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第6章 可動式魔法遺跡、クークード遺跡の見学ツアーに参加しよう。

182.マーゴット、キャスリーヌ、バネッサのお家の情報。

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「わたしの家は、国境の領地。」
とマーゴット。
「国境を挟んだ向こう側から、友好的に話しかけてきたから、と、こちらも近づいて、話をしたとする。」

「おう。」

「話が盛り上がり、別れの挨拶をして、国境に背を向ける。」

「おう。」

「背中を向けた途端、背中から斬りつけられて、倒れたところを国境の向こう側に引きずりこまれる。」

「うえ?」

「国境を踏み越えてきたから、攻撃して拘束しているので、身柄の返却を求めるのであれば、と色々要求をつきつけてくる。」

「お、おう。」

「そんな隣人が1つ。」

「まだ、あるのか?」

「隣が裕福に暮らしているのは、自分達のお陰だから、恩恵を独り占めせずに、全部寄越せ、という粘着体質な隣人が、もう1つ。」

「あ。ああ。」

「うちには笑顔を振りまきながら、うちの悪口を広める隣人が、もう1つ。」

「選べないもんな。隣人は。」

「わたしの家は、この3つの国と国境を接している。」

「なかなかの隣人をお持ちで。」

「わたしは、12歳の今も、元気に育っている。」
とマーゴット。

「強くならないと、生きていけないよな。」
精神的にも、肉体的にも。


「次は私。」
とキャスリーヌ。

「私のとこは、商売を手掛けている。

値切れとか、
タダにしろ、とか。
高いオマケをつけろ。
粗悪品を持ち込んできて、粗悪品と交換しろ。
プレゼントにしたいから、ツケにしろ。
うちで売るから、タダで納品しろ。
もらってやるから、権利を寄越せ。

ありとあらゆる難癖をつけてくる連中と、戦って勝つ。」
とキャスリーヌ。

「商売か。逞しくないとなー。」
スラッルス・トークンは、思う。
キャスリーヌの言う、裏通りで絶命していたのって、どっち側なんだろうなー。

「うん。」
とキャスリーヌ。

首を突っ込んだら、知ってはいけないことを知ってしまう。
裏切りには、死、という概念の世界に、飛び込むのは12歳には早すぎる。
と、スラッルス・トークンは自重した。

「私のところも国境。小競り合いは、日常。呼ばれたら、行かないとね。」
とバネッサ。

バネッサの短い台詞に全てが詰まっていた。

スラッルス・トークンは、これ以上は、聞かないことにした。

スラッルス・トークンが想像した以上に、修羅の世界だった。

実戦経験があったから、3人とも、12歳まで生きているのか。


誰かの後ろで、守られて生きてきたわけではない、と3人は、遠回しに語ってくれたわけだ。

個人情報をおさえて、特定しにくくした上で。

頭が下がる。

そりゃ、自分の周囲にいる人間が戦えるかどうかは、重要なはずだ。
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