冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!

東導 号

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第49話「個人的なアピールよりも、同期……仲間の連携を重視したのだ」

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バスチアンさんの話通り、パルクール訓練コースを、
まずはバスチアンさん、セレスさんが試走した。

さすがランクA。
ふたりの身体能力は半端ではない。

身体強化魔法でビルドアップしている可能性もあるが、ふたりの動きが凄かった。
バスチアンさんのジャンプ力は、軽く5m以上。
幅跳びも、10m以上。
セレスさんはさすがに少し劣るものの、華奢な女子とは思えない身体能力だった。

ジャンプして、空中回転とか、バック転の連続技とか、空中きりもみ降下とか、
アクロバティックな動きも満載。

ちなみに水上歩行や泥沼のクリアは、何か魔法を使っていたようである。

俺たち新人3人は、完全に圧倒されてしまった。

思い切り、プレッシャーを受けた俺たち3人だが、
続いて、訓練コースを試走する事となった。

新人主将として、俺が先導し、同期ふたりを、牽引するようにとも言われた。

今までの経験を活かせば、普通にコースはクリア出来ると俺は見込んだ。
しかし、単にクリアするだけではダメ。

速く、円滑に、そして美しくクリアしなければならない。

そして俺は自分の事だけでなく、新人主将として、
同期をケアし、引っ張って行かねば。
この課題は、俺に対するリーダーシップ有無の確認なんだろう。

さあ!
ここで止まっていても何も変わらない。
まず動くしかない。
俺は声を張り上げる。

どう言おうか迷ったが、少し考えてから決めて言った。

「シャルロット、フェルナンさん。とりあえずコースを見て回ろう。気が向いたら試してみれば良い」

我ながら無難な言い方だが、後は行動で示そうと思う。

「うん♡ エル君行こう!」

「うむ、エルヴェ君、行くか!」

意外にも、ふたりは元気な声で応え、ついて来る。
表情も明るかった。

俺は思わず、

「気合が入ってるというか、張り切っていますね、ふたりとも」

と言えば、シャルロットさん、フェルナンさんは、

「だって! だって! エル君♡ このコースって、いろいろ変化がありじゃない? ひたすら単調で持久力を求められる訓練よりは全然ましだわ」

「うむ、シャルロットさんの言う通りだ。俺もこっちの訓練の方が断然良い。気持ち悪い怪物どもや、どう猛な肉食獣と戦うより、全然ましさ」

と、いう安堵の声が戻って来た。

ええっと、シャルロットさんはともかく、
フェルナンさん、それ言っちゃ、ダメでしょ?
冒険者自体が務まらなくね?

しかし、フェルナンさんへそれ言うと、、
また「荒療治」とか、弱音&寝言抜かすからやめておく。

まあ、良いや。
ふたりとも、「実は結構身軽だからこういうのは得意」という、
頼もしい言葉も聞けたし。

このコースの難易度と、ふたりのやる気を見て、コメントを聞いたら、
雨のち晴れである。
何だか、行けそうな気がして来た。

そんなこんなで、全員一緒に、コースを回ってみる。

川の飛び石、川幅飛びは全員楽勝。
川の上に固定したいかだを、いくつも浮かべたようなもの。
同じく川の上に高く設置したつり橋はともに、問題なくクリア。

泥沼は、俺が持つ水上歩行の魔道具が有効。
交代で使う事にした。

砂地、砂穴は苦戦しながらも、クリアのコツをつかんだ。

木登りも楽勝。

木の壁越えも低いものは楽勝。
高いものもジャンプ台使用で何とかなった。
5m、10mの壁は、向こう側にクッション処理がしてあったので助かった。
本番では、そんなものはないので、降り方を工夫しなければならない。

跳び箱も楽勝。

人工的な突起のついた崖も、魔導ロープのありなし両方でクリア。

崖の下部には微妙な大きさの穴の通り抜けも行けた。

丸太とロープを組み合わせた障害も、次々とクリア。

ブランコ、綱渡り、滑り台も楽勝。

回し車、滑車もOKだった。

クリア自体は問題なかった。
後は、速度、円滑さ、美しさを加味するだけ。

試走……トライアルを終えた新人の俺たちは、
コース攻略にあたって、改めて綿密な打ち合わせをおこなったのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

俺たちが行った、綿密な打ち合わせ。
それは各自の力量による安全なクリアの徹底だ。

基本的には、まず安全を徹底。
次に正確に、迅速に、を基本モットーとし、
きびきび、はつらつとして姿勢よく走る、同じくジャンプする、
ぴたっとぶれないよう綺麗に着地する。

それらを心がけ、パフォーマンスを美しくクリアを魅せる。

なのでジャンプして、空中回転とか、
バック転の連続技とか、
空中きりもみ降下とか、

バスチアンさん、セレスさんが行った派手なパフォーマンスは、
挑戦するのを、やめようと全員で申し合わせしたのだ。

まずは、1回、全員で無事に完走すると。

一番最初のパルクール訓練の事もあり……
個人的なアピールよりも、同期……仲間の連携を重視した。
こういう判断を行うのも、新人主将として、
リーダーシップを試されている範疇内と考えている。

さあ!
方針は決まった!

俺たち新人3人は隊列を組み、コース内を駆けて行った。

丁寧に丹念に、試走し、打ち合わせした甲斐はあった。

決して派手ではなく、はっきり言って地味ではあったが……

俺、シャルロットさん、フェルナンさんは、魔道具のフォローもあり、
ミスもほぼなく、無事にコースの全障害物を、
設定された制限時間内に、クリアする事が出来た。

こうして……
互いをいたわり、助け合いながら、無事完走した俺たち3人は、
達成感に満ちあふれ、大きく拳を突き上げたのである。
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