正義が勝たないデスゲームから脱出しよう。【R15】

376.ハコさんの人生における敗因。正義が勝たないデスゲーム脱出における最後の関門の要は？

「ハコが正義が勝たないデスゲームに参加することは、河岸を変えて刑事として再出発し、再評価される機会になり得た。」
とメグたん。

「刑事には、捜査能力が必要だ。地道な捜査を続ける粘り強さもいる。

捜査能力だけではなく、用意されたチャンスをチャンスだとよんで活かす判断力も磨かれる必要があった。」
とケンゴ。

「ハコの現場での捜査能力とチャンスをよんで活かす能力は、正義が勝たないデスゲーム脱出目前まで進めたことで、証明できていた。」
とメグたん。

「正義が勝たないデスゲームの脱出目前の面談で。

感情が行動を決めるハコは、捜査チームの中にいたとしても、その一員として実力を発揮する能力は皆無だと証明された。」
とケンゴ。

「新しい辞令を受け、内通者を探すことに着手する前に、ハコは、ハコが報告する人物や協力する人物と歩調を合わせる必要があったわ。

正義が勝たないデスゲーム脱出目前の面談で、現状ではそれが出来ないと確定したハコは、警察へ戻らず、正義が勝たないデスゲームの参加者として舞い戻った。」
とメグたん。

「メグが感じ取っていたハコからの嫉妬は、ハコを突き動かす正義感の火付け役。

ハコの感情を反支援団体へと向けさせれば、支援団体はハコを使って警察内部を掻き乱すことが可能になる。」
とケンゴ。

「正義が勝たないデスゲームに参加したハコさんを脱出させなかったのは。

正義が勝たないデスゲーム脱出後のハコさんが、自身が支援団体から後ろで糸を引かれているなどということを疑いもせずに、支援団体が邪魔に思う誰かを引きずり降ろす役をやり切るという判断からか。」

「ハコが、支援団体の内通者を警察内部から探し出して、証拠を集めることは不可能ではない。

支援団体とは明白に敵対する役割を警察がハコに割り当てたのは。

ハコを支援団体に取り込ませないという姿勢を支援団体や警察内部の内通者に示す意図があった。

支援団体がハコに絡みつく前の牽制も、ハコ自身に支援団体にとりこまれまいとする自覚が芽生えなければ、意味をなさない。」
とケンゴ。

「誰かから言われて、その通りにすることは、ハコさんの動機付けにはならないからか？」

「ならなかったわ。」
とメグたん。

「同期の刑事であるメグたんを追い詰めて逮捕し、警察内部での立場が不安定になったハコさんは、正義が勝たないデスゲームを経験して、刑事としてやり直す機会を与えられたものの。

ハコさん自身が、刑事として再起を図るチャンスだと読み取らなかったために、刑事として正義が勝たないデスゲームを脱出する機会を逸した。

そして、ハコさんは、ハコさんが正義が勝たないデスゲームを脱出出来なかった原因に思い至らないまま、正義が勝たないデスゲーム内で亡くなった、ということか。」

「メグを逮捕したハコは、メグを逮捕したことによるセンセーショナルを期待した。

ハコの期待に反して。

ハコの行動結果を喜んだのは、警察を権力の象徴だとする警察に反発する勢力と、スキャンダルを飯の種にする連中。

発覚してしまったからには、メグのしていたことは警察の不祥事。

警察が、身内の不祥事を喜ぶかどうか。

身内の不祥事を暴いて称賛を期待するハコを周りがどう思うか。

ハコは、それが想像出来なかった。」
とケンゴ。

「ハコさんの中で、ハコさんの正義感やメグたんへの嫉妬心は、メグたんを逮捕したことで満たされるはずだったか。」

「メグの逮捕ではなく、上司への報告にとどめておけばね。」
とケンゴ。

「捜査能力に、相談する姿勢が備わっていたら。

私とは違うキャリアの積み方を示唆されてもおかしくはなかったわ。」
とメグたん。

「感情は、満たされず。

待遇は、ハコの期待を裏切って悪くなった。」
とケンゴ。

「正義が勝たないデスゲームに参加する前のハコさんは、支援団体が付け入る隙だらけの状態になっていた、か。」

「ハコ自身が支援団体との対立姿勢を明確に生み出さない限り、ハコが支援団体に絡め取られるのは時間の問題だったよ。」
とケンゴ。

警察は、ハコさんの危うさが分かっていた。

だから。

支援団体の手が届かない正義が勝たないデスゲームの中でハコさんへの再教育を試みた。

ハコさん自身の安全確保は、ハコさんの正義が勝たないデスゲーム参加の目的の一つ。

同時に、警察は。

正義が勝たないデスゲームでの生き抜き方で刑事としての才覚を確認し。

思考や精神性は、正義が勝たないデスゲームでの経験による学習で矯正することを目的としていた。

自分から支援団体と距離を置ける才能溢れる刑事だと、自身で証明する機会をハコさんは棒に振った。

正義が勝たないデスゲームでのハコさんの再教育は、失敗。

正義が勝たないデスゲームを脱出するための最終関門となる、ケンゴ、カガネ、メグたんの合否ラインを下回ったため、ハコさんの脱出は潰えた。

正義が勝たないデスゲーム脱出の最終関門は、俺の向かいに座っているケンゴだけが突破する要ではない。

支援団体の手足となっている協力者を減らす目的で殺していたメグたん。

支援団体との二重スパイをこなしたカガネ。

メグたんとカガネ、二人の定めた合否ラインを、ハコさんは越えられなかった。

メグたんの過去の発言を鑑みるに。

ハコさんが無殺人で正義が勝たないデスゲームを次々にクリアしたことをメグたんは評価している。

メグたんのもうけた合否ラインの否に該当した部分は、ハコさんの刑事としての捜査にまつわる才能ではない部分。

カガネのもうけた合否ラインは、ケンゴが明かすことを拒否した。

正義が勝たないデスゲーム脱出前の面談で俺を査定しているのは、俺の向かいにいるケンゴ、俺の隣に座るメグたん、部屋の外にいるカガネ。

ツカサは、警察が警察として機能していたら、支援団体による被害者は、この国にいなかったという俺の言及に同意している。

メグたんは、俺が野村レオの名前を出したことを評価している。

メグたんの俺に対する冷たさは、野村レオの死の引き金をひいたのが、俺だからかもしれない。

メグたんにそのことを確認する勇気は、俺にはないが。

俺が警戒する相手は、ケンゴだけではなかった。

和気あいあいとしている部屋の中にいないが、会話を聞いているカガネ。

一言も発していないカガネの存在も、俺が正義が勝たないデスゲームを脱出するまで忘れてはならない。