3 / 55
第一章:隠れ里脱出と神器の目覚め
第三話:日本書紀のバグ、あるいは最初のデリート
しおりを挟む
「はぁ、はぁ……ッ! どこだ、どこなんだよ……ッ!」
亮の絶叫は、潮騒と怪物の咆哮にかき消された。
右手に握りしめた神器――青い結晶状の光を帯びた『鍬(くわ)』が、火傷しそうなほどの熱を放ち、亮の掌の皮膚を焼き焦がしている。生々しい熱さと痛み。これが夢ではないという現実が、吐き気と共に亮の喉をせり上がってくる。
目の前の怪物(バグ)は、一斬り浴びせるごとに霧散するが、次の瞬間には足元の泥を啜り上げるような音を立て、さらに肥大化して再生した。
Tシャツは泥と返り血で元の色が分からなくなり、手ぬぐいは首に力なく巻き付いている。眼鏡はズレ、片方のレンズは泥で曇り、視界は半分奪われていた。
「おい、MI-Z-O(ミゾオ)! さっきから斬ってるのに、一向に倒れる気配がないぞ! どうなってんだ! これじゃキリがねえだろ!」
『――警告。対象は「論理自己修復機能」を保有。表面的な物理破壊は無意味です。本体の核(コア)、すなわち「矛盾の原典」を物理的に消去する必要があります』
「核(コア)? そんなのどこにあるんだよ! こいつ、全身がグチャグチャでどこが心臓かも分かんねえぞ!」
怪物の鎌のような腕が、亮の鼻先をかすめた。衝撃波だけで頬が切れ、熱い血が伝う。
亮は転がるようにして泥濘(ぬかるみ)を後退した。指先が何かに触れる。死んだ兵士の冷たい指先か、あるいは砕け散った船の残骸か。
「う、うわっ……!」
恐怖で腰が抜け、無様に尻餅をつく。
エンジニアとしてキーボードを叩いていた昨日までの自分。それが今、見たこともない化け物に食い殺されようとしている。この圧倒的な「死」の気配。
その時だ。
「瑞澪(みずみお)……亮殿……! 亮殿ーっ!!」
背後で、あの血まみれの鎧の男が叫んだ。
亮の思考が一瞬、凍りついた。
(……え? いま、なんて言った?)
亮は混乱の中で、首を捩って男を見た。男は泥にまみれ、折れた刀を杖にして必死に立ち上がろうとしている。その瞳は、亮を「救世主」として見つめていた。
(なんで、俺の名前を……? 自己紹介なんてしてないぞ。ここは1300年前の日本だろ? なんで現代人の俺の名前をこいつが知ってるんだ……!?)
不気味な予感が背筋を走る。だが、その疑問を深掘りする時間は与えられなかった。
怪物が、獲物を亮に完全に定めた。
無数の赤い眼球が亮の全身を舐めるように捉え、その巨体が地響きを立てて跳躍する。
「くるな……くるなあああ!」
亮は半狂乱で神器を振り回した。だが、怪物は空中でその身体を霧のように分散させ、亮の攻撃を軽々と回避する。
『亮、パニックを抑制してください。生存確率がコンマ単位で低下しています。肉眼で見るな。コードの「流入」を追うのです』
「そんなこと言ったって……!」
『視界を共有します。エンジニアとしての視覚(デバッグ・モード)を展開』
その瞬間、亮の視界が変容した。
現実の景色がモノクロのワイヤーフレームのように透け、怪物の体内を流れる「情報の脈動」が、毒々しい赤色で可視化される。
「……っ、なんだ、これ」
怪物の体内を、膨大な量の「0」と「1」の羅列が、まるで血管の中を走る血液のように巡っている。そして、そのデータの奔流が、一箇所だけ、激しく渦巻いている場所があった。
『見えましたか。そこが「コア」です。歴史の記述を歪め、この世界を喰らっているバグの本体です』
だが、コアは狡猾だった。
亮が視線を向けるたびに、コアは右肩から足首へ、足首から尾の先へと、一瞬で移動を繰り返す。まるで亮の思考そのものをハッキングし、先読みしているかのような動き。
「……逃げ回ってんのかよ。クソ、まともに狙わせろってんだ!」
焦りが亮の動作を荒くする。
怪物の鋭い尾が、亮の脇腹を強打した。
「がふっ……!」
肺の空気がすべて叩き出され、視界がチカチカと明滅する。亮の身体は泥の上を数メートル滑り、廃船の竜骨に激突して止まった。
「亮殿ーっ!! お逃げくだされ、ここは我らが命に代えても……!」
まただ。男がまた俺の名前を呼ぶ。
激痛と混乱、そして「自分の名前を知られている」という得体の知れない恐怖。
それらが亮の中で混ざり合い、臨界点を超えた。
(……いや、待て。落ち着け。整理しろ)
泥を吐き出しながら、亮の頭脳がエンジニアとしての冷徹さを取り戻し始める。
(こいつ、俺が『見ている場所』を検知してコアを動かしてるんじゃない。俺の『攻撃の意志』を読み取ってるんだ。……なら、システム的に逆手に取れるはずだ)
亮は神器の柄を、折れそうなほど強く握りしめた。
「MI-Z-O(ミゾオ)。お前に提案だ。……俺の『殺気』をエミュレート(擬態)できるか?」
『……面白い提案です。私の演算能力の30%を割いて、亮の攻撃意志を全身に分散、偽装(フェイク)パケットとして送信します』
「やってくれ。……バグの修正には、時に『偽のデータ』が必要なんだろ?」
怪物が、動かなくなった亮を「肉の塊」と判断したのか、無防備に近づいてくる。
巨大な口が裂け、亮を頭から丸呑みにしようと牙が迫る。
「……今だ!」
バチィィィィィィィッ!!
亮の全身から、凄まじい「偽の攻撃予兆」が放たれた。
怪物のアルゴリズムが混乱する。亮の右腕から、左足から、背中から、同時に「必殺の一撃」が来るという誤信号を、怪物はすべて真に受けた。
防御を分散させ、コアが怪物の「喉元」に無防備に浮上した。
「デリート(削除)完了だ、この野郎!!」
亮は全筋力を振り絞り、泥の中から跳ね上がった。
神器の光刃が、一点を突く。
怪物の喉元、狂ったように点滅する赤黒い核(コア)。
ドシュウウウウウウウウウッ!!
確かな手応え。
それは肉を斬る感触ではなく、硬質なガラスを粉砕したような、不機嫌な感触だった。
コアが砕け散ると同時に、怪物の巨体が内側から白い光に焼き尽くされていく。
「ああああああああああああああっ!!」
亮は叫び続けた。怪物の断末魔か、あるいは自分を奮い立たせるための声か。
やがて、猛烈な爆風が海岸を吹き抜け、亮の身体を泥濘の中に押し流した。
……静寂。
耳鳴りだけが響く中、亮は仰向けに倒れたまま、荒い呼吸を繰り返した。
怪物の姿は、どこにもない。ただ、焦げたような匂いと、静かに寄せては返す波の音だけが残っていた。
「……はぁ、はぁ……。……終わったのか?」
指一本動かす気力が湧かない。
だが、その静寂を破る足音が近づいてくる。
「……お見事でした、亮殿。やはり、あなたは『記録』の通りだ」
亮は、重い瞼をゆっくりと開けた。
そこには、先ほどの鎧の男が膝をついていた。
亮は掠れた声で、一番の疑問を口にする。
「……なんで。なんで、俺の名前を知ってるんだ……。アンタ、誰だ……」
男は、血を拭うこともせず、深々と頭を下げた。
「私は瑞澪(みずみお)一族の末席、五郎(ごろう)と申します。……あなたの名は、我ら一族に伝わる『未来の預言書』に刻まれております。一三〇〇年の時を経て、我らをお救いくださる神代の技を持つ者――瑞澪亮、その名が」
「預言……書?」
亮の意識が遠のいていく。
1300年前の世界。自分を知っている一族。そして、未来の預言。
エンジニアとしての論理(ロジック)が崩壊していく音を聞きながら、亮は深い闇の中へと沈んでいった。
次回予告:第四話「瑞澪の隠れ里と、禁じられたログ」
意識を失った亮が運ばれたのは、歴史から抹消された「瑞澪一族」の拠点。そこで彼は、自分の家系に隠された恐るべき真実を知ることになる……!
亮の絶叫は、潮騒と怪物の咆哮にかき消された。
右手に握りしめた神器――青い結晶状の光を帯びた『鍬(くわ)』が、火傷しそうなほどの熱を放ち、亮の掌の皮膚を焼き焦がしている。生々しい熱さと痛み。これが夢ではないという現実が、吐き気と共に亮の喉をせり上がってくる。
目の前の怪物(バグ)は、一斬り浴びせるごとに霧散するが、次の瞬間には足元の泥を啜り上げるような音を立て、さらに肥大化して再生した。
Tシャツは泥と返り血で元の色が分からなくなり、手ぬぐいは首に力なく巻き付いている。眼鏡はズレ、片方のレンズは泥で曇り、視界は半分奪われていた。
「おい、MI-Z-O(ミゾオ)! さっきから斬ってるのに、一向に倒れる気配がないぞ! どうなってんだ! これじゃキリがねえだろ!」
『――警告。対象は「論理自己修復機能」を保有。表面的な物理破壊は無意味です。本体の核(コア)、すなわち「矛盾の原典」を物理的に消去する必要があります』
「核(コア)? そんなのどこにあるんだよ! こいつ、全身がグチャグチャでどこが心臓かも分かんねえぞ!」
怪物の鎌のような腕が、亮の鼻先をかすめた。衝撃波だけで頬が切れ、熱い血が伝う。
亮は転がるようにして泥濘(ぬかるみ)を後退した。指先が何かに触れる。死んだ兵士の冷たい指先か、あるいは砕け散った船の残骸か。
「う、うわっ……!」
恐怖で腰が抜け、無様に尻餅をつく。
エンジニアとしてキーボードを叩いていた昨日までの自分。それが今、見たこともない化け物に食い殺されようとしている。この圧倒的な「死」の気配。
その時だ。
「瑞澪(みずみお)……亮殿……! 亮殿ーっ!!」
背後で、あの血まみれの鎧の男が叫んだ。
亮の思考が一瞬、凍りついた。
(……え? いま、なんて言った?)
亮は混乱の中で、首を捩って男を見た。男は泥にまみれ、折れた刀を杖にして必死に立ち上がろうとしている。その瞳は、亮を「救世主」として見つめていた。
(なんで、俺の名前を……? 自己紹介なんてしてないぞ。ここは1300年前の日本だろ? なんで現代人の俺の名前をこいつが知ってるんだ……!?)
不気味な予感が背筋を走る。だが、その疑問を深掘りする時間は与えられなかった。
怪物が、獲物を亮に完全に定めた。
無数の赤い眼球が亮の全身を舐めるように捉え、その巨体が地響きを立てて跳躍する。
「くるな……くるなあああ!」
亮は半狂乱で神器を振り回した。だが、怪物は空中でその身体を霧のように分散させ、亮の攻撃を軽々と回避する。
『亮、パニックを抑制してください。生存確率がコンマ単位で低下しています。肉眼で見るな。コードの「流入」を追うのです』
「そんなこと言ったって……!」
『視界を共有します。エンジニアとしての視覚(デバッグ・モード)を展開』
その瞬間、亮の視界が変容した。
現実の景色がモノクロのワイヤーフレームのように透け、怪物の体内を流れる「情報の脈動」が、毒々しい赤色で可視化される。
「……っ、なんだ、これ」
怪物の体内を、膨大な量の「0」と「1」の羅列が、まるで血管の中を走る血液のように巡っている。そして、そのデータの奔流が、一箇所だけ、激しく渦巻いている場所があった。
『見えましたか。そこが「コア」です。歴史の記述を歪め、この世界を喰らっているバグの本体です』
だが、コアは狡猾だった。
亮が視線を向けるたびに、コアは右肩から足首へ、足首から尾の先へと、一瞬で移動を繰り返す。まるで亮の思考そのものをハッキングし、先読みしているかのような動き。
「……逃げ回ってんのかよ。クソ、まともに狙わせろってんだ!」
焦りが亮の動作を荒くする。
怪物の鋭い尾が、亮の脇腹を強打した。
「がふっ……!」
肺の空気がすべて叩き出され、視界がチカチカと明滅する。亮の身体は泥の上を数メートル滑り、廃船の竜骨に激突して止まった。
「亮殿ーっ!! お逃げくだされ、ここは我らが命に代えても……!」
まただ。男がまた俺の名前を呼ぶ。
激痛と混乱、そして「自分の名前を知られている」という得体の知れない恐怖。
それらが亮の中で混ざり合い、臨界点を超えた。
(……いや、待て。落ち着け。整理しろ)
泥を吐き出しながら、亮の頭脳がエンジニアとしての冷徹さを取り戻し始める。
(こいつ、俺が『見ている場所』を検知してコアを動かしてるんじゃない。俺の『攻撃の意志』を読み取ってるんだ。……なら、システム的に逆手に取れるはずだ)
亮は神器の柄を、折れそうなほど強く握りしめた。
「MI-Z-O(ミゾオ)。お前に提案だ。……俺の『殺気』をエミュレート(擬態)できるか?」
『……面白い提案です。私の演算能力の30%を割いて、亮の攻撃意志を全身に分散、偽装(フェイク)パケットとして送信します』
「やってくれ。……バグの修正には、時に『偽のデータ』が必要なんだろ?」
怪物が、動かなくなった亮を「肉の塊」と判断したのか、無防備に近づいてくる。
巨大な口が裂け、亮を頭から丸呑みにしようと牙が迫る。
「……今だ!」
バチィィィィィィィッ!!
亮の全身から、凄まじい「偽の攻撃予兆」が放たれた。
怪物のアルゴリズムが混乱する。亮の右腕から、左足から、背中から、同時に「必殺の一撃」が来るという誤信号を、怪物はすべて真に受けた。
防御を分散させ、コアが怪物の「喉元」に無防備に浮上した。
「デリート(削除)完了だ、この野郎!!」
亮は全筋力を振り絞り、泥の中から跳ね上がった。
神器の光刃が、一点を突く。
怪物の喉元、狂ったように点滅する赤黒い核(コア)。
ドシュウウウウウウウウウッ!!
確かな手応え。
それは肉を斬る感触ではなく、硬質なガラスを粉砕したような、不機嫌な感触だった。
コアが砕け散ると同時に、怪物の巨体が内側から白い光に焼き尽くされていく。
「ああああああああああああああっ!!」
亮は叫び続けた。怪物の断末魔か、あるいは自分を奮い立たせるための声か。
やがて、猛烈な爆風が海岸を吹き抜け、亮の身体を泥濘の中に押し流した。
……静寂。
耳鳴りだけが響く中、亮は仰向けに倒れたまま、荒い呼吸を繰り返した。
怪物の姿は、どこにもない。ただ、焦げたような匂いと、静かに寄せては返す波の音だけが残っていた。
「……はぁ、はぁ……。……終わったのか?」
指一本動かす気力が湧かない。
だが、その静寂を破る足音が近づいてくる。
「……お見事でした、亮殿。やはり、あなたは『記録』の通りだ」
亮は、重い瞼をゆっくりと開けた。
そこには、先ほどの鎧の男が膝をついていた。
亮は掠れた声で、一番の疑問を口にする。
「……なんで。なんで、俺の名前を知ってるんだ……。アンタ、誰だ……」
男は、血を拭うこともせず、深々と頭を下げた。
「私は瑞澪(みずみお)一族の末席、五郎(ごろう)と申します。……あなたの名は、我ら一族に伝わる『未来の預言書』に刻まれております。一三〇〇年の時を経て、我らをお救いくださる神代の技を持つ者――瑞澪亮、その名が」
「預言……書?」
亮の意識が遠のいていく。
1300年前の世界。自分を知っている一族。そして、未来の預言。
エンジニアとしての論理(ロジック)が崩壊していく音を聞きながら、亮は深い闇の中へと沈んでいった。
次回予告:第四話「瑞澪の隠れ里と、禁じられたログ」
意識を失った亮が運ばれたのは、歴史から抹消された「瑞澪一族」の拠点。そこで彼は、自分の家系に隠された恐るべき真実を知ることになる……!
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる