正義が勝たないデスゲームから脱出しよう。【R15】

かざみはら まなか

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256.事務所を退社したキノが、支援団体と関係を持ちたくない所属タレントについて詳しい理由。『ツカサと私のために』とキノが話すキノの根拠。

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キノは、ドッジボールの女リーダーに負けず劣らずよく喋った。

「キノ自身が事務所を退社した後に、辞めた人の話をよく知っているのは、キノの交友関係が広かったからか?」

キノは、フンと鼻を鳴らした。

「私が先に事務所を辞めていたから、辞めようかと考えたときに、ふと思い出して、私の話を聞きにくる人が多かっただけ。

私に話を聞きに来た全員、一秒だって、私と仲良かったことなどなかったから。

元同じ事務所のよしみで、辞めた後の話を聞かせてほしいとやってきたけど、全員それっきり。

だいたい、私と仲が良かったら、私が事務所を辞めなくてもいいように努力している。」
とキノ。

キノが険悪だったのは、同じ事務所の大型新人だけではなかったようだ。

「キノが、事務所を辞めた人や辞めたがった人について、よく知っているのは、それが、キノの仕事だったから。」
とドッジボールの女リーダー。

「事務所が、仕事としてキノに依頼していたのか?

事務所を辞めないようにと慰留する仕事をキノに依頼していたのか?」

事務所が、事務所を辞めたキノに仕事を回すか?

「まさか。事務所は、私の連絡先を回しただけ。」
とキノ。

「辞めたがったタレントに、すんなり辞める決断をさせるためか?」

キノの事務所に、何のメリットがあるのかを考える。

キノを使って婉曲的に肩叩きをしたのか?

それとも。

引退することになったキノを現状を見せることで。

事務所が、というより、支援団体が、事務所を支配する支援団体に反発したら、キノのような未来が待っているとチラつかせて、言うことを聞けと脅したのか?

「事務所ではなく、支援団体。

キノは、事務所を辞めても支援団体との縁を切れなかった。」
とドッジボールの女リーダー。

「支援団体からの仕事を、キノが直接請け負っていたのか?

事務所は、間に入っていないのか?」

「引退して事務所を辞めるのだから、事務所は間に入らない。

事務所は、私を助けなかった。」
と悔しそうなキノ。

事務所とキノの間は、こじれたのか。

「キノは、台本通りに演じなかった契約不履行を追及され、支援団体から違約金を請求されていたわ。」
とドッジボールの女リーダー。

「契約不履行というのは、キノがツカサとの匂わせをしたときか?

それとも、ツカサとツカサのファンに突撃したときか?」

「匂わせ。」
とドッジボールの女リーダー。

「事務所は、抱えていたタレントの失敗の尻拭いをするものだと思っていたが、違ったのか?」

スキャンダルが出ないように働きかけたりはしても。

所属タレントの仕事上のトラブル解決に奔走したりはしないのか?

タレントの管理責任全般が事務所の仕事ではないのか。

「キノに関しては。

引退で話をまとめて、事務所はキノとの公の関係を絶った。

支援団体への違約金の支払いと相殺する条件で、キノは、支援団体の依頼を請け負ったわ。」
とドッジボールの女リーダー。

合点がいった。

「キノは踏み絵だったのか。

事務所を辞めたキノに、事務所を辞めたがっている人を相談に行かせることで、事務所内の支援団体に従わない人をあぶり出したのか。」

キノもキノの事務所も、キノに相談にきたタレントも、支援団体の掌の上で踊らされているのではないか?

「あぶり出された人の情報は、支援団体が回収したわ。」
とドッジボールの女リーダー。

「支援団体の仕事を引き受けていたキノは。

ツカサに醜聞で謹慎だか引退だかをさせろという支援団体の依頼を再度引き受けたのか?」

「成功したら、私とツカサを結婚させてやる、と。

私を女優に戻してやる、と聞いていた。

私の役は、おさえてある。

その役が私に決まるかどうかは、私次第だと言われた。」
とキノ。

「キノは、ツカサをヒモにしたかったのか?」

好きな男が支援団体に狙われていると知ったときに。

好きな男に天職の仕事をやめさせ、結婚という形で、好きな男を手に入れて養おうという発想になるのか?

「違う。
私は役者のツカサが好きだから、ツカサには、役者でいてほしかった。

でも。
支援団体に目をつけられたツカサは、役者ができなくなると思った。

だから、私がツカサを養おうと。

私がツカサを養うためには、私が女優として復帰するのが一番いい。」
とキノ。

ツカサの利点がまるでないキノの発想。

キノ以外に、キノの発想を褒めるやつはいるのだろうか?

「私は、ツカサと私のために、支援団体の仕事を請けたと言ったでしょ?

こういう裏事情があったから。」
と得意げなキノ。

「ツカサと共演していたときに、キノがツカサに教えていれば、ツカサとツカサの事務所は、対策できたのではないか?

キノが頑張る必要はなかったのではないか?」
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