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第5章 丸付けは、全部終わってからだよ?後手に回ったからって、それが何?

106.探していないときは、すぐ見つかるのに、探していると見つからないんだよね。何故かな?

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マーゴット、キャスリーヌ、バネッサは、朝から人を探していた。

「いないね?」
と、キャスリーヌが不思議がる。

「いつも、感じる視線がないわね。」
とマーゴット。

「誰をさがしているのか、そろそろ聞いてもいい?」
とバネッサ。

「貴族クラスで外国人のレベッカ・ショア。」
とキャスリーヌ。

「校舎内にいないなら、寮にいるかも?今まで、学校に毎日来ていたのに、体調崩したのかなー。」
キャスリーヌは、何気なく話している。
バネッサは、びっくりして、キャスリーヌに確かめた。

「話したことは、ないと言っていなかった?」
とバネッサ。

「ないよ。私もマーゴットも。」
とキャスリーヌ。

「毎日の行動を把握しているように聞こえたわ。」
とバネッサ。

「毎日、視線を感じていたからね。今日も、視線を辿るつもりだったからー。」
キャスリーヌは、あははと笑う。

マーゴットとキャスリーヌは、対策を立てられる数だけ、修羅場を乗り越えてきたのかな、とバネッサは思う。

マーゴットとキャスリーヌの2人とバネッサが肩を並べるまでになるには、時間がかかるだろうな、とバネッサ自身、理解している。

今のバネッサは、マーゴットとキャスリーヌのいる見晴らし台へ向かって、1段ずつ、階段を上っている状態。

2人に助けてもらうことばかりだけど、コーハ王国に帰って、国に取り引きを吹っかけるときには、マーゴット、キャスリーヌの2人に庇われるんじゃなく、3人で肩を並べる自分になっていたい。

慌てず、私の速度で、必ず追いつくから。
バネッサは、心の中で、2人に約束した。


その後。
3人は、女子寮に戻ることにした。

授業を受けてから戻っても良かったのだが、なんとなく、足が寮へ向いたのだ。


そして、それが、運命の分かれ道になった。

3人が住んでいる使用人帯同の女子寮に戻ってきたとき、3人は、探していた人物をすぐに見つけることができた。

レベッカ・ショアは、使用人帯同の女子寮の玄関で、寮内の複数の上級生と、寮の職員に囲まれていた。
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