フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

文字の大きさ
770 / 1,464
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

770.逆ハーレムの男達の真髄。

しおりを挟む
「逆ハーレムの意味は分かっているのか?」
とアンドリュー。

「うん。今回、外から指摘されるまで、気づかなかったけれど、ボクは逆ハーレムの主人公なの。」

「逆ハーレムには、誰が入っているんだ?」
とセドリック。

「これから、募集するの。加入資格は、ボクが大切にしていて、ボクを大切にしてくれる未婚男性。」

「皆には、ボクの逆ハーレムに、入ってほしいの。」

「ボク、ボクの逆ハーレムに入ってくれたら、全力で守るの。」

「フィリスが守ってくれる?」
とリッチェル。

「うん。」

「どうやって守ってくれるんだ?」
とアラン。

「ボクの逆ハーレムの一員にちょっかいかけたら、ダメって宣言するの。ボクのものに手を出すなって。」

「そうか。」
とセドリック。

「うん。ちょっかいかけてきたら、抗議するの。ボク、やられっぱなしにはならないの。」

「抗議は、どうやる?」
とアンドリュー。

「書面、もしくは、面と向かって。本人と責任者に。」

「抗議しても、退いてくれなかったら?」
とリッチェル。

「ボク1人の力じゃ足りないということだから、ボクは、色んなところに協力をお願いしにいくの。」

「例えば?」
とアラン。

「ハーマルお兄様、フィリップ殿下、ウィルソン、レオナルド。デヒルお兄様経由で、王太子殿下と、第2王子殿下、第3王子殿下、それぞれの側近方。」

「近衛なら、近衛騎士団の本隊の団長。団長はまだ仲良くなれていないから、これから仲良くなる予定なの。」

「お願いには、お礼も必要。お願いを叶えてくれた方へのお礼は、ボクがお願いを聞くことにするの。」

「フィリス。」
とジーン。

声のトーンで分かるの。

ダメ。反対しないで。

ボク、一生懸命考えたの。

ボク自身に人を動かしたり、従わせる力はないんだもの。

ボクじゃない誰かに動いてもらうには、対価がいるの。

でも、ボクには、対価として出せるものがない。

だから、対価は、ボク自身なの。

皆が反対しても、ボクの決意はかたいの。

「フィリス。おいで。」
とラウルが、お膝に誘ってくれる。

ラウルのお膝の上にいるのは好き。
ラウルがボクだけを見てくれる時間だもの。
お膝の上にいるときは、ラウルを独り占めできちゃうの。
でも、今は行けないの。

だって、ラウルのお膝にいるときは、ボク、ラウルの言うことをなんでも聞きたくなるんだもの。

ラウルは、多分、ボクを説得しようとしているの。

ボクは、誘惑に打ち克つの。

「行かないの、会議中だもの。」

ラウルが、ボクを見つめて、、優しく微笑みながら、膝をとんとんしている。

ボクを誘惑しないで、ラウル。

ボク、ラウルのお顔とお膝を見ちゃうけれど、我慢するの。

誘われていても、今は、行かないの、行かないんだから。

「フィリス、動けなくなったんだね。手伝うから。」
とエスター。

エスターが近付いてきて、ボクを椅子から立たせようとしてきたの。

「エスター?ボクは、動けないんじゃないの。動かないの。ボクのお尻は、根っこが生えているの。」

「確認して、根っこは外してあげる。ほら、お尻見せて。」
とエスターは、ボクの手を引いて立たせてしまう。

「根っこは、1本もないよ。」
とエスターは、ボクの手をつかんで、お尻の確認をさせてくれた。

エスター、ごめんなさい。
ボク、嘘をついたの。
根っこは最初から生えていないの。

「いつでも、ラウルのところに行けるよ。」
とエスターが、ボクの頭を撫でている。

「エスター。ボク。」

「一緒に行こう。」
とエスターは、ボクの両手をつかんで、後ろ向きに歩く。

「エスター、後ろ向きは、危ないの。」

「フィリスが安全かどうか、見ていてくれるよね?」
とエスターは微笑むの。

「うん。ボクが見てる。」
エスターに頼られたから、張り切っちゃう。

あれ?

ボク、ラウルの前にいるの。

「エスター。」

エスターは、ボクの両手をラウルにどうぞした。

「フィリス。」
ラウルの手に引っ張られて、ボクは、ラウルのお膝に座った。

いつもは向かい合わせだけど、今日は、ラウルの胸にボクの背中を預けているの。

ボクのお腹にラウルの腕が回って、全身をラウルに包みこまれている。

なんだか、ボク、力が抜けてきたの。

ラウルのぬくもりと、ラウルの匂いにほこほこと温められて、ボクは、バターみたいにぐでーんと溶けちゃう。

幸せ。

「フィリス。」
とラウル。

「フィリスは、逆ハーレムについて、間違って理解している。」
とセドリック。

「え?」
そんなことはないと思うの。

「逆ハーレムなんだから、ハーレムとは役割が逆なんだよ。」
とリッチェル。

「逆?」
ボクには、どういうことか、分からないの。

「ハーレムは、ハーレムの主が守る。逆ハーレムは、その逆なんだ。」
とアラン。

「よく分からないの。」
ボク、世間の常識について、知らないことがたくさんあるの。

「逆ハーレムの主人公を逆ハーレムの構成員が皆で助けるんだよ。」
とリッチェル。

「ボクの逆ハーレムなら、皆がボクを助けるの?それだと、いつも通りなの。」
ボク、助けてもらうばかりだもの。

「いつも通りだと、気に入らないのか?」
とセドリック。

「だって。いつも通りじゃ、ボク、弱すぎて、皆を守れないもの。」

「フィリス、逆ハーレムなんだから、俺達がフィリスを守るんだ。俺達が守りたいんだ。俺達に守らせてくれないのか?」
とアンドリュー。

「フィリスの逆ハーレムに、当然、俺は入っているな?」
とセドリック。

「俺は、フィリスの逆ハーレムに入れてくれるだろう?」
とラウル。

「私は、もう入っている。」
とジーン。

「俺も入った。」
とアラン。

「まだ、入っていないとは思ってもみなかった。フィリス、入れてくれる?」
とリッチェル。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ユキ・シオン

那月
BL
人間の姿をした、人間ではないもの。 成長過程で動物から人間に変わってしまう”擬人化種”の白猫青年と、16歳年上のオッサンとのお話。 出会ったのは猫カフェ。白猫従業員としての青年と客としてやってきたオッサン。 次に再会したのは青年が人間として通う大学。オッサンは保健室の先生だった。 青年が金のためにヤバいことをしていて、あるトラブルが起こる。 そこへ見計らったかのようにオッサンが飛び込んで救出したのをきっかけに2人の距離は縮まり…… ※表紙絵は自作。本編は進むにつれてどんどん動物園と化します(笑)

記憶を無くしたら家族に愛されました

レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない… 家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

ギルド職員は高ランク冒険者の執愛に気づかない

Ayari(橋本彩里)
BL
王都東支部の冒険者ギルド職員として働いているノアは、本部ギルドの嫌がらせに腹を立て飲みすぎ、酔った勢いで見知らぬ男性と夜をともにしてしまう。 かなり戸惑ったが、一夜限りだし相手もそう望んでいるだろうと挨拶もせずその場を後にした。 後日、一夜の相手が有名な高ランク冒険者パーティの一人、美貌の魔剣士ブラムウェルだと知る。 群れることを嫌い他者を寄せ付けないと噂されるブラムウェルだがノアには態度が違って…… 冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。 表紙は友人絵師kouma.作です♪

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

処理中です...