正義が勝たないデスゲームから脱出しよう。【R15】

かざみはら まなか

文字の大きさ
257 / 520

257.キノの行動理由は、ブレない。ツカサがツカサのファンを殺したという話の実際のところは?

しおりを挟む
機嫌よく話していたキノは、俺が疑問を呈すると不機嫌になった。

「金剛ショウタは、まだ、キノを理解していない。」
とドッジボールの女リーダー。

理解か。

キノの動機を考えても。

キノの思考が、俺の思考と重ならない以上、俺の思考だけでは、結論を出せないか。

それにしても。

「ツカサが支援団体に狙われている、という情報をツカサがつかんでいれば、ツカサの事務所も、ツカサを守るために動きようがあったのではないか?」

ツカサに何も伝えなかったキノの行動は、理解に苦しむ。

「キノがツカサに伝えて、ツカサの事務所が動くことで。

キノに何の利点があるか、考えた?」
とドッジボールの女リーダー。

キノの利点?

言うまでもなく。

「好きな男を助けられるが?」

「誰が、ツカサを助ける?」
とドッジボールの女リーダー。

「誰が、か。」

キノから情報を得た後、ツカサはどうするかを考えてみる。

「困った状態に陥っているツカサを助けるのは、誰になるかを考えてみたらいいわ?」
とドッジボールの女リーダー。

「ツカサの事務所と、事務所の伝手で探した誰か、になるのではないか?

助けられるかどうか、は別にして。

ツカサの事務所は、ツカサを助けようと動くのではないか?」

「助けられるかどうか、というと。

既に目をつけられた時点で、可能性は低い。

ツカサを助けられるかどうかで考えると、キノの行動を説明できないわ。」
とドッジボールの女リーダー。

「ツカサを助けたいというのは、キノの動機にはならないのか?」

俺は、ドッジボールの女リーダーの伝えたいことが分からずに、困惑した。

「ツカサを助けたいことがキノの行動理由にならないなら、キノの行動理由そのものがなくなるのではないか?」

ドッジボールの女リーダーは、俺が困惑している様を涼しい顔で見ている。

「ツカサに危機を知らせることのどこに、キノにとって利点があると言える?」
とドッジボールの女リーダー。

キノが、ツカサに危機を知らせたことによって、キノにもたらされる利点の有無を考えるのか。

「ツカサが助かる見込みがないなら、キノは、裏切り者として消されるか。」

キノに利点はない。

「消されもするけれど、論点は、そこではないわ。」
とドッジボールの女リーダー。

違うのか?

俺は、時系列で考えてみた。

「キノから情報を聞いたツカサが、ツカサの事務所に相談して対応した場合。

キノが介入できる余地がない。

キノ自身が、ツカサを直接助けなければ。

キノは、ツカサを手に入れられない、か。」

キノの動機は、判明した。

好きな男を自分だけのものにしたい、がキノの動機だ。

次の疑問を片付けるか。

「ツカサがツカサのファンを殺したという話の、実際のところはどうか?」

「ツカサに近づいてきたツカサのファンは、キノの登場に逆上したりはしなかった。

ツカサに聞いているんだから、とキノを追い払おうとした。」
とドッジボールの女リーダー。

「キノが、一人でツカサに会いにきたわけではなかったことは覚えている?」
とドッジボールの女リーダー。

「拡散する目撃者になるように何人も連れ歩いていた、という話か?」

「ツカサのファンとキノが揉め始めたとき。

キノが連れ歩いていた目撃者候補達は、ツカサのファンとキノとツカサの三人の周りに集まってきたかと思うと、一瞬でツカサとツカサのファンを取り囲んだ。

全員が、ツカサ、ツカサと連呼しながら。」
とドッジボールの女リーダー。

俺は、ドッジボールの女リーダーが話す情景を想像してみた。

「集団の関係性を見せつけてしまった後に、目撃者だと主張しても、目撃者としての信憑性は薄れないか?」

「目撃者だと主張する場所によるわ。

あらかじめ用意された目撃者は、どこで主張することになると思う?」
とドッジボールの女リーダー。

「事件現場ではないのか?

SNSにあげるための目撃者ではないのか?」

「SNSにあげるのは、誰が頼まなくてもキノが勝手にする。」
とドッジボールの女リーダー。

それも、そうか。

「頼まなくても、とは何よ!」
とキノ。

情報の拡散が目的ではないのなら。

支援団体は、何のために目撃者を用意していた?

ツカサを嵌め、ツカサの事務所の力を削ぐためというのなら。

いつ、どこで、どのように、支援団体は、目撃者を使おうとしていたのか?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...