フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

187.権力者親子の覚えが目出度くなれば、便宜を期待できるよね?手の届くところにいる権力者の子どもに媚びて、喜ばせておくか。

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第2王子、第3王子と一緒に、学生生活を送るため、ハーマルは2人の王子とその側近に助けてもらいながら、飛び級を繰り返した。
コーハ王国の貴族学校の学生は、12歳で入学し、18歳で卒業することが多いが、必ずその期間の通学が必要なわけではない。
卒業に必要な単位を取得すれば、卒業が認められるため、人によっては、卒業までの期間をいくらでも縮められる。
12歳で入学したハーマルは、14歳で卒業資格を得た。

第2王子、第3王子と一緒にいて、飛び級を繰り返すハーマルの優秀さは、卒業資格を得た頃になると、学校以外にも知れ渡っていた。

『卒業したら、うちに来ない?』
という勧誘が、物凄く一方的に展開され、入学当初とは、真逆の『針の筵』になった。

ハーマルが、その優秀さを遺憾なく発揮した理由は、ハーマルの学校生活の始まりが難儀した理由と同じである。


ハーマルと、フィリスは3歳差。
第4王子フィリップ殿下とフィリスは4歳差。

つまり、ハーマルとフィリップ殿下とは1歳差。

ハーマルの入学の1年前にフィリップ殿下が入学している。

ハーマルもフィリップ殿下も、互いに興味がなく、接点もなかった。

フィリップ殿下が入学する前から、ハーマルが入学してからも、2人は、互いに交流を持とうとしたことは1度もない。

幼少のみぎりから、社交界界隈で大注目のフィリップ殿下が入学すると、学校にフィリップ殿下フィーバーが起きた。

フィリップ殿下は、国の最高権力者の国王陛下ご夫妻が唯一可愛がられている王子様。

フィリップ殿下のお気に召す環境をご提供すれば、国王陛下ご夫妻の覚えも目出度かろう。

貴族達がそうささやき交わすのを止められないくらい、フィリップ殿下と上の3人の王子に対する国王陛下ご夫妻の有り様は、あからさまであった。

そして、時間とともに、国王陛下ご夫妻の希望を汲み取り、率先して叶えると、ご両親に愛されているフィリップ殿下がお喜びになるという逆転の発想に辿り着く。

国王陛下とガラン子爵家の当代当主との間に確執があることは、貴族の常識。

失敗する心配が少なく、失敗してもさしたる問題にならない、確実な方法を貴族達はすぐに思いついた。

フィリップ殿下ご入学の1年後、入学してきたガラン子爵家の3男ハーマル。

『国王陛下ご夫妻とフィリップ殿下の歓心を買う簡単な方法がある。』と。

ガラン子爵家当主のダルクはコーハの社交界に出てこないから、手の出しようがない。

しかし、コーハ王国の貴族学校に入学した息子になら、簡単ではないか?

忖度に次ぐ忖度が飛び交うこととなった結果、ハーマルの学校生活が『針の筵』スタートになったのである。
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