正義が勝たないデスゲームから脱出しよう。【R15】

かざみはら まなか

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250.ツカサに執着するキノに強く出られないツカサの事務所。ツカサの舞台を観た人の一人が、ツカサを贔屓にしたおかげで。

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「盗撮や隠しカメラは、序の口だったわね、キノ。

キノは、SNSに延々とツカサとの匂わせをあげていた。」
とドッジボールの女リーダー。

「匂わせではなく、事実よ。」
とキノ。

「匂わせを見て喜ぶ人などいるか?」

「匂わせをする需要は、匂わせたい側にあるわ。」
とドッジボールの女リーダー。

俺もドッジボールの女リーダーも、キノの発言は流している。

「匂わせることに利益があるから、匂わせたのか。」

キノの行動原理は、分かった。

俺は、キノに好かれなくて良かった。

「キノとキノの事務所は、舞台を通じてツカサとは仲が良くなりました、とコメントしていて。

ツカサとツカサの事務所は、良い舞台を作り上げるための共演者です、とコメントしていたと記憶しているわ。」
とドッジボールの女リーダー。

「事実がどうであろうと、舞台の最中に、不仲を言い立てることはないか。」

「私とツカサは、一緒に舞台を成功させたわ。」
とキノ。

今の台詞のようなメッセージを添えて、SNSにツカサの盗撮写真をあげていたのか?

ツカサのファンは、匂わせに苛立つだろう。

キノに匂わせを止めさせられないツカサにも、矛先は向かったはず。

「ツカサの事務所と舞台のスタッフでは、キノとキノの事務所は抑えられなかった。

幸運なことに、ツカサに転機が訪れた。

興行中に、ツカサを贔屓したいという人が現れて、キノに芸能界からの引退を決めさせた。」
とドッジボールの女リーダー。

「ツカサの太客と言われている人物と同一人物か?」

「さあ?

舞台の最終公演で、キノとキノの事務所は、結婚による引退を匂わせたものの、その舞台の最終公演をもって、キノは引退している。」
とドッジボールの女リーダー。

力の強さが如実に現れた結果となったか。

「ツカサがキノに強く出られなかったのは、事務所の力の大小のせいか。」

「他にも、色々とね?」
とドッジボールの女リーダー。

「キノは、女優を引退してもなお、ツカサを追いかけていたのか?」

拒まれても追い続ける執念はどこから、湧いてくるのか。

「キノとキノの事務所は、ツカサとの匂わせから結婚まで持ち込むつもりでいたわ。」
とドッジボールの女リーダー。

「人聞きの悪いことを言わないで。」
とキノ。

「結婚は、一人ではできないが?」

「キノは、ツカサの外堀から埋めていった。

キノとキノの事務所は、舞台俳優と結婚したキノというていでブレイクさせようと計画していた。」
とドッジボールの女リーダー。

「私に下心があるような言いがかりはやめて。」
とキノ。

「炎上ではなく、ブレイクか?」

「炎上するほど話題になれば、キノを売り込むきっかけになるわ。

キノ単体では、話題にのぼらなかったから。」
とドッジボールの女リーダー。

「炎上していいのか?」

タケハヤプロジェクトの学生は、炎上に苦悩したのに、芸能人はいいのか?

「芸能界で生き残るためには、顔と名前を覚えてもらわないと。」
とドッジボールの女リーダー。

「炎上してもか?」

「無名なままでは、生き残れない。

スキャンダルと匂わせは、名前を記憶に残すわ。

幸せなトピックよりも、攻撃を受けそうなトピックの方が拡散が早い。」
とドッジボールの女リーダー。

「売名行為か。
キノは、よほど売れていなかったのか?」

「キノの事務所は、キノを売り込んだけれど、どの層の支持もキノは集められなかった。

テレビ、ラジオ、舞台。

キノの事務所は、キノをあちこちのメディアに押し込んだわ。

どのメディアでも、キノは伸びなかった。」
とドッジボールの女リーダー。

「失礼よ!」
とキノ。

「伸びなかったのは、演技力か?

母親気取りを指摘すると、母親というとしではない、と言い張ったが、母親でなければ何を演じていたのか。」

「キノの振る舞いは、母親気取りではなく、彼女気取り。

思い込みで行動しているだけ。

演技力と頭脳は、見ての通り。」
とドッジボールの女リーダー。

「あんた達は、ツカサに相手にされていないくせに。」
とキノ。

ドッジボールの女リーダーも、俺も、ツカサに相手にされていないことは、ない。

ツカサは、何も言わないが、俺とドッジボールの女リーダーの話を聞いている。

「売り込んだが、伸びなかったというのは、集客力か?」

「金剛ショウタは、キノが舞台に立ったら観に行きたい?」
とドッジボールの女リーダー。

ドッジボールの女リーダーは、直球で聞いてきた。

「いや。金を払ってまでは観に行かない。

なるほど。

キノを観るためにチケットを買って観に来る客の見込みがたたなかったのか。」

「ちょっと!」
とキノ。

「演技力については、舞台に出してもいい。

誰かの代わりになら出してもいい。

それが、キノの評価。」
とドッジボールの女リーダー。

キノは、口汚く罵っているが、聞き流す。

「キノを売り込んでも、キノでは仕事が取れないのか。」

「キノという女優は、団体に混ざっている分には気にならないけど、単体では金を払って舞台を見る価値がない。」
とドッジボールの女リーダー。

キノという女優を売り込むということは、キノ本人に値札がついている状態か。

「俺に好かれない人という言葉を投げてきたのは、キノ自身の評価が、好かれない女優だったからか。」

「キノを引退に持ち込んだ、ツカサを贔屓にする一人の好事家は、キノがツカサに近づけないように手を回していたわ。」
とドッジボールの女リーダー。

「贔屓にしている舞台俳優を守るために、金と人を使える人が、ツカサのバックについたなら。

ツカサも、ツカサの事務所も安心しただろう。

それでも、事件が起きたのか?」

「事件が起きた日。

キノは、周りを巻き込んで、騒ぎを大きくしながら、ツカサに近づいた。

その日、ツカサのファンがツカサを追いかけていたのは、偶然。」
とドッジボールの女リーダー。

「キノは、ツカサを恨んでいたのか?」

「私がツカサを恨むわけない!」
とキノ。

「ツカサに近づけなくされたキノは、ツカサを諦めなかった。

ツカサがキノに頭が上がらなくなる計画を実行した。」
とドッジボールの女リーダー。

「キノは、手の届かない場所にいるツカサを、手の届く場所まで引きずりおろすことにしたのか?」

それは、つまり。

「偶然現れたツカサのファンを利用したキノは、ツカサが、キノから逃げられない状況を作り出そうとした。

SNSに拡散するというやり方で。」
とドッジボールの女リーダー。
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