いなくなって、若返ったお父さんは、私のヒーローになって、永遠の共犯者になった。

かざみはら まなか

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第2章 若返ったお父さんと私。お父さん、家に帰ろうよ。どうして帰ってこなかったの?待っていたのに。帰れないの?なんで?

15.お父さんを家に連れて帰れない。お母さんと妹は、四人でいることを望んでいない。それでも、私は、家族でいることを辞めてほしくない。

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一夜明けて。

お母さんには、文句を言いたい気持ちもある。

お母さんの非をあげつらっても、何も生み出さない。

お母さんを批判しても、私もお母さんも傷つくだけ。

私は、飲み込んだものをいつか、どこかで、何かと一緒に吐き出すかもしれないし、吐き出さないかもしれない。

私達は、これ以上、傷つけ合う必要はない。

私の目的は、家族がまた四人に戻ること。

今すぐは無理だと分かった。

壊れるまでは、早いのに、修復するのは時間がかかる。

前と同じにはならなくても、形を変えて家族でいられるようにしてみせる。

お父さんには、無計画に誘ったことを謝って。

今まで通り、家の外でお父さんと会おう。

お父さんの創造主を名乗ったお医者さんには、頭を掴まれないようにして、話をしたい。

お父さんの体と心。

お父さんの体は、病気や怪我にどう対処したらいいのか。

創造主というくらいなら、情報を持っている。

お父さんに会ったら、相談しよう。

私は、お母さんと妹に、おはよう、いただきます、ごちそうさま、と行ってきますを言って、家を出た。

今の妹の耳には、お母さんの声しか入っていかない。

私が、妹に声をかけ続けるのは、妹が家族だからにほかならない。

家族じゃなくて、同級生に妹のような人がいたら、私は遠巻きにしている。

今、妹は、中学生。
まだ、お母さんとの距離が近くても、大丈夫。
多分。

妹は、地元の中学に進学したから。
お母さんも同級生も、顔見知りばかり。

自分で考える習慣がないまま高校生になったら、高校生活でつまずくと思う。

小学生の妹は、本人の自覚はともかく、お父さんに謝らせるという役割をお母さんから与えられていて、お母さんのストレス発散に役立っていた。

中学生の妹はどうだろう?まだ、お母さんの役に立っている。

お父さんの代役に、私がいる。

私は、もう高校生。

私が、お母さんの傘の下にいるのは、あと何年か。

私が、お母さんの傘の下から出ていったら、お母さんはどうするつもりだったんだろう?

お母さんと妹の二人。

妹の時間は、小学生のある日で止まっている。

体は中学生になっても、妹の内面は、ずっと小学生のまま。

お母さんが、そうあることを妹に望んで、妹は、お母さんに甘やかされることを望んだ。

妹は、私と二歳差。
私が小六のとき、妹は小四。

人は、毎年、年をとる。

妹は、永遠に小四のままじゃない。

お母さんが、妹の手を離そうとしても、今の妹が、お母さんの手を離すことはない。

今だけじゃなく。
変わらないままなら、妹はずっとお母さんの傘の下にいようとするだろう。

お母さんの傘の下にいることが、今の妹の当たり前だから。

昨日。
お父さんといたいか、お母さんといたいか、と私に聞いてきたお母さん。

お母さんは、お父さんとの離婚を考えていた。

お母さんには、離婚を考える状況の変化があったんだと思う。

お母さんが、お父さんと離婚した後、うまくいくと考えているなら、見通しが甘すぎる。

お母さんは、離婚して、私をお父さんに、と考えていたんだろうけれど。

お父さんと離婚したときに、お母さんの足を引っ張るのは、私じゃないよ、お母さん。

妹だよ。

お母さんは、お母さんにべったりの妹が、お母さんと妹の二人だけになったら、どうなるかを考えてみなかった?

先のこと過ぎた?

それとも、一足とびの未来を見ていた?

妹は、お母さんにべったりだけど。

お母さんは、妹にべったりじゃない。

妹は、このことに気づいていない。

お母さんも、妹にべったりだと思っている。

お母さんが、そう思わせてきたから。

お母さんが、妹の問題を解決しないなら。

妹の存在は、そう遠くない未来で、お母さんの首をしめることになる。

だから、お母さん、妹のことを諦めないで、何とかしてね。

お母さんが、妹の矯正をしている間は、私達は四人家族のまま。

妹の矯正が終わる頃には。

お母さんの身に起こった状況の変化は、一過性の風邪にかかったことになっているよ。

私達は、四人家族だからね。

お父さんも、お母さんも、妹も、私の家族。

一人も欠けさせないよ。

頑張ってね、お母さん。

私は、お父さんに話してくるから。
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