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第7章 使用人を帯同しない女子寮の秘密

285.シグル・ドレマン。使用人を帯同しない貴族の女子寮への往診に行っている。その仕事を引き受けたのは理由は?

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準備もなく、いきなり本丸を攻撃しても、討たれる。

『魔法の深化』とヒイロ・ゼーゼ教授の研究室にいたシグル・ドレマンが、王太子の不興が原因で追い出されたという推測は、頭の中に保存しておく。

目下。
解明したい一番の謎は、
使用人を帯同しない貴族の女子寮について。

「ニンデリー王立学園の使用人を帯同しない貴族の女子寮の実態は?」
とマーゴット。

「昔は、本当に、その名の通りだった。
今は、命の安全を保証する場所だ。」
とシグル・ドレマン。

「往診に行っているのは、女子学生の健康管理?」
とキャスリーヌ。

「公的な記録が残る医者は入れないんだ。」
とシグル・ドレマン。

「何をしているの?」
とバネッサ。

「何をしているかは、知らない。
女子寮の中のことを、女子寮にいる女子学生は、1人も話さない。
俺が入る場所では、何も起きていない。」
とシグル・ドレマン。

「往診の仕事は、いつから?どういう経緯で?」
とマーゴット。

「王立学園の研究室に行かなくなって、時間が出来たときに、ドレマンの分家から。」
とシグル・ドレマン。

「なんと言って?」
とマーゴット。

「秘密厳守。」
とシグル・ドレマン。

「分家からの紹介で、支払いも良かったですから。

分家との入れ替えで、急遽、入り用なものが増えまして。

定期的に高額な収入が約束された仕事は、助かりました。」
とキリル。

王太子の関与は、不明。

分家は、本家のシグル・ドレマンに、公にできない仕事を堂々と紹介してきた。

シグル・ドレマンが、経済事情から、高額な報酬の仕事を断らないと知っていただろう。

秘密厳守の場所に、シグル・ドレマンが、定期的に出入りしてきたことが分かれば、何かのタイミングで、疑惑をつけて、逮捕できるのでは?



シグル・ドレマンの警戒心のなさには、マーゴットは、驚くばかり。

鷹揚さと言い換えるには、無理がある、他者への無条件の信頼。


貴族失格の言動の数々。


シグル・ドレマンは、最初から、今のような人物だったのか?

側近以外にも、支えたいと考えて、シグル・ドレマンのまわりには、人が集まった。

貴族として生まれていながら、シグル・ドレマンの言動は、環境が許すレベルなのだろうか?


シグル・ドレマン。
いつから、今のような言動をするようになった?

まさか、生まれてから、ずっと?

シグル・ドレマンについては、慎重に様子を見て、対応を決めよう。


「女子寮では、ナンシー・ボーンを診察した?」
とマーゴット。
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