子爵令嬢マーゴットの学園無双。相棒ミノカサゴの助言、知恵、剣と魔法、権力、資金力を使って、側近兼友人のキャスリーヌと、快適な学生生活を。

第8章 魔法使いのいる世界で、魔力を持たないまま生きていく君へ。

518.尾ビレを人間にくっつけるには、どうする？水陸両用がいいよね？勝手に逃げたしたりしないように工夫がいるよね？

マーゴットは、魚っぽく見せるといっても、具体的に考えていたわけではない。

レベッカ・ショアの考えを聞いてみたい、とマーゴットは思った。

マーゴットの考えつかない提案をしてくれそう。

「尾ビレは、どこにつける？」
とマーゴット。

レベッカ・ショアは、マーゴットが乗り気になって質問したので、真剣に考え出した。

「ジュゴン先生の生け簀は近くにないから、生け簀まで移動するよね。

となると、履かせるのは、水陸両用の靴で、陸の移動ができて、陸にいても逃げ出せない靴を履かせるのがいいと思うの。」
とレベッカ・ショア。

レベッカ・ショアの構想は、漠然としていない。

「イメージは、出来ている？」
とマーゴット。

「尾ビレ状の靴を足にくっついて脱げないようにするのはどうかな？」
とレベッカ・ショア。

マーゴットは、想像してみた。

部分的に魚化するには、足をヒレっぽくする。

採用して、実際にどうなるか見てみたい、とマーゴットは思った。

「いい案。
人は、歩かなくても、魔法を使うことはできる。」
とマーゴットは、懸念点を追加する。

あ、そっか、とレベッカ・ショア。

「連中が魔法を使って逃げ出したり、わたし達に危害を加えたりしないように、ヒレ足の靴に工夫を加えておくこと。

効果を追加したり、後でジュゴン先生の要望を受けて変更する可能性を考えて、絶対変更しない基礎と、それ以外を区別して魔法を使う。」
とマーゴット。

「いつでも自由自在に魔法を追加できたら、いったん全部ゼロにする必要がないね。ありがとう。」
とすっきりした顔のレベッカ・ショア。

「魔法で効果を追加する人は、限定して、誰でも追加できる仕様にはしないように。

誰でも使えるようにすると、敵に利用される。」
とマーゴットから、レベッカ・ショアへのアドバイス。

策略や戦いを経験したレベッカ・ショアは、この世は、綺麗事で回っていないことを知っている。

何をしていても、何もしていなくても、勝手に標的にされることがある。

レベッカ・ショアは、マーゴットのアドバイスを聞き入れながら、どんな魔法にするか考え始めた。

「わたしが、使わないものを片付けるタイミングで、実行に移しなさい。

混乱がちょうどよいカムフラージュになり、全てが終わるまで、何が起きたか理解することはない。」
とマーゴット。