163 / 576
第5章 丸付けは、全部終わってからだよ?後手に回ったからって、それが何?
162.転生貴族スラッルス・トークン。意外に面倒見が良い男。
しおりを挟む
やさぐれて、素をさらけ出したスラッルス・トークン。
「秘密話なら、隣り合わせにしとくぞ。」
と向かい合わせになっていた椅子を2つ並べている。
「さあ。座れ。さあ、話せ。退屈させんなよ?」
とスラッルス・トークン。
「なんか、人柄が違いすぎて。」
とクロッグ・カーブ。
「テメエの前では、これでいくから、慣れとけ。」
と涼しい顔のスラッルス・トークン。
「あの、その前に。他の貴族と没交渉になるって、本当ですか?困るんですけど。」
不服そうなクロッグ・カーブ。
「困るんですけど、て、俺に文句を言うのは、お門違いじゃねーのか?
ああ?
俺が誰だか分かった上で、声をかけてきたのは、誰だ?言ってみろ。」
スラッルス・トークンの声は、完全にどすを効かせている。
お貴族様の喋りは、残り香さえない。
「わ、私です。私が。」
友好的な仮面がベロンと剥がれ落ちたスラッルス・トークンに、びくびくするクロッグ・カーブ。
「そーだよな?
俺じゃねーよな?
判断を間違えたのはよお?」
とスラッルス・トークン。
「俺は、濡れ衣きせられて、文句つけられたわけだ。」
スラッルス・トークンは、笑顔を消し去り、凄む。
12歳の少年の作る表情ではなかった。
「貴族の俺が。平民のテメエに、な?」
家族との関係は、良好ではないものの、そこそこ名のしれた商家の子どもとして育ってきたクロッグ・カーブ。
クロッグ・カーブの世界は、切った張ったの勝負をする場所ではなかった。
今、クロッグ・カーブの本能は、命の危機だと訴えている。
「この落とし前は、どうつけてもらうかなあ?」
スラッルス・トークンにとどめを刺されて、クロッグ・カーブは、石像のように固まった。
スラッルス・トークンは、微動だにしなくなった隣の少年を見て、刺激が強すぎたかな?と反省した。
しかし、このくらい脅かしておかないと、クロッグ・カーブには効き目がないだろう。
クロッグ・カーブは、貴族を軽く見ている。
平民のクロッグ・カーブと貴族のスラッルス・トークンが対等だと錯覚している。
叩き直すなら、早いうちがいい。
貴族を甘く考えていたら、簡単に死ぬ。
前世で、かなり大人だったスラッルス・トークンだから、クロッグ・カーブの無礼を子どものすること、と流してやったが。
スラッルス・トークンに前世の人格がなければ、クロッグ・カーブは、全身骨折で放置されていただろう。
生意気で鼻っ柱の高いガキは、言うことを聞く年齢の間に躾しとかねーとな。
スラッルス・トークンも肉体は12歳だが、前世の人格が12歳の少年らしさを覚えていないので、少年らしくなれない。
12歳って、こんな感じだったっけ?と思いながら、スラッルス・トークンは、クロッグ・カーブの再起動を待っている。
「秘密話なら、隣り合わせにしとくぞ。」
と向かい合わせになっていた椅子を2つ並べている。
「さあ。座れ。さあ、話せ。退屈させんなよ?」
とスラッルス・トークン。
「なんか、人柄が違いすぎて。」
とクロッグ・カーブ。
「テメエの前では、これでいくから、慣れとけ。」
と涼しい顔のスラッルス・トークン。
「あの、その前に。他の貴族と没交渉になるって、本当ですか?困るんですけど。」
不服そうなクロッグ・カーブ。
「困るんですけど、て、俺に文句を言うのは、お門違いじゃねーのか?
ああ?
俺が誰だか分かった上で、声をかけてきたのは、誰だ?言ってみろ。」
スラッルス・トークンの声は、完全にどすを効かせている。
お貴族様の喋りは、残り香さえない。
「わ、私です。私が。」
友好的な仮面がベロンと剥がれ落ちたスラッルス・トークンに、びくびくするクロッグ・カーブ。
「そーだよな?
俺じゃねーよな?
判断を間違えたのはよお?」
とスラッルス・トークン。
「俺は、濡れ衣きせられて、文句つけられたわけだ。」
スラッルス・トークンは、笑顔を消し去り、凄む。
12歳の少年の作る表情ではなかった。
「貴族の俺が。平民のテメエに、な?」
家族との関係は、良好ではないものの、そこそこ名のしれた商家の子どもとして育ってきたクロッグ・カーブ。
クロッグ・カーブの世界は、切った張ったの勝負をする場所ではなかった。
今、クロッグ・カーブの本能は、命の危機だと訴えている。
「この落とし前は、どうつけてもらうかなあ?」
スラッルス・トークンにとどめを刺されて、クロッグ・カーブは、石像のように固まった。
スラッルス・トークンは、微動だにしなくなった隣の少年を見て、刺激が強すぎたかな?と反省した。
しかし、このくらい脅かしておかないと、クロッグ・カーブには効き目がないだろう。
クロッグ・カーブは、貴族を軽く見ている。
平民のクロッグ・カーブと貴族のスラッルス・トークンが対等だと錯覚している。
叩き直すなら、早いうちがいい。
貴族を甘く考えていたら、簡単に死ぬ。
前世で、かなり大人だったスラッルス・トークンだから、クロッグ・カーブの無礼を子どものすること、と流してやったが。
スラッルス・トークンに前世の人格がなければ、クロッグ・カーブは、全身骨折で放置されていただろう。
生意気で鼻っ柱の高いガキは、言うことを聞く年齢の間に躾しとかねーとな。
スラッルス・トークンも肉体は12歳だが、前世の人格が12歳の少年らしさを覚えていないので、少年らしくなれない。
12歳って、こんな感じだったっけ?と思いながら、スラッルス・トークンは、クロッグ・カーブの再起動を待っている。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
103
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる