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第5章 丸付けは、全部終わってからだよ?後手に回ったからって、それが何?
137.誰かに言われた通りではなく、自分で考え抜いたことで失敗が続くと辛い。間違いたくないと思う。間違わないで済む方法があったら、頼るよね?
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レベッカ・ショアは、黙って思案している。
バネッサは、急かさなかった。
マーゴットは、さり気なく鞄の蓋を開けている。
ミノカサゴが、鞄のへりギリギリに上がってきた。
部屋の中で、異状があれば、ミノカサゴが気づくかもしれない。
「喉が乾いたから、なんか飲みたい。お茶とコップ4人分。レベッカ・ショアの部屋にいるから。」
キャスリーヌは、通信魔法で、自室の侍女に連絡している。
レベッカ・ショアは、前世の意識の意見を聞いている。
侍女が凄いって話になるかと思ったけど、ならないのは、なんで?
私に前世の意識がある話をしたら、いいのかなあ?
『キャスリーヌは、両親の言うことより、侍女を信じるのが、信じられないと思っている。』
と前世の意識。
うん。
キャスリーヌは、めちゃくちゃびっくりしていたよ。
キャスリーヌがびっくりしていることに、レベッカ・ショアはびっくりした。
マーゴットが、沈黙を破った。
「レベッカ・ショア。貴女の侍女は、いつから、貴女の担当になった?生まれたときから?」
マーゴットは、具体的な数値などの答えやすい項目から、質問していくことにした。
「ううん。途中から。凄く優秀で、女子の教育に最適な人物で。たまたま、前の雇用先とは、契約が切れた関係で、私の担当として、うちに来たんだよね。たしか、4年くらい前にうちに来たよ。」
とレベッカ・ショア。
「レベッカ・ショア。今の侍女の前には、他の侍女がいた?今の侍女がついてからも、他の侍女は、継続して貴女についてた?」
とマーゴット。
「いたよ。何人かいたんだけど、侍女1人だけが良くなったから、1人にした。」
とレベッカ・ショア。
「他の侍女よりも、快適だった?」
とマーゴット。
「うん。そう。侍女に全てをお任せしたい、と思った。侍女に任せると、生きやすい気がしたんだよね。」
とレベッカ・ショア。
「それで、どうだった?」
とマーゴット。
「大正解。侍女が言うことに間違いはないから、言う通りにしていたら、全部、大丈夫だった。分からないことは、困らないようにしてくれるし。してくれることが、どれも、かゆいところに手が届いているんだよね。」
とレベッカ・ショア。
「もうさあ、侍女がいれば、他の人は、いらない。ずっと一緒にいると思っていた。一緒にいない生活なんて、考えたことがなかった。」
レベッカ・ショアは、話しながら泣いている。
「侍女の書き置きもなくて。侍女から連絡もなくて。何をどうすればいいか、侍女がいないから、全然わからなくて。」
レベッカ・ショアは、ぼたぼた涙をこぼした。
「侍女のことも心配だけど、自分のことも不安で。この先どうなるのか、どうしたらいいのか、何にもわからないから、心配ばかりで。」
1人で、前世の意識と状況を確認しながら、綱渡りをしてきたレベッカ・ショア。
心細くて、心細くて。
侍女を頼りたいのに、侍女はいなくて。
「分からないなりに、自分で考えて動いたけれど、自分の考えでやったことは、1つもうまくいっていない。」
レベッカ・ショアは、侍女がいないと何も為せない自分が、情けなくて辛い。
「侍女が帰ってこなくなってから、やることなすこと、全部、裏目に出ている。」
レベッカ・ショアは、毎回、考えて動いている。
でも。
自分で考えていることが正しいのかどうか、不安になってくる。
毎回、失敗するのは、きっと、自分で考えると間違っているから。
間違いだとは、気づいているけれど。
何が間違いか、教えてくれる侍女はいない。
失敗ばかりだから、もう間違いたくない。
侍女の言う通りにしたら、間違いないなんて、起こり得ないんだから。
「私は、侍女がいないとダメすぎる。
私が困らないように、いつも侍女が先回りして、助けてくれていたことに、今頃気づくくらい、侍女の主人としても、ダメダメだと自覚したところ。」
バネッサは、急かさなかった。
マーゴットは、さり気なく鞄の蓋を開けている。
ミノカサゴが、鞄のへりギリギリに上がってきた。
部屋の中で、異状があれば、ミノカサゴが気づくかもしれない。
「喉が乾いたから、なんか飲みたい。お茶とコップ4人分。レベッカ・ショアの部屋にいるから。」
キャスリーヌは、通信魔法で、自室の侍女に連絡している。
レベッカ・ショアは、前世の意識の意見を聞いている。
侍女が凄いって話になるかと思ったけど、ならないのは、なんで?
私に前世の意識がある話をしたら、いいのかなあ?
『キャスリーヌは、両親の言うことより、侍女を信じるのが、信じられないと思っている。』
と前世の意識。
うん。
キャスリーヌは、めちゃくちゃびっくりしていたよ。
キャスリーヌがびっくりしていることに、レベッカ・ショアはびっくりした。
マーゴットが、沈黙を破った。
「レベッカ・ショア。貴女の侍女は、いつから、貴女の担当になった?生まれたときから?」
マーゴットは、具体的な数値などの答えやすい項目から、質問していくことにした。
「ううん。途中から。凄く優秀で、女子の教育に最適な人物で。たまたま、前の雇用先とは、契約が切れた関係で、私の担当として、うちに来たんだよね。たしか、4年くらい前にうちに来たよ。」
とレベッカ・ショア。
「レベッカ・ショア。今の侍女の前には、他の侍女がいた?今の侍女がついてからも、他の侍女は、継続して貴女についてた?」
とマーゴット。
「いたよ。何人かいたんだけど、侍女1人だけが良くなったから、1人にした。」
とレベッカ・ショア。
「他の侍女よりも、快適だった?」
とマーゴット。
「うん。そう。侍女に全てをお任せしたい、と思った。侍女に任せると、生きやすい気がしたんだよね。」
とレベッカ・ショア。
「それで、どうだった?」
とマーゴット。
「大正解。侍女が言うことに間違いはないから、言う通りにしていたら、全部、大丈夫だった。分からないことは、困らないようにしてくれるし。してくれることが、どれも、かゆいところに手が届いているんだよね。」
とレベッカ・ショア。
「もうさあ、侍女がいれば、他の人は、いらない。ずっと一緒にいると思っていた。一緒にいない生活なんて、考えたことがなかった。」
レベッカ・ショアは、話しながら泣いている。
「侍女の書き置きもなくて。侍女から連絡もなくて。何をどうすればいいか、侍女がいないから、全然わからなくて。」
レベッカ・ショアは、ぼたぼた涙をこぼした。
「侍女のことも心配だけど、自分のことも不安で。この先どうなるのか、どうしたらいいのか、何にもわからないから、心配ばかりで。」
1人で、前世の意識と状況を確認しながら、綱渡りをしてきたレベッカ・ショア。
心細くて、心細くて。
侍女を頼りたいのに、侍女はいなくて。
「分からないなりに、自分で考えて動いたけれど、自分の考えでやったことは、1つもうまくいっていない。」
レベッカ・ショアは、侍女がいないと何も為せない自分が、情けなくて辛い。
「侍女が帰ってこなくなってから、やることなすこと、全部、裏目に出ている。」
レベッカ・ショアは、毎回、考えて動いている。
でも。
自分で考えていることが正しいのかどうか、不安になってくる。
毎回、失敗するのは、きっと、自分で考えると間違っているから。
間違いだとは、気づいているけれど。
何が間違いか、教えてくれる侍女はいない。
失敗ばかりだから、もう間違いたくない。
侍女の言う通りにしたら、間違いないなんて、起こり得ないんだから。
「私は、侍女がいないとダメすぎる。
私が困らないように、いつも侍女が先回りして、助けてくれていたことに、今頃気づくくらい、侍女の主人としても、ダメダメだと自覚したところ。」
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