フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

文字の大きさ
894 / 1,496
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

895.主君に忠誠を捧げるキミに問おう。主君のために一番よい結果を用意するために、キミがどうすれば良いか、分かるよね?

しおりを挟む
デヒルお兄様とビーイット公爵家の当主の護衛は机を挟んで対面に座る。

ボクは、デヒルお兄様とビーイット公爵家の当主の護衛との真ん中あたりの机の横に立つ。

デヒルお兄様が本日お連れの側近は3人。
1人は、お兄様の横に座る。
1人は、扉の近くで立った。
もう1人は、扉とお兄様の背中の真ん中あたりの距離に立った。

本当の側近は1人で、立っている2人は護衛なの。

物々しくなるから、側近という名目で連れてきたの。

ビーイット公爵家の当主の護衛も、立ち位置と立ち方で、本職かどうか分かった様子。
「聞きしに勝る。」
とリラックスして、笑っている。

「デヒルお兄様。お父様がボクを迎えに来てくださったときに、ボクが連れ帰ってきたの。ビーイット公爵家のイリダ殿がビーイット公爵領に送り込んだ中の1人。ビーイット公爵家の当主の護衛。名前は、シーリ・ポート。」
ボクがデヒルお兄様に説明する。

ビーイット公爵家の当主の護衛シーリ・ポートは、ぺこりと前傾し、元に戻った。

「デヒル・ガラン。そこにいるフィリスの兄。ガランの後継だ。」
とデヒルお兄様。
「前置きは不要。本題から入る。嘘偽りは最初から省いておけ。手間を掛けさせられることは好まない。」

デヒルお兄様は、いつでもカッコいいの。
ボク、デヒルお兄様の弟に生まれて幸せ。

「ビーイット公爵家の当主の護衛として、ビーイット公爵家に戻るか?それとも、宗旨替えをするか?」
とデヒルお兄様。

「宗旨替えとは、穏やかではない。」
とシーリ・ポート。

「ビーイット公爵の護衛は今後の展開も予測可能だろう。話してみろ。」
とデヒルお兄様。

「イリダ様は廃嫡でしょう。」
シーリ・ポートは慎重に話し始める。
シーリ・ポートは、正しく理解している。
ガランの後継だと目の前でわざわざ名乗ったデヒルお兄様のご機嫌を損なうことが、どういう結果になるか、を。

当主の護衛が知っているということは、当主も知っている可能性が高い。

当主の掌で転がされていたイリダ殿は、知らなかったのかしら?

それとも、知っていて、敢えてボクを拉致したのかしら?

もしくは、拉致後、当主から知らされたから、雲隠れしているのかしら?

イリダ殿の今後は、さておいて。

シーリ・ポートの働きが、シーリ・ポートの主君の今後に直結するの。

デヒルお兄様は、シーリ・ポートに、悟らせた。
シーリ・ポートが、自ら動くように仕向けた。

ガランとは何かを知っている程、主君のためにも、シーリ・ポートは、デヒルお兄様のご意向に背けない。

ビーイット公爵家の血筋を一滴でも残すか、否か。

イリダ殿の処遇は、当座は廃嫡で済ませても、最終的には、廃嫡だけでは済まない。
ボクの拉致の件での手仕舞いは、廃嫡では足りない。

近衛の不祥事の遠因となったアンタッチャブルな組織を利用した際のイリダ殿の不手際による事件を解明する必要がある。

国としては、近衛の不祥事の事件解明と再発防止のために。

ガランとしても。

ガランは、間接的にアンタッチャブルな組織にかんでいる。
ガラン家当主の4男のボクが捜査側にいたから、今回の近衛の不祥事の裏に、アンタッチャブルな組織の関与があったと気づくことができた。
しかしながら。
アンタッチャブルな組織は、正しく利用する限り、トラブルは起きないとボクは知っている。

国としては、利用者であるビーイット公爵家の嫡子イリダ殿に責任をとらせて終わる話だけど、ガランは違う。

イリダ殿の不手際を調べて、コーハ王国の王侯貴族が同じ轍を踏むことがないように、ガランは、コーハ王国の王侯貴族を教育することにした。

中途半端な知識は危険だと、今回、証明されたから。

諸々の取り調べの都合もあり、イリダ殿は、頭も体も元気な状態で確保したいの、ボク。

だから。

ビーイット公爵家の当主には、誠心誠意、協力してほしいと考えているの。
ボクも、デヒルお兄様も。

ビーイット公爵家には、自発的に、イリダ殿の身柄を安全に、ガランへ寄越してもらいたい。

ビーイット公爵家の当主の護衛シーリ・ポートには、良い働きを期待したいの。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヒーロー組織のサポートメンバーになりました!

はちのす
BL
朝起きたら、街はゾンビだらけ!生き残りたい俺は、敵に立ち向かうヒーロー組織<ビジランテ>に出逢った。 ******** 癖の強いヒーロー達の"心と胃の拠り所"になるストーリー! ※ちょっとイチャつきます。

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

灰の底で君に出会う

鮭茶漬け
BL
両親を亡くした高校生、神崎透は叔母の家に引き取られて暮らしている。しかしその家は、家族と呼べる場所ではなかった。家事、雑用、そしてバイト。どれだけ働いても感謝されることはなく、透は「穀潰し」と呼ばれながら日々を過ごしていた。 それでも透は思っている。ここに置いてもらえるだけでありがたい、と。 これは――居場所を持たなかった少年が、初めて愛を知るまでの物語。

【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから

西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。 演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP *10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます

拾われた後は

なか
BL
気づいたら森の中にいました。 そして拾われました。 僕と狼の人のこと。 ※完結しました その後の番外編をアップ中です

妖精です、囲われてます

うあゆ
BL
僕は妖精 森で気ままに暮らしていました。 ふと気づいたら人間に囲まれてました。 でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。 __________ 妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精 なんやかんやお互い幸せに暮らします。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ※第33話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

処理中です...