそろパルクール訓練開始だ! 準備はいいか! 出発するぞ!」
「「「はい!」」」
返事をする俺たち新人3人。
……そう言えば、訓練場持久走をやっている途中、
自然を活かした、シビアなクロスカントリーというか、
フィールドアスレチックコースのような場所があったが……
あの場所で行うのだろうか?
「うふふ♡ がんばろ~ねえ♡」
背後からセレスさんの声が響き、俺たちは出発。
移動中も、魔物、肉食獣の脅威はあるので、油断は出来ないが……
昨日今日の持久走で、ゴブリン、オークをだいぶ蹴散らし、倒したので、
俺の勘働き――索敵に反応はない。
もう少し索敵範囲が広がれば、余裕が出来るので、
バスチアンさんへ、コツがあれば聞いてみたいと思う。
たっ、たっ、たっ、たっ、と走ること、約30分……
予想した通り、 パルクール訓練を行うのは、
俺が見て、認識していた、
自然を活かした、シビアなクロスカントリーというか、
フィールドアスレチックコースのような場所だったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
石畳のメイン道路からチラ見しただけだったので、詳しい全貌は不明だったのだが、
俺たちの前に広がっているコースは自然の池、川、沼、谷、砂地、森林等々を活かした広大なコースだった。
基本的には、自然を活かしたコースだ。
川に飛び石を置いて渡るコース。
小さい川は何も手を加えていない、
飛び越えさせようとするみたい。
川の上に固定したいかだを、いくつも浮かべたようなもの。
同じく川の上に高く設置したつり橋のようなもの。
底なしのように見える泥沼。
広々としたアップダウンのある砂地。
蟻地獄のような急傾斜の砂穴。
意図的に木登りをさせる森林。
そして、セッティングされている人工物は、様々である。
木製の高い壁がいくつもある。
低いものは1mない。
高いものは5m、更にジャンプ台付きで10mを超えたものもある。
高さ別の跳び箱もある。
人工的な突起のついた崖もあった。
崖の下部には微妙な大きさの穴もあり、通り抜けでもさせるのだろうか。
切り株風なのを並べたもの。
丸太を組み合わせたハードルのようなもの。
丸太を高く組み、上からロープをぶら下げたもの。
同じく丸太を組み、ロープを平面に張り巡らせたもの。
ロープを筒状に組み、潜らせ、ほふく前進させるもの。
巨大なブランコのようなもの。
綱渡りのようなもの。
巨大で高い滑り台のようなもの。
リスの回し車のようなもの。
木々にロープつなげ、滑車を使い、ぶらさがって滑るもの。
まだまだ、たくさんある。
ふうと息を吐く俺。
油断は大敵だが、少し安心した。
俺がクリアして来た迷宮、原野に比べて『鬼』ではないと。
殆どの障害物は魔道具を使わずとも、何とかなりそうだと思う。
ここで、バスチアンさんが言う。
「いいか、てめえら! 目の前の障害物をてめえらなりにクリアすれば構わねえぞ。クリアしたら基本、減点はしねえとは俺は言った。しかしだ! それだけじゃ、ダメだ! 合格の最低ラインだ!」
え?
クリアするだけじゃ、ダメ?
どういう事だ?
合格の最低ラインって?
俺だけじゃなく、シャルロットさんとフェルナンさんも、いぶかしげな表情。
そんな俺たちへ、更にバスチアンさんは言う。
「よっく聞けよ! 障害物を、てめえらなりに正確にクリアするだけじゃねえ! 正確なのはやって当たり前だ! 正確に! 速く! スムーズに! 全てを満たしてクリア! するのかが評価につながるんだ!」
更に、セレスさんも。
「うふふふ♡ そうよ! それにスピードだけを競うタイムアタックじゃないわ! 新人君たちの身体能力、走る・跳ぶ・登る・回転する、などの移動動作をフル回転させて、美しく魅せてくれる事も期待するわ」
成る程ねえ……
クラン『グランシャリオ』のパルクール訓練とは、正確さだけじゃない、
速さ、円滑さ、美しさも求められる採点競技のような訓練なんだ。
再びバスチアンさんが、
「とりあえず、最初は試走、トライアルで1周回って、コースに慣れてみろや。まずは俺が手本を見せてやる!」
と言い、にやりと笑った。
コースを見て、バスチアンさん、セレスさんに煽られたら燃えて来た。
俺って、単純?
よっし!
いっちょ、やるか!
パルクール訓練場を前にして、俺は気合を入れ、張り切っていたのである。
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