183 / 576
第6章 可動式魔法遺跡、クークード遺跡の見学ツアーに参加しよう。
182.マーゴット、キャスリーヌ、バネッサのお家の情報。
しおりを挟む
「わたしの家は、国境の領地。」
とマーゴット。
「国境を挟んだ向こう側から、友好的に話しかけてきたから、と、こちらも近づいて、話をしたとする。」
「おう。」
「話が盛り上がり、別れの挨拶をして、国境に背を向ける。」
「おう。」
「背中を向けた途端、背中から斬りつけられて、倒れたところを国境の向こう側に引きずりこまれる。」
「うえ?」
「国境を踏み越えてきたから、攻撃して拘束しているので、身柄の返却を求めるのであれば、と色々要求をつきつけてくる。」
「お、おう。」
「そんな隣人が1つ。」
「まだ、あるのか?」
「隣が裕福に暮らしているのは、自分達のお陰だから、恩恵を独り占めせずに、全部寄越せ、という粘着体質な隣人が、もう1つ。」
「あ。ああ。」
「うちには笑顔を振りまきながら、うちの悪口を広める隣人が、もう1つ。」
「選べないもんな。隣人は。」
「わたしの家は、この3つの国と国境を接している。」
「なかなかの隣人をお持ちで。」
「わたしは、12歳の今も、元気に育っている。」
とマーゴット。
「強くならないと、生きていけないよな。」
精神的にも、肉体的にも。
「次は私。」
とキャスリーヌ。
「私のとこは、商売を手掛けている。
値切れとか、
タダにしろ、とか。
高いオマケをつけろ。
粗悪品を持ち込んできて、粗悪品と交換しろ。
プレゼントにしたいから、ツケにしろ。
うちで売るから、タダで納品しろ。
もらってやるから、権利を寄越せ。
ありとあらゆる難癖をつけてくる連中と、戦って勝つ。」
とキャスリーヌ。
「商売か。逞しくないとなー。」
スラッルス・トークンは、思う。
キャスリーヌの言う、裏通りで絶命していたのって、どっち側なんだろうなー。
「うん。」
とキャスリーヌ。
首を突っ込んだら、知ってはいけないことを知ってしまう。
裏切りには、死、という概念の世界に、飛び込むのは12歳には早すぎる。
と、スラッルス・トークンは自重した。
「私のところも国境。小競り合いは、日常。呼ばれたら、行かないとね。」
とバネッサ。
バネッサの短い台詞に全てが詰まっていた。
スラッルス・トークンは、これ以上は、聞かないことにした。
スラッルス・トークンが想像した以上に、修羅の世界だった。
実戦経験があったから、3人とも、12歳まで生きているのか。
誰かの後ろで、守られて生きてきたわけではない、と3人は、遠回しに語ってくれたわけだ。
個人情報をおさえて、特定しにくくした上で。
頭が下がる。
そりゃ、自分の周囲にいる人間が戦えるかどうかは、重要なはずだ。
とマーゴット。
「国境を挟んだ向こう側から、友好的に話しかけてきたから、と、こちらも近づいて、話をしたとする。」
「おう。」
「話が盛り上がり、別れの挨拶をして、国境に背を向ける。」
「おう。」
「背中を向けた途端、背中から斬りつけられて、倒れたところを国境の向こう側に引きずりこまれる。」
「うえ?」
「国境を踏み越えてきたから、攻撃して拘束しているので、身柄の返却を求めるのであれば、と色々要求をつきつけてくる。」
「お、おう。」
「そんな隣人が1つ。」
「まだ、あるのか?」
「隣が裕福に暮らしているのは、自分達のお陰だから、恩恵を独り占めせずに、全部寄越せ、という粘着体質な隣人が、もう1つ。」
「あ。ああ。」
「うちには笑顔を振りまきながら、うちの悪口を広める隣人が、もう1つ。」
「選べないもんな。隣人は。」
「わたしの家は、この3つの国と国境を接している。」
「なかなかの隣人をお持ちで。」
「わたしは、12歳の今も、元気に育っている。」
とマーゴット。
「強くならないと、生きていけないよな。」
精神的にも、肉体的にも。
「次は私。」
とキャスリーヌ。
「私のとこは、商売を手掛けている。
値切れとか、
タダにしろ、とか。
高いオマケをつけろ。
粗悪品を持ち込んできて、粗悪品と交換しろ。
プレゼントにしたいから、ツケにしろ。
うちで売るから、タダで納品しろ。
もらってやるから、権利を寄越せ。
ありとあらゆる難癖をつけてくる連中と、戦って勝つ。」
とキャスリーヌ。
「商売か。逞しくないとなー。」
スラッルス・トークンは、思う。
キャスリーヌの言う、裏通りで絶命していたのって、どっち側なんだろうなー。
「うん。」
とキャスリーヌ。
首を突っ込んだら、知ってはいけないことを知ってしまう。
裏切りには、死、という概念の世界に、飛び込むのは12歳には早すぎる。
と、スラッルス・トークンは自重した。
「私のところも国境。小競り合いは、日常。呼ばれたら、行かないとね。」
とバネッサ。
バネッサの短い台詞に全てが詰まっていた。
スラッルス・トークンは、これ以上は、聞かないことにした。
スラッルス・トークンが想像した以上に、修羅の世界だった。
実戦経験があったから、3人とも、12歳まで生きているのか。
誰かの後ろで、守られて生きてきたわけではない、と3人は、遠回しに語ってくれたわけだ。
個人情報をおさえて、特定しにくくした上で。
頭が下がる。
そりゃ、自分の周囲にいる人間が戦えるかどうかは、重要なはずだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
103
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる