子爵令嬢マーゴットの学園無双。相棒ミノカサゴの助言、知恵、剣と魔法、権力、資金力を使って、側近兼友人のキャスリーヌと、快適な学生生活を。

第6章 可動式魔法遺跡、クークード遺跡の見学ツアーに参加しよう。

202.バネッサ・オッドア伯爵令嬢と転生貴族令嬢レベッカ・ショア。待ち伏せ？

バネッサとレベッカ・ショアは、楽しく遊んでいた。

レベッカ・ショアは、前世の意識が騒いでいることにも慣れた。

バネッサは、初めての遊具にキラキラと美少女度をアップさせて、笑顔が眩しい。

2人は、全部制覇しようという野望を胸に、最短距離で移動している。

バネッサが、魔法の指導をしている関係で、バネッサとレベッカ・ショアは、阿吽の呼吸で、動くことができる。

2人は、魔法ですいすい移動していた。

バネッサが、レベッカ・ショアを止めて、自身も止まった。

待ち構えられている気配がする。

バネッサは、レベッカ・ショアをつかんで、合図。

2人は、待ち構えられている方に顔を向けたまま、後退し始めた。

背中を向けて逃げないのは、背中から斬られるのを避けるため。

12歳にして、戦いの現場にいたバネッサには、肌で感じる。

バネッサと、レベッカ・ショアの行き先で、待ち伏せして、狙いを定めているやつがいる。

待ち伏せしている方が、準備段階を含めて、優位に立っている。

いずれ追いつかれるにしても、敵が準備を整えて待ち構えていた場所から、遠ければ遠いほど、後手に回っているバネッサ達に勝機がある。

レベッカ・ショアは、世の中には、魔法があるけれど自分には縁がないと諦めていただけに、魔力があるから、魔法が使えるようになると分かったときは、小躍りしていた。

バネッサとバネッサの侍女のトゥーミラの指導は、淑女教育と侍女見習いの仕事に加えて、魔法の練習も行ってきた。

魔法遺跡、クークード遺跡で問題なく、行動できるように。

レベッカ・ショアには、魔法は無縁なもの、という考えがしみついている。

魔法を使える自分自身の姿を想像することがレベッカ・ショアには難しいため、魔法を使うことを意識しないと、発動できない。

魔力があると分かると、幼い子どものうちに、魔力と魔法について学ぶものだ。

レベッカ・ショアは、
ニンデリー王立学園で、
『この世界の成り立ち』の授業を受け、魔法遺跡、クークード遺跡の見学ツアーに申し込むために、
魔力検査をした。

その日、初めて、自身の魔力を自覚したレベッカ・ショア。

魔力を自覚してから、バネッサとトゥーミラに魔法を教えてもらうようになったレベッカ・ショア。

レベッカ・ショアは、魔法を使えるのが嬉しい、と、自主練を欠かさない。

レベッカ・ショアは、淑女教育よりも、魔法の練習が好きなようだ。

バネッサも熱心な生徒レベッカ・ショアに教えるため、復習、予習の他に、体を動かす時間を増やした。


敵から、顔をそらさず、後ろ向きで距離をとっていく。
レベッカ・ショアが、バネッサの動きについて来れたのは、バネッサとの練習の成果。

最初のスタートも、良かった。

後は。
レベッカ・ショアが、今動けているのは、冷静ではないから。

自身で、色々考える前だから、訓練の甲斐あって、体がバネッサに従い、バネッサと2人、逃げ続けることが出来ている。

ただ、これは、ビギナーズラックのようなもの。

レベッカ・ショアが、だんだんと、正気づいてくると、状況の認識ができるようになってくるはず。

状況の不穏さを認識し、この状況の危険性を理解したら、恐怖で立ちすくむことになる。

レベッカ・ショアには実戦経験がない。

そうなる前に。
勝利を勝ち取る。

難しいなら、
敵の待ち構えている場所から、できるだけ離れた場所まで、移動したい。

可能なら、バネッサの戦いやすい場所まで、敵を誘導してしまいたい。