上 下
1 / 13

第1話 えっ!アイドルのオーディション!?

しおりを挟む
2023年4月
ここは千葉県某所のオムライス屋さん
そこに将来アイドルになる1人の少女がなにやら雑誌のとあるページを開き、オムライスを食べる手を止めたまま固まったように動かなかった。

私はアイドルに憧れる普通の女子。
大好きな推しもいるアイドル大好き少女だ!

スプーンを持ったまま固まっている誰が見ても可愛いアイドルのような容姿のこの子は、キレイな長い黒髪の目のパッチリした女の子だ。

私がなぜ固まっているのかというと、たった今アイドル雑誌でアイドルオーディションの記事を見つけたのだ。
「アイドルオーディションプロジェクト?」
私はその記事を食い入るように読んだ。
「ぬわ~にぃ??!あなたもアイドルになってみませんか?こ、これは!憧れのアイドルになれるチャンス! しかも優勝すれば、新しく結成される『STAR☆TUP』に特別メンバーとして加入できる!?」
「しかもこのオーディションあのアイドルのプロデュースで右に出るものはいないと言われる超超超有名な秋山智!!?」
「これ危ない詐欺広告じゃないよね!?ちゃんとしたアイドル雑誌のB・T・Gに掲載されてるし💦」
私はその記事を見て、気持ち的にはもうすでに応募してしまっている! これに合格して絶対最後まで残って、『STAR☆TUP』に入るんだ!! 

でも私なんかがアイドルになれるものなんだろうか、、、、
なにやら詳細に目を通すと1万人の中から7~11人ほどの狭き門らしい。
「可愛い子が沢山集まるんだろうなぁ、、、絶対無理っぽい」

ただこの女の子かなり楽観的な性格なため『まっ!落ちたら落ちたでしょ!やってみなきゃわからんし、応募しないで後悔するのは絶対に嫌!』的な考えの持ち主であった。

不安が募る中、私はその場でアイドルになる為のオーディションを受ける決意をした。
私は早速、ネットでアイドルオーディションの応募フォームを打ち込み、情報を入力した。
記入内容は年齢と身長体重血液型などの基本情報に加えて、特技や趣味などを簡単に打ち込んだ。
他にも自己PR欄があったけど、何を書いたらいいのかよく分からなかったので適当に埋めておいた。
そして最後に送信ボタンを押した。
するとすぐに返信メールが来た。

メールの内容は1次オーディションの場所と時間が書かれていた。
「こんなすぐ返事くるの?💦」
まぁでもアイドル界では凄く有名な方のプロデュースだし、私の年齢的にも最後のチャンス!いや、遅いくらいか💧‬
誰にも言ってないけど、すでに1次オーディション会場に行く気満々である。

そして10日程がたった頃。
今日はメールで指定された1次オーディションの日だ!
勇気を振り絞ってオーディション会場に向かう。
1万人も募集してることもあり会場は全国7箇所でひとつの会場だけでも何日間か開催され、私は東京のオーディション会場だった。

私は東京には何度も行ったことがあったので迷わずに行くことが出来た。
会場に着くと長蛇の列が出来ていて、オーディションの参加者は今日だけでざっと100人以上はいると思う。
「うわぁすごい人~こんなにいたら私なんかが受かるわけないよね、、」
不安になりながらも列に並び自分の順番を待つことにした。
私の番が来て会場に入ると、そこには20代後半から30代前半くらいの審査員?らしき女性が立っていた。
「では自己紹介をお願いします」
「はい!千葉県から来た佐藤花です!」

そしてなんと!ここから私のアイドルとしての人生が始まることになろうとは
自分でも想像がつかないほど今までの人生で経験したことのない!めっちゃくちゃ濃い夏が始まろうとしていた‼️

振り返ること1週間前、、、
私は自室のベットの上に寝転がりオーディションの記事を眺めていた。
「お母さんになんて言おう。お父さんだってお兄ちゃんだって、、、
私がアイドルになりたいなんて言ったら反対されるのかな?」
すると
「花、、ちょっといいかしら?」
1階からお母さんが私を呼ぶ声がした。
「なにー?」
「今ちょっといいかしら」
「うん、いいよー」
お母さんが私の部屋に入ってきた。
私はアイドルの雑誌を慌てて隠した。
「な、なに?どうしたの??」
「花、あんた最近なんかあったでしょ?」
「えっ!なんで??」
なんで分かるの??
「花は嘘つくの下手よね。顔に書いてあるわよ」
「うっ、、」
私は両手で顔を覆った。
「実はこれ、、」
とオーディションの記事をお母さんに見せる。
「あんたやっぱりアイドルになりたいの??」
「うん!なりたいけどみんなが反対するかもと思って言えなくて、、」
私は正直に話した。するとお母さんはこう言った。
「花あんた茂木坂が狂ったように好きだもんねぇ」
「実は私も昔アイドルになりたかったのよ。でもお父さんに猛反対されて諦めたのよね。あ、あんたのおじいちゃんね。」
私はまさかのカミングアウトにびっくりした!お母さんはこう続ける。
「でもおじいちゃんと違ってあなたのお父さんはね、花には好きなことをさせてやりたいっていつも言ってるの。だから花は好きなことやっていいのよ」
「そうなんだ!じゃあ私アイドルオーディション受けてもいいの!?」
「もちろんよ!花は可愛いしきっと受かるわよ」
私は嬉しくなってお母さんに抱きついた。
「ありがとう!私頑張る!」
そしてオーディション当日を迎えた。
会場にはたくさんの人が集まっていて緊張する。
でもここまで来たらやるしかないよね!

1次オーディションの面接審査では特技や趣味を披露するらしい。
まずは私の得意な折り紙で鶴を折ってみる。
すると審査員からは拍手が起きた。
良かったぁ!私でも特技があるんだなぁ、、 なんとか1次審査が終わりホッと胸を撫で下ろした。
結果は後日連絡が来るらしい。
これに受かればファイナルステージに進むこととなり、受かった子達ととある施設での合宿に入る。合宿に入れるのは1万人の応募者の中から114人。
合宿では毎日厳しいレッスンが行われるらしい。
正直自信はないけど、もし受かっていたなら自分にできることを精一杯やろうと思った。

それからまたまた時間が流れ
1週間程たったある日。
親友とオムライスを食べに行く約束をしていた。
やっぱ親友だし言わなきゃだよね、、、
注文したオムライスを待っている間ドキドキしながら口を開く。
「ねぇ、私アイドルのオーディション受けるの」
それを聞いた親友は一瞬固まったものの
「え!そうなの!?応援する!!」
親友は笑顔で答えてくれた。
私は少し不安だったけど親友にそう言って貰えて自信がついた。
それから1週間後、面接審査の結果発表の日がやってきた。
ドキドキしながらパソコンを開くとそこには合格の文字があった。
やったー!!受かったんだ!!嬉しい!! 面接審査に受かるとそこからはファイナルステージとなり合宿審査が5日間行われるらしい。だが喜んだのもつかの間。実はここからが本番だ
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

電光のエルフライド 

ライト文芸 / 連載中 24h.ポイント:56pt お気に入り:14

悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:170pt お気に入り:4,975

【完結】推しに命を奪われる運命だと!?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,262pt お気に入り:694

最推しの幼馴染に転生できた!彼とあの子をくっつけよう!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:142

悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】

BL / 完結 24h.ポイント:92pt お気に入り:996

女嫌いの俺が女に転生?!しかも何故かチート能力持ってる!

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:23

運命の相手は私ではありません~だから断る~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:773pt お気に入り:970

押して駄目なら推してみろ!~闇落ちバッドエンドを回避せよ~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:520pt お気に入り:3,320

処理中です...