子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

かざみはら まなか

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第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

509.ベリーベリー・イニー。いつか来る別れは、いつも突然。覚悟していても、辛いものは辛い。未来への希望があるから、別れから前に進める。

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研究者の青年『カレンジ』は、『カレンジ』という名前でニンデリー王国を出発することになった。

研究者の青年は、新しい上司のキャスリーヌにお伺いをたてている。

「研究室に残してきた荷物があるんだけど、取りに行けない?」
と研究者の青年。

「命と引き換えにして取り戻すというなら、これっきりになるよ。」
とキャスリーヌ。

「着の身着のまま逃げ出さないと、ダメな感じ?」
とビクつく研究者の青年。

「後ろを振り返らず、前に進まないと、足を止めたら、底なし沼が追いつくよ。」
とキャスリーヌ。

「こっわ。置いてきたものは、諦める。」
と研究者の青年。

思い入れはあるけれど、たった一つの命には代えられない。

命があるから、あれもこれもと手を伸ばしたくなったけれど、命の保証があってこそ。

「『カレンジ』は捕まったら、拷問にかけられて、身に覚えがない罪が増えて、処刑前には虫の息になっていることを見越して動くように。」
とキャスリーヌからのアドバイス。

「ここが、異世界なんだと一番実感するアドバイスだった。」
と研究者の青年。

研究者の青年は、シグル・ドレマンの組織と、ベリーベリー・イニーの両親と出国後、キャスリーヌの手配で潜伏しながら、常識を覚えて新しい仕事を始めることになっている。

「異世界転生した結果が、マネーロンダリングならぬ、人生ロンダリングすることになるとは、思わなかった。」
と研究者の青年は、しみじみ。

シグル・ドレマンとその組織の全員、ベリーベリー・イニーの両親は、マーゴットの伝手を使い、ニンデリー王国を出国後、マーゴットが、ニンデリー王立学園を卒業するまでは、ニンデリー王国に戻らない。

ベリーベリー・イニーは、父親がマーゴットに仕えるという選択をしたために、マーゴットの手配する家に住む手筈になっている。

ベリーベリー・イニーが家族と住んでいた家は、不特定多数に家の中を荒らされて、内部構造まで、周知されている。

たまに、誰かと様子を見に来る分にはいいが、継続的に住むのは危険だと、父親が、ベリーベリー・イニーを説得した。

ベリーベリー・イニーは、ニンデリー王国を出入りできるが、両親の安全を重視すると、しばらくは会いに行けない。

ベリーベリー・イニーは、出発前の父親と話し込んでいた。

話したいことがありすぎる。

でも、今は、両親がニンデリー王国から脱出するのが最優先。

別れが寂しくて泣いても泣いても、涙が止まらないベリーベリー・イニーは、父親に言う。

「絶対に会いに行くから。絶対に諦めないで、2人で待っていてほしい。」
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