739 / 1,464
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
739.選ばれるための努力は美しい。自分が選ばれなくても、ライバルが選ばれたなら、敗者としての己を受け入れられた。でも、現実は。
しおりを挟む
「私達が、どれ程心待ちにしていたと?」
いや知らんがな。
「結婚生活のための準備も怠りはしませんでしたのよ?」
もっと知らん。
目当ての男をおとしてから、準備すりゃ良かったんじゃないのか?
ご令嬢方によれば。
アンドリュー達をフィリスの魅了から救うために毎回用意した魔導具は、自腹だったという。
一般的ではない魔導具を取り揃えるために、懐がたいそう寂しくなった。
従来にない、未解明の魅了を解除するための魔導具を作り出せたら、天才以外の何者でもない。
新手の魅了を駆使し、婚約者のいる男を誑かして、研究所送りになったミドリン・パーマーで臨床実験を行いながら、研究を重ねてきた。
その研究費用、ご令嬢方の持ち出し分が大半になった。
研究所の題材に沿うテーマは、研究所の予算でまかなうが、ご令嬢持ちの望むオプションを魔導具に付与するための研究や実際の付与にかかる費用は、ご令嬢方がまるまる負担する契約になっていた。
その話を聞いたサブリーとユージュアルの心の声は1つ。
『あこぎな商売。』である。
ご令嬢方は、いつ出会う機会がきても、最高の出会いにするため、常に美しくあろうと心がけてきた。
魅了解除のための魔法の訓練も毎日欠かさなかった。
お金と時間と労力を注ぎ込んできた。
望み通りの男との結婚を目指して。
目当ての男との結婚のために注ぎ込んできたものが大きすぎた。
男と結婚しない未来など、ご令嬢方の将来設計に入っていなかった。
どんな過程を経ても、男と結婚する未来しかない。
ご令嬢方もその周りも、一丸となって、同じ未来へと邁進してきた。
ご令嬢方は互いにライバルだった。
足を引っ張ったり、出し抜いたり、当たり前に競い合った。
目当ての男との結婚を手に入れるため。
ご令嬢方は、互いにライバルの手の内を推し測りながら、魅了の解除に挑み続けた。
だから。
同じように魔導具を用意して日参していたご令嬢の中の誰かが選ばれていたなら、ご令嬢方は、悔しくても納得がいった。
自分の力が及ばなかったと、敗者であることを受け入れられた。
でも。
国の出した結論は、女は対象外で、男が対象だから、女は下がれ、男に当たらせる、だけ。
ご令嬢方は、好みの男を新しい婚約者として迎える目標を持ち、家族や家人と一丸になって、突き進んできた。
幕引きにしては、あまりに唐突。
行き場のない感情を持て余しているのは、ご令嬢方だけではない。
ご令嬢方と共に突き進んできた家人もである。
ご令嬢方に囲まれたサブリーとユージュアルは、ご令嬢方の恨み言を拝聴している。
拝聴したいわけではないが、移動できないので、仕方がない。
同じ話しかけるなら、優しく話してほしいなあ。
視界にいると虫酸が走るなら、近寄らなければいいんじゃない?とか
2人は、胸の内で呟くのみ。
ハニートラップを仕掛けられて楽しむ生き方は、していないので、相手にされないなら、されなくてもいい。
でも、八つ当たりしても許されると考えられるのは、業腹だ。
どうしようかなあ。
「そもそも、魅了なんて、誰が言い出したんだよ?」
とサブリー。
「コーハ王国で魅了事件が起きていたところで、関係ないハンティア王国が介入してきたらおかしいと気づかないかなあ?」
「魅了がどうだと言っているけれど、ハンティア王国の貴族子女とどうにかなる未来が、あるわけない。嫁探しに来ているわけじゃないんだから。」
とユージュアル。
「国の方針の狙いをよく考えもせず、自分に都合よく運びそうだから、とホイホイ乗せられて、はしごを外されたわけ?」
馬鹿じゃんと言わんばかりのサブリー。
「婚約者がいなくて、切羽詰まっていたとはいえ、ハンティア王国の都合しか考えていない計画が成功すると思うなんて浅はか過ぎるよなあ。」
と正直なユージュアル。
2人がご令嬢方の顔を見ながら話していると、ご令嬢方が全員後ろに下がった。
飽きた?
解放?
サブリーとユージュアルの期待は儚く散った。
入れ替わりに体格のいい上背のある男達がどすどすとやってきて、2人を取り囲んだ。
「「え?誰?」」
「「「「「やっておしまい。」」」」」
とご令嬢方。
「なにそれ!」
「めちゃくちゃじゃん。」
いや知らんがな。
「結婚生活のための準備も怠りはしませんでしたのよ?」
もっと知らん。
目当ての男をおとしてから、準備すりゃ良かったんじゃないのか?
ご令嬢方によれば。
アンドリュー達をフィリスの魅了から救うために毎回用意した魔導具は、自腹だったという。
一般的ではない魔導具を取り揃えるために、懐がたいそう寂しくなった。
従来にない、未解明の魅了を解除するための魔導具を作り出せたら、天才以外の何者でもない。
新手の魅了を駆使し、婚約者のいる男を誑かして、研究所送りになったミドリン・パーマーで臨床実験を行いながら、研究を重ねてきた。
その研究費用、ご令嬢方の持ち出し分が大半になった。
研究所の題材に沿うテーマは、研究所の予算でまかなうが、ご令嬢持ちの望むオプションを魔導具に付与するための研究や実際の付与にかかる費用は、ご令嬢方がまるまる負担する契約になっていた。
その話を聞いたサブリーとユージュアルの心の声は1つ。
『あこぎな商売。』である。
ご令嬢方は、いつ出会う機会がきても、最高の出会いにするため、常に美しくあろうと心がけてきた。
魅了解除のための魔法の訓練も毎日欠かさなかった。
お金と時間と労力を注ぎ込んできた。
望み通りの男との結婚を目指して。
目当ての男との結婚のために注ぎ込んできたものが大きすぎた。
男と結婚しない未来など、ご令嬢方の将来設計に入っていなかった。
どんな過程を経ても、男と結婚する未来しかない。
ご令嬢方もその周りも、一丸となって、同じ未来へと邁進してきた。
ご令嬢方は互いにライバルだった。
足を引っ張ったり、出し抜いたり、当たり前に競い合った。
目当ての男との結婚を手に入れるため。
ご令嬢方は、互いにライバルの手の内を推し測りながら、魅了の解除に挑み続けた。
だから。
同じように魔導具を用意して日参していたご令嬢の中の誰かが選ばれていたなら、ご令嬢方は、悔しくても納得がいった。
自分の力が及ばなかったと、敗者であることを受け入れられた。
でも。
国の出した結論は、女は対象外で、男が対象だから、女は下がれ、男に当たらせる、だけ。
ご令嬢方は、好みの男を新しい婚約者として迎える目標を持ち、家族や家人と一丸になって、突き進んできた。
幕引きにしては、あまりに唐突。
行き場のない感情を持て余しているのは、ご令嬢方だけではない。
ご令嬢方と共に突き進んできた家人もである。
ご令嬢方に囲まれたサブリーとユージュアルは、ご令嬢方の恨み言を拝聴している。
拝聴したいわけではないが、移動できないので、仕方がない。
同じ話しかけるなら、優しく話してほしいなあ。
視界にいると虫酸が走るなら、近寄らなければいいんじゃない?とか
2人は、胸の内で呟くのみ。
ハニートラップを仕掛けられて楽しむ生き方は、していないので、相手にされないなら、されなくてもいい。
でも、八つ当たりしても許されると考えられるのは、業腹だ。
どうしようかなあ。
「そもそも、魅了なんて、誰が言い出したんだよ?」
とサブリー。
「コーハ王国で魅了事件が起きていたところで、関係ないハンティア王国が介入してきたらおかしいと気づかないかなあ?」
「魅了がどうだと言っているけれど、ハンティア王国の貴族子女とどうにかなる未来が、あるわけない。嫁探しに来ているわけじゃないんだから。」
とユージュアル。
「国の方針の狙いをよく考えもせず、自分に都合よく運びそうだから、とホイホイ乗せられて、はしごを外されたわけ?」
馬鹿じゃんと言わんばかりのサブリー。
「婚約者がいなくて、切羽詰まっていたとはいえ、ハンティア王国の都合しか考えていない計画が成功すると思うなんて浅はか過ぎるよなあ。」
と正直なユージュアル。
2人がご令嬢方の顔を見ながら話していると、ご令嬢方が全員後ろに下がった。
飽きた?
解放?
サブリーとユージュアルの期待は儚く散った。
入れ替わりに体格のいい上背のある男達がどすどすとやってきて、2人を取り囲んだ。
「「え?誰?」」
「「「「「やっておしまい。」」」」」
とご令嬢方。
「なにそれ!」
「めちゃくちゃじゃん。」
0
あなたにおすすめの小説
ユキ・シオン
那月
BL
人間の姿をした、人間ではないもの。
成長過程で動物から人間に変わってしまう”擬人化種”の白猫青年と、16歳年上のオッサンとのお話。
出会ったのは猫カフェ。白猫従業員としての青年と客としてやってきたオッサン。
次に再会したのは青年が人間として通う大学。オッサンは保健室の先生だった。
青年が金のためにヤバいことをしていて、あるトラブルが起こる。
そこへ見計らったかのようにオッサンが飛び込んで救出したのをきっかけに2人の距離は縮まり……
※表紙絵は自作。本編は進むにつれてどんどん動物園と化します(笑)
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
ギルド職員は高ランク冒険者の執愛に気づかない
Ayari(橋本彩里)
BL
王都東支部の冒険者ギルド職員として働いているノアは、本部ギルドの嫌がらせに腹を立て飲みすぎ、酔った勢いで見知らぬ男性と夜をともにしてしまう。
かなり戸惑ったが、一夜限りだし相手もそう望んでいるだろうと挨拶もせずその場を後にした。
後日、一夜の相手が有名な高ランク冒険者パーティの一人、美貌の魔剣士ブラムウェルだと知る。
群れることを嫌い他者を寄せ付けないと噂されるブラムウェルだがノアには態度が違って……
冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。
表紙は友人絵師kouma.作です♪
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います
緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。
知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。
花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。
十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。
寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。
見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。
宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。
やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。
次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。
アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。
ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる