正義が勝たないデスゲームから脱出しよう。【R15】

かざみはら まなか

文字の大きさ
291 / 520

291.なぜ、カガネは、知りすぎているくらい知っている?

しおりを挟む
「正義が勝たないデスゲーム運営であるAIの決定を覆して、正義が勝たないデスゲームを脱出するには。

正義が勝たないデスゲームの運営であるAIに決定を覆させる機会を作る必要がある。

どうやって機会を作るか、だが。」

俺は、何も思いつかない。

ただ、ふと、思った疑問をカガネにぶつけてみた。

「カガネは、正義が勝たないデスゲームにまつわる全てについて、知りすぎていないか?」

今のカガネは、答えをはぐらかさないような気がする。

「私は、中も外も見てきたから。」
とカガネ。

それは、そうだが。

「それだけか?

俺が一番ひっかかりをおぼえているのは。

正義が勝たないデスゲーム運営であるAIが学習した内容を、カガネが把握していたことだ。

人間関係を把握するのは、不可能ではないが、完全に独立しているAIの学習内容を把握する機会は、どう作る?」

「そう、それで?どうしたと思う?」
カガネは、促しはしても、答えを教えようとはしなかった。

「正義が勝たないデスゲームの運営であるAIが、カガネに伝えてきたからではないのか?

カガネが、正義が勝たないデスゲームの運営であるAIが、何を学習したかを知っていたのは、知らされていたからではないのか?」

「続けて?」
とカガネ。

「ツカサとメグたんは、正義が勝たないデスゲームの中で、役割を果たしていた。

ツカサは、ゲームメーカーとして参加者を動かし、デスゲームが単調な殺し合いにならないようにしていた。

デスゲームに、物語性を作るなどして、起伏をつけ、視聴者を飽きさせない。

デスゲームの参加者として、デスゲームに緩急をつけ、視聴者が興味を持つゲーム運びをする。

ツカサの役割は、これだ。」

「金剛ショウタは、観察することが嫌いではない?」
とカガネ。

「正義が勝たないデスゲームの参加者というわけの分からないことをやることになったのだから、生き延びるために観察は必須だ。」

「金剛ショウタが悲劇のヒロインになって、第三者の助けを待つだけだったら。」
とカガネは突拍子もないことを言い出した。

「ヒロインは、女がなるものではないのか?」

「女も男も、助けてもらえないと自分は生きていけないという思考をするなら、悲劇のヒロイン。」
とカガネ。

「悲劇のヒロインがいるなら、悲劇のヒーローもいるのか?」

「悲劇のヒーローの場合。

ヒーロー本人は、無事に生き延びる。

周りは、ヒーロー本人の悲劇成分として、不幸になる。

ヒーローは、周りが不幸になった分だけ、強くなる。」
とカガネ。

カガネの分析を聞いていくうちに、俺は、俺の周りがどうなっていったを考えていた。

「俺は、悲劇のヒーロー型か?」

「金剛ショウタは、悲劇のヒロインでも、悲劇のヒーローでもなかった。」
とカガネ。

「だが。俺の周りは。

唯一の友達だった佐竹ハヤトも。

旧知の間柄であったモエカも。

正義が勝たないデスゲームに参加して、新しく知り合い、話すようになった誰も彼も。

全員、死ぬことが決定づけられている。」

俺の置かれた状況は、悲劇のヒーローに当てはまらないか?

「生きているなら、人は、死ぬ。

いつ、どこで、どんな風に死ぬか。

正義が勝たないデスゲームに参加していれば。

いつ、は確定していなくても。

どこで、と、どんな風に、は簡単。

正義が勝たないデスゲームの中で。

殺し合いに負けて、死ぬ。

今までで、訂正するところは、ある?」
とカガネ。

「ない。」

「正義が勝たないデスゲームに参加している参加者同士の出会いに、未来を期待したら、その時点で死期が早まる。

殺し合いのために、参加している者同士で語り合う未来があるとしたら、何がある?」
とカガネ。

「共同戦線をはる、くらいか。」

「共同戦線なんて、いつ、どちらが裏切るかも分からないものを本気にした時点で、次のデスゲームで死んでいるわ。」
とカガネ。

「俺の周りが死んでいくのは、俺が悲劇のヒーローだからではなく、正義が勝たないデスゲームという、人が死ぬ場所に俺がいるからか。」

「己を悲劇のヒーローかもしれないという発想こそが、悲劇のヒロイン。

金剛ショウタは、悲劇のヒーローにならなかったのに、悲劇のヒロインにまで落ちぶれるところだったわ。」
とカガネ。

「悲劇のヒロインは、堕とされるものではないのか?」

「悲劇のヒロインは、人を使役するタイプ。

使役する人がいなければ、出番がない。」
とカガネ。

「正義が勝たないデスゲームに参加していながら、出番がなければ、投げ銭がとばないから、金を稼げなくて死期が早まる、か。」

正義が勝たないデスゲームのシステム上、正義が勝たないデスゲームの中で生きていても、投げ銭がとばない場合。

参加者にかかった費用を回収するため、投げ銭がとぶような形で殺されることになる。

「金剛ショウタが、悲劇のヒロインだったなら、参加早々、死んでいたわ。

悲劇のヒロインタイプをサナは助けようとしないから。」
とカガネ。

悲劇のヒロインとして死なずに済んで良かったとするか。

「話を戻すが。

メグたんは、正義が勝たないデスゲームの参加者の中の誰を死なせるかの流れを作っている。

ツカサとメグたんは、タケハヤプロジェクトの参加者として、正義が勝たないデスゲームに参加するにあたり、正義が勝たないデスゲームの運営であるAIから、指示を受けている。」

俺が断言すると、カガネは、微笑んだ。

「それから?」
とカガネ。

「正義が勝たないデスゲームを運営であるAIの指示通りに運ぶためには、タケハヤプロジェクトの参加者であるツカサとメグたんの協力だけでは足りない。

正義が勝たないデスゲームの参加者の中に、正義が勝たないデスゲーム運営と直接やり取りしている参加者が必要だ。

カガネは、正義が勝たないデスゲーム運営であるAIと直接やり取りをして、正義が勝たないデスゲーム内の参加者情報と、正義が勝たないデスゲーム運営であるAIの情報を両方把握する立ち位置にいる。

違うか?」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

処理中です...