フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

文字の大きさ
897 / 1,496
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

898.シーリ・ポートの主君、ビーイット公爵について、話が聞きたい。嫡子イリダ殿が、ボクを狙ったのは、たまたま?それとも、わざと?

しおりを挟む
ボクの転生者予測は、ひとまず、ボクのお腹の中に寝かしておくの。

「主君は?」
とデヒルお兄様。

シーリ・ポートは、主君について最初に言及しなかったのは、護衛が主君を語る行いは、主君の情報を売ることと同義、主君への裏切りだと考えて、忠誠心が邪魔したのかしら。

見上げた忠誠心なの。

ビーイット公爵は、忠義の厚い護衛がいて幸せなの。

シーリ・ポートは、ひととき、逡巡した後、ゆっくりと口を開いた。

「ビーイット公爵は、不自由を悟らせることなく、公爵家の当主でいらっしゃいました。」

「フィリスの成人の儀の後の騒動をきっかけに、ガランについて無知ではなくなったな。」
とデヒルお兄様。

「ご存知でしたか。」
とシーリ・ポート。

ガランについて、嗅ぎ回る勢力が新しく増えたら、どこの所属か、ガランは調べるもの。
デヒルお兄様は、気づかぬフリで嗅ぎ回らせておき、与えたい情報を抜き取らせたんじゃないかしら。

「理解しているのは、当主の護衛だけか?」
とデヒルお兄様。

わざわざ、情報をくれてやったのに、ガランの期待通りに活かせないようでは、生かしておく価値がない。

「イリダ様の暴走と、マルビル様の不甲斐なさは、公爵家の想定している以上だったのです。」

ふむ。
ビーイット公爵家のご当主から、嫡子イリダ殿には情報提供がされていた、ということかしら。

マルビル殿は、次男として嫡子イリダ殿の暴走を止めるのではなく、イリダ殿に唯々諾々と従い伴走した、と。

「ビーイット公爵家の当主は、ガランがなんたるかを承知していた。フィリスの成人の儀の後の騒動では、不満を口にしていたが、以降は、騒ぎ立てることなく静かにしていたな。」

ボクの成人の儀の後の騒動で、ビーイット公爵は、デヒルお兄様に従うことに納得していなかった。

騒動の後に、調べて、ガランとは何かを突き止めたのなら、たいしたものなの。

コーハ王家は、ガランの資料を持ちながら、読み返すことさえしなくて、自分達の首をしめたんだもの。

ビーイット公爵は、ヒントなしで正解にたどり着けた、とデヒルお兄様はおっしゃっている。

「息子達は、どの程度、承知していた?」
とデヒルお兄様。

「ガラン家は、コーハ王国の切り札であり、救世主もしくは、守護神である、と。」
とシーリ・ポート。

とてつもない誤解が生じていると思うの、ボク。

「その認識を当主が長男に植え付けたのか?」
とデヒルお兄様。

「植え付けた、といいますか。成人の儀の後の騒動がイリダ様の知るところになり、ガランに抗議と制裁をと騒ぐイリダ様に、ガランについては飲み込むことだと説明するために、です。」
とシーリ・ポート。

「長男が、フィリスをビーイット公爵領の問題に引きずりこんだのは、フィリスがガランの人間だからか。フィリスを使って解決しようとしたか。」
デヒルお兄様の眼光が鈍く光る。

「触らぬ神に祟りなし、と当主は言わなかったか?」
とデヒルお兄様。
「当主の考察の足りなさ。判断の甘さ。」

「ガランは、コーハ王国が便利に使う存在ではない。」
とデヒルお兄様。

「国の危機を招くような首脳陣は、総取っ替えだ。ビーイット公爵は、国が存続するから、国の守護神と解釈したか?」
デヒルお兄様は、ビーイット公爵に見切りをつけた。
「ビーイット公爵に、本質を見る目はないな。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヒーロー組織のサポートメンバーになりました!

はちのす
BL
朝起きたら、街はゾンビだらけ!生き残りたい俺は、敵に立ち向かうヒーロー組織<ビジランテ>に出逢った。 ******** 癖の強いヒーロー達の"心と胃の拠り所"になるストーリー! ※ちょっとイチャつきます。

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

灰の底で君に出会う

鮭茶漬け
BL
両親を亡くした高校生、神崎透は叔母の家に引き取られて暮らしている。しかしその家は、家族と呼べる場所ではなかった。家事、雑用、そしてバイト。どれだけ働いても感謝されることはなく、透は「穀潰し」と呼ばれながら日々を過ごしていた。 それでも透は思っている。ここに置いてもらえるだけでありがたい、と。 これは――居場所を持たなかった少年が、初めて愛を知るまでの物語。

【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから

西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。 演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP *10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます

拾われた後は

なか
BL
気づいたら森の中にいました。 そして拾われました。 僕と狼の人のこと。 ※完結しました その後の番外編をアップ中です

妖精です、囲われてます

うあゆ
BL
僕は妖精 森で気ままに暮らしていました。 ふと気づいたら人間に囲まれてました。 でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。 __________ 妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精 なんやかんやお互い幸せに暮らします。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ※第33話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

処理中です...