上 下
159 / 176

第159話「改めて思うよ! 私、エル君をしっかり支えたい! 公私ともども!」

しおりを挟む
魔獣兄弟ケルベロス、オルトロスを複数召喚。

オルトロスとも『魂の契約』を結び、従士とした俺エルヴェ・アルノー。

講師のアルフォンソさんからは、課題クリアの合格も出して貰い、
晴れて上級召喚術の講座卒業認定となった。

とりあえず、ケルベロス、オルトロスを異界へ帰還させる。

これって、まるで午前中の既視感デジャヴュ

というのは、やはりというか、魔獣兄弟ケルベロス、オルトロスを素、本体を見て、
コンディション不良になったアルフォンソさんを始め、受講生が結構居たから、
俺は回復魔法を行使し、治癒したのだ。

これが結果良し。
午前、午後と回復魔法をがんがん使ったので、上達する手ごたえを感じている。
熟練度が増したはず……だと思う。

回復魔法レベルアップの為に、次の講座は回復魔法を受講しようか。
それとも元創世神教会司祭で、スペシャリストのセレスさんに、
直接、教えを請おうか。

迷うところだが、まあそれは後。
じっくりと考えよう。

そんなこんなで、再開となった上級召喚術の講座のオブザーバーとして、
俺はシャルロットとともに受講継続。

更に上級召喚術に関して、知識を深める事が出来たのだ。

おいおいまたかよ。
卒業?した講座の話を聞く、それも午前午後両方って退屈じゃね?

という声と突っ込みがありそうだが、そんな事はない。

やれば、やるほど上手くなるって楽しいよ。

正直、魔法って、本当におもしれ~っていうのが本音。

これまで俺は、騎士爵家の3男末弟として、武道一筋に生きて来た。

魔法とは全く無縁の日々を送り、
冒険者になってから、ようやく魔法に触れたレベルである。

そしてグランシャリオからドラフト一位指名され、研修中に魔法使いとして覚醒。

以降、修練と実戦を積み重ね、魔法剣士として、レベルアップを目指して来た。

今のところ、レベルアップは順調。

習得したいと願う魔法は、今回の召喚魔法も含め、ほぼ自分のものとしていた。

魔法おもしれ~と思うのも当然であろう。

それどころか、回復魔法を学びたいと思ったように、
新たな魔法もどんどん習得したいという意欲もあふれる。

先にも言ったが、傍らにシャルロットが居るのも最高。

想い人のクラスメイトと一緒に学びながら、切磋琢磨していけるんだもの。

それはシャルロットも同じみたい。

どんどん魔法を習得する俺と一緒に居ると、俄然やる気に満ちてくるんだって。

確かに目をきらきらさせ、身を乗り出すように、講義を聞いていた。

メモも熱心に取っている。

俺が陸戦攻撃型?の従士を召喚したんで、
防御、支援型の魔物を呼んでみようと考えたみたい。

午前中の基礎召喚術の講座では、魔法学校時代の経験もあり、
すぐ使い魔の『猫』を呼び出せたが……

更に格上の従士になる魔物は、そう簡単には呼び出せなかった。

更なる修行が必要だ。
もう少し、講座を受講する必要がある。

そもそも俺みたいにケルベロス、オルトロスを、
一度に呼び出す方がイレギュラーなのだ。

しかし、俺も魔獣兄弟以外にも、適材適所で働いてくれる従士が欲しい。

なので、回復魔法の上達もにらみつつ、
上級召喚術の講座をもう少し継続し、受講する事にしたのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

午後4時……

上級召喚術の講座が終わった。

講師のアルフォンソさんへ、上級召喚術の講座受講継続を伝え、
手続きをしておく。

シャルロットは、防御、支援型の従士獲得が目標。

俺も、もっともっと召喚魔法を極めたいと思う。
様々なタイプの従士を率い、ローラン様の役に立ちたいし。

さてさて!
受講生たちは、老若男女問わず、
グランシャリオのクランメンバーたる俺とシャルロットに興味津々。

ローラン様の話を始め、いろいろと尋ねたいらしい。

早いけど、飯でもどう?とか、お茶を飲んでだべろうぜ!とか、誘いはあったが、
「申し訳ない」と、全てを固辞し、教室を出た。

俺とシャルロットが、受講継続の申し込みをしたのを知っていたので、
また会えると判断したのか、しつこく誘って来る者は居なかった。

もしもしつこく誘って来たら、威圧のスキルで追い払うが、
ギスギスしてしまうから、出来ればそうしたくはない。

なんやかんや話していたら、4時30分を過ぎてしまった。

まだ営業時間内ではあるが、やはり、不動産部には寄らない事にした。

ベタな言い方だが、『一生の買い物』をするのに、拙速に事を運ぶのは良くない。

しっかりと手をつなぎ冒険者ギルドを出ながら、シャルロットと話す。

「ねえ、エル君」

「ん?」

「改めて思うよ! 私、エル君をしっかり支えたい! 公私ともども!」

「そうか! ありがとう! 俺もシャルロットを陰になり日向になり支えるよ!」

「うふふ♡ 同じね! 嬉しい! まずは公私の『公』よ! 私もエル君同様、従士となる高位の魔物を呼びたいわ! 希望はやっぱり防御支援型かな!」

「そうか! 俺も陸戦型だけじゃない、水陸両用とか、空を飛べる魔物を呼びたいな!」

意見が一致した俺たちは顔を見合わせ、微笑む。

リア充爆発しろ!と言われそうだ。

ここでシャルロットから提案。

「エル君! 私の部屋に魔物図鑑があるの。夕食をルームサービスにして、一緒に研究しない?」

「おお、大賛成だ! やろう! やろう!」

という事で、俺とシャルロットはホテルへ戻り……

ルームサービスで夕食を摂りながら、召喚対象に関し、
いろいろと盛り上がったのである。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

女の子なんてなりたくない?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:27

1年後に離縁してほしいと言った旦那さまが離してくれません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,167pt お気に入り:3,766

白百合なんて似合わない【改稿版】

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:285

悪女と呼ばれた聖女が、聖女と呼ばれた悪女になるまで

恋愛 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:532

では、こちらに署名を。☆伯爵夫人はもう騙されない☆

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:106pt お気に入り:2,107

処理中です...