フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

文字の大きさ
848 / 1,496
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

849.身の程知らずを極めちゃって、奥義を授かった感じですか?

しおりを挟む
シドニーは、ビーイット公爵家ともサージェ侯爵家とも親しくない。

社交界で、仲良くしたこともない。

話には聞いていた。

ビーイット公爵家の次男マルビルは、公爵家の人間として、褒められたものではない、ということは。

あちらこちらで、恥の上塗りをしている、とまで言われているにも関わらず、マルビル本人に自省を促しても効果はなく、ビーイット公爵家も更生させる気がない、という話だった。

百聞は一見にしかず。

まさか、ビーイット公爵家に縁もゆかりもないシドニーが、その現場にいることになるとは。

公爵家、云々ではなく、貴族子弟として、なっていない。
自国の第4王子の命令を聞き、目撃者多数の夜会であるにも関わらず、無視してやり過ごそうと考えて実行に移す貴族子弟。

コーハ王国に10しかない公爵家の次男だろうが、アウト中のアウトである。

フィリスを抱えて連れて行ったというビーイット公爵家の嫡子イリダ殿は出てこず、次男のマルビル殿は、周りにせっつかれて、しぶしぶフィリップ殿下の前に出てきた。

しぶしぶ出てきた、と会場中に丸わかりのマルビル。

ビーイット公爵家のイリダ殿とマルビル殿が、フィリップ殿下の正面に立てるように、とジーン、フローレン、シドニーは、フィリップ殿下の正面から移動している。

横にずれて、斜めからマルビルが視界に入る位置に3人はいる。

シドニーだけでなく、ジーンもフローレンも、マルビルの不敬っぷりに、ある種の大物感を感じていた。

身の程知らずを極めちゃって、奥義を授かった感じですか?

マルビルのふてぶてしい様子に、ウィルソンは眉を顰めて、王子の前でする態度ではないから、態度を改めるようにとマルビルに忠告した。

「呼ばれたから、来たのに、態度とか、言われなきゃならないなんて、出てこなければ良かった。」
とマルビルは、ウィルソンの忠告に返した。

「フィリスは、どこだ?知っていることを話せ。」
フィリップ殿下は、マルビルに命令した。

マルビルは、フィリップ殿下を馬鹿にした表情になった。

「知るわけないでしょう。」
とマルビルは半笑いで続ける。
「話せることは何もないんで、聞きたいことがあるなら、兄のイリダを捕まえて直接聞いてください。兄が素直に話す性格だとは思いませんけど?」

マルビルは、不機嫌そうな表情を作った。

「だいたい、聞きたいことがあるならって、人を呼びつけるもんじゃないでしょう。
本当に、何様なんですか?

教えてほしいことがあるなら、先にお伺いをたててから、教えて、と聞きにくるもんでしょう?」

フィリップ殿下に対して、出来の悪い他所の子どもに嫌味を炸裂させるかのように饒舌なマルビル。

「あと、兄がどこにいるかと聞かれても、知りませんから。用事があるなら、自分で探して下さい。」

マルビルは、さらに燃料を追加した。

「こんな、人前で、呼びつけた非礼を謝ってください。すっごく嫌な気分でした。」

ついには、フィリップ殿下に謝罪を求めるという暴挙に出たのだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヒーロー組織のサポートメンバーになりました!

はちのす
BL
朝起きたら、街はゾンビだらけ!生き残りたい俺は、敵に立ち向かうヒーロー組織<ビジランテ>に出逢った。 ******** 癖の強いヒーロー達の"心と胃の拠り所"になるストーリー! ※ちょっとイチャつきます。

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

灰の底で君に出会う

鮭茶漬け
BL
両親を亡くした高校生、神崎透は叔母の家に引き取られて暮らしている。しかしその家は、家族と呼べる場所ではなかった。家事、雑用、そしてバイト。どれだけ働いても感謝されることはなく、透は「穀潰し」と呼ばれながら日々を過ごしていた。 それでも透は思っている。ここに置いてもらえるだけでありがたい、と。 これは――居場所を持たなかった少年が、初めて愛を知るまでの物語。

【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから

西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。 演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP *10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます

拾われた後は

なか
BL
気づいたら森の中にいました。 そして拾われました。 僕と狼の人のこと。 ※完結しました その後の番外編をアップ中です

妖精です、囲われてます

うあゆ
BL
僕は妖精 森で気ままに暮らしていました。 ふと気づいたら人間に囲まれてました。 でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。 __________ 妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精 なんやかんやお互い幸せに暮らします。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ※第33話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

処理中です...