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第4章 学生色々。学校でのトラブルって、避けられるものと、避けられないものがあるんだよね。

82.悪意なく、他人を搾取していく人っているよね?

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バネッサは、打ち合わせ通り、沈黙している。

「私達は、ジョンストン伯爵家としての返事を待っているのだけど?」
とマーゴット。

ナユカの侍女は、バネッサが連れてきた2人が、仲良しのバネッサのために怒っているのでは?と推測した。

3人でいて、絡まれたのなら、少女らしい正義感で突き進んでもおかしくない。

バネッサ以外の2人のうち、話しているのは、1人だけだが、残る1人も、伯爵令嬢の付き合いで来ている様には見えなかった。

3人の少女の熱意。
ナユカとの温度差があり過ぎて、ナユカはついていけていない。
そもそも、ナユカは、3人が何を問題としているのか、問題が何かに思い至っていない。

ナユカに会話を任せてしまうと、拗れるだけになってしまう。

それは、ナユカの望むところではないはず。

侍女は、恐れながらと断って、会話に加わった。

状況を理解していないナユカが話すよりは、マシだろう。

「ナユカ様は、お仕事でお部屋にいらっしゃることが多く。こちらにいらっしゃった理由から、お聞きしたいのですが。」
とナユカの侍女。

「ジョンストン伯爵家が、わたし達コーハ王国貴族への謝罪をし、今後の対策を決めて履行の約束をわたし達コーハ王国の貴族にすることが、わたし達の用件。用件を聞くだけ、短時間というそちらの条件に合わせて話をしている。」
マーゴットは、一旦、言葉をきった。
「短時間の条件は、撤廃するの?」
とナユカを見るマーゴット。

ナユカは、怒りと悲しみと悔しさで、ぐちゃぐちゃになっている。

友人と仕事以外の話を楽しみに会う約束をしようとしたら、友人に誤解されていた。
関係ない他人を引き連れて現れた友人は、他人行儀にクレームをつけてきて、友人と他人2人に謝罪を要求し、対策をするように要求してきた。
ナユカには、バネッサからのクレームの心当たりなどない。
バネッサに悪いことなどする気もない、したこともない。
バネッサと話をして誤解をときたいのに、友人の態度は、他人以上に硬化していて、ナユカとは口もきいてくれない。

バネッサが黙っている代わりに話す他人は、意味不明な文句でナユカを責め立てる。

ナユカの侍女が、ナユカにそっと声をかけた。
「ナユカ様。互いの状況を知る時間が必要です。」

「短時間は、取り消すわ。」
ナユカは、声を出すために腹に力を入れる。
「私達は、互いに知る時間が必要よね。」

「互いの?そちらの状況はそちらで管理しなさい。わたし達には関係ないわ。」
マーゴットは素気なく返す。

ナユカと話をしているうちに、マーゴットは気づいた。
ナユカとマーゴットの会話を聞いていたキャスリーヌも、気づいている。

ナユカは、自分から誰かに何かをする思考がない。

誰かに何かをしてもらうことについては、当たり前過ぎて何も感じていない。

意識せずに、関わる人を搾取するタイプだ。
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