正義が勝たないデスゲームから脱出しよう。【R15】

かざみはら まなか

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183.如月ハコの最期は、ご祝儀相場だった?飛び交う賞賛コメント、ハコ史上最高額の投げ銭は、地階の部屋、溜まっていく水による溺死から。

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メグたんが逃げるのを止めた。

メグたんは、逃げるのを止めて、振り返る。

花が開くような笑顔を浮かべて、振り返ったメグたんは、何かを探すように、視線を動かしていく。

メグたんの視線は、周囲をさまよった後、木の後ろからメグたんを見ていた俺に固定された。

『見て。決して目をそらさないで。』

メグたんの口がパクパクと動いた。

俺は、メグたんに探され、メッセージを受け取ってしまった。

「時間の問題とはいえ、メグに見つかったです。

メグは、イキイキしているです。」
と北白川サナ。

「俺達がいると、どうして気づいたのか。」

「声が聞こえたです。メグは、声の主を探していたです。」
と北白川サナ。

「俺の声が、メグたんに聞こえたから。」

俺は、愕然とした。

俺の欲望だけで行動した結果が、ラキちゃんの寿命を縮めることになるとは、思わなかった。

俺は、北白川サナに確認する。

「北白川サナが、高台にいるメグたんとラキちゃんに近寄ろうとしなかったのは。

メグたんが、ラキちゃんを殺すまでの時間を引き延ばすためか?」

「今さら、何を言っても、詮無いことです。」
と北白川サナ。

イエスともノーとも言わない北白川サナの返事は、取り繕われないだけに、雄弁だった。

「メグを止める手立てはないです。
ラキからメグに近づいたです。
ハコと同じパターンです。」
と北白川サナ。

俺は、俺の思うままにしたことが、何を引き寄せたのか、を悟った。

「北白川サナの言うハコは、ラキちゃんの先輩で、野村レオと同じ元刑事の、如月ハコか?」

「同じです。
ハコは、さっきの二人組に煽られて疑心暗鬼にかられ、不安を増大させていったです。」
と北白川サナ。

「ハコさんが、メグたんに突っかかっていった、と女二人は話していた。

ハコさん自身が、メグたんに思うところがあったから、ではないのか。

女二人が、ハコさんが奇特さで孤立するように糸を引いていたのか。」

「あの二人を、初心者が見抜くのは、不可です。」
と北白川サナ。

「親切だと思って信用していたら、ということか。」

「親切心も持ち合わせているです。
同時に、暇を厭う性質が強く出るです。

ハコ自身の覚悟のなさは、二人が楽しむのにちょうど良かったです。」
と北白川サナ。

「親切心に嘘はないから、見抜けない、か。」

「あの二人は、娯楽を何よりも必要としている自分自身が飽きないために、工夫をこらしているです。」
と北白川サナ。

「俺は、観客になるから、善意で秘密を教わったのか。
女二人出し抜いたと思っていた。

女二人は、いい気になっている俺を掌で転がしていたのか。」

「否定はしないです。」
と北白川サナ。

「ハコさんは、女二人に酷評されていたが、北白川サナから見た場合、どんな人物像になる?」

「正義が勝たないデスゲームで刑事が必要になるはずがないのに、刑事であろうと振る舞っていたです。」
と北白川サナ。

刑事役と正義が勝たないデスゲームとの相性は、悪いだろう。

「ハコさんは、正義が勝たないデスゲームの配信の評価を下げたと、女二人は話していたが。

ハコさんの最期は、どうなった?」

「ハコが正義が勝たないデスゲームに参加して以来の不評を覆す高評価です。」
と北白川サナ。

「死に方が、か?」

「ハコの妨害により鬱憤がたまっていた視聴者を大満足させる死に方です。

ハコ史上初の投げ銭の多さに、ご祝儀相場とまで言われました。」
と北白川サナ。

「ご祝儀相場となるような死に方。
ハコさんは、どんな死に方をしたのか?」

「水死です。」
と北白川サナ。

水がない部屋にいて、水死の話か。

「プールか?」

俺は、深く考えずに尋ねていた。

「ハコは、地階にある部屋の一室に隠れたです。

部屋の中に水が溜まって、溺れ死んだです。」
と北白川サナ。

地階の部屋。

溜まっていく水。

溺れ死んだ女。

俺は、その場面を思い出す。

俺が、初めて、実際に人が死んでいるのではないか、と確信し、コメントを入力する周りとの温度差に違和感を覚えたデスゲーム。

俺は、溺死した女の外見を北白川サナに伝えた。

「如月ハコと一致しているです。」
と北白川サナ。

今、コメントを思い返しても、死に方を絶賛するコメントが大量に飛び交っていたことを思い出せる。

俺の脳裏に、大量コメントとともに、ハコさんの最期が浮かび上がる。

吐き気がしてきた。

今は、過去の記憶に引きずられて吐いている場合ではない。

急いで、頭の中身を切り替える必要がある。

だが、一度蘇った映像は、強烈であればあるほど、消えていかない。

北白川サナは、俺と話しながら、平静を守っていた。

「北白川サナは、ハコさんの最期を見ていたのか?」

「見ていたです。ラキも。」
と北白川サナ。

「一緒にか?」 

「別々です。
ラキは、ハコの交代要員だから、ハコが死んだら、ラキが参加することは決まっていたです。

ラキは、ハコが参加してからの正義が勝たないデスゲームのうち、ハコが参加しているデスゲームは全て、視聴していたです。

ラキが、ハコの死を確認して納得し、ラキ自身が正義が勝たないデスゲーム内ですることを間違わせないために、学習させたです。」
と北白川サナ。
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