フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

576.王子との婚約破棄が出来ない?王子がいなくなれば、解決だよな?王子狙いのやつに王子をくれてやる。コーハ王国で第二の人生を生きるぞ!

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婚約者を辞めるから、慰謝料くれと言ったら、父親につまみ出された。

なんでだ?

父親に喋らせてみた。

うちの家は、侯爵家といっても、子爵以下の貴族と大差ないくらいに、何にもない。
金も権力も、土地も人脈も、才能も。

無い無い尽くしなので、王子の婚約者としてオレを差し出して、優遇してもらっている、と。

「オレの双子の妹の婚約も無事に成立したから、騒ぎ立てるな。」と父親は言い出した。

「オレには?」
と聞いてやった。

1番の功労者であるオレには、何を寄越してくれるんだ?

何もない?

ふざけるな!

貴族なら家のために役に立て!

オレがお前らの役に立ったなら、お前らは、オレのどんな役に立ったんだ?


オレは、もう、怖い、痛いと泣いているだけのガキじゃない。

王子の婚約者という肩書きを返上出来ないから、オレが泣き寝入りするとしかないと思ったか!

オレは、自分が囮にされていると知っている。

囮のフリをして、王子側を欺きながら、王子を狙っているやつと接触してやった。
王子を引き渡してやる代わりに、オレを痛めつけたやつを全員殺せと要求した。

王子の身柄の引き渡しは、簡単だ。
安全だと思わせれば、王子は出てくる。

王子を引き渡す前に、オレを痛めつけたやつの首を要求したら、首をゴロゴロ転がしてきた。

いつも安全圏で、オレの痛みに他人事だった王子の悲鳴を聞きながら、オレは逃げ出した。

あいつら、ついでにオレを殺す気だったからな。

王子がいなければ、婚約者のフリも終わりだ。

オレの家族が、オレの痛みと引き換えに得た妹の婚約や優遇措置がどうなるか、気になるが、オレは、この国も家族も嫌いだから、さっさと出ていく。
どうせ、王子を守れなかった詰め腹を切らされるんだろう。

仲良く絶望してくれよ。

オレは、オレの悪縁が断てたチャンスを逃したりはしない。

オツムの残念なフリをして集めた情報をフル活用して、オレは新しい人生を切り拓く。


王子を引き渡した相手がいたハンティア王国を経由して、辿り着いたコーハ王国。

コーハ王国は、貴族と平民の階層がはっきり分かれている。

貴族特権で入国しようとしたら、国へ身元照会されそうになった。

うちの親も、王家もノーサンキュー。

慌てて、亡命申請に切り替えた。

家族仲が悪いから出奔した。
もし、亡命が通らないなら、自分の食い扶持を働いて稼げる仕事と住む場所を紹介してくれと、入国審査で粘り、条件付きで入国した。

入国にあたり、筆記試験と面接を受けた。

亡命とか、出奔とか言ったせいだと思うが、他国の侯爵子息に手加減なしなところは、強国ならでは。

亡命にしろ、出奔にしろ、引き受け先は、あるのか、と聞かれたが、そんなものはない。

正直に答えたら、追い返されそうなので、コーハ王国のガラン子爵家に引き受けをお願いしたい、と希望を伝えた。

ガラン子爵家に縁があるのか?と聞かれたが、オレは知らない。

あくまで、オレの希望だからな。

そちらで確認してくれ、といっておいた。

コーハ王国の王太子は、ガラン子爵家の嫡子と仲がいいって、コーハ王国に入る前に聞いたからな。

王太子と仲がいい上に、子爵家なんて、侯爵子息がお邪魔するにはちょうどいいじゃないか。

辺境の領地だけど、金持ちだって有名だし。

領地が遠いから、王都で世話になりたいな。

コーハ王国の王都は、栄えていると有名だから、今から楽しみだ。
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