《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。

51.『私達に白い結婚の取り決めはない。』と公爵が主張しています。『今日、神子様は、オレに別れろと言ってきた。』

オレは、きっぱり、はっきり、公爵に言ってやる。

「オレは、一人で寝る。オレの寝室に公爵は入れない。」

「私達は、夫婦だ。私達に白い結婚の取り決めはない。」

公爵が頑なだ。

おい、ヤりたいだけじゃないのか?

24歳の性欲なら、そんなもんか?

しかーし。

オレは、断固拒否する。

「昨日、王城で神子様とベタベタしている姿をオレに見られておきながら、強気だなー?

今日、公爵のいない日中に、神子様が押しかけてきた。
『公爵が真実の愛を捧げる相手は、神子様』
だから、
『オレに公爵と別れて、公爵を自由にしてほしい』
と神子様は、お望みだ。」

「神子様の望みは、私の望みではない。」
公爵の声はかたい。

神子様の地位が、よく分からん。
まだ、ヤグルマさんに聞けていない。

公爵は、固定観念や思い込みで、身動きがとれなくなっているのか?

公爵の頭を柔らかくしてやるか。

「この国で、神子様にノーを突きつけて、問題ない人間は、何人いる?」

「どういうつもりだ?」
公爵は、けんのある声を出した。

神子様には、逆らわない、というルールでもあるのか?

「公爵、あんたは、神子様と一緒に戦ったと、神子様がオレに言った。

神子様の言うことが本当なら、神子様を拒絶して、神子様に物申せる一人は、公爵、あんただ。

あんたは、ポジション的に、神子様と対等か、それ以上の振る舞いが出来る。

神子様が一人で、魔王討伐に成功したのか?

違うんだろう?

魔王討伐に成功したのは、公爵だ。

公爵がいたから、魔王討伐は、成功した。

そうだな?」

公爵は、はっとしたようだ。

「オレと公爵は、夫婦だ。

神子様は、公爵の何だ?

オレにとっては、神子様は他人だ。

オレ達夫婦の話に、他人を割り込ませるな。

夫婦のこと、オレのこと、公爵家のこと。
この三つは、オレにも関係してくる。
何かを決める前に、公爵がオレに相談しにこい。」

「私が決めることなのにか?」
公爵は、訝しげにオレを見てくる。

具体例がいるのか。

「公爵が手配して、オレに寄越してきた教育係は、クビにして、出禁にしたが、理由を知っているか?」

「ヒサツグに教育係は必要ない、と言っていた。」
と公爵。

「オレが必要なかったのは、あの教育係だからだ。まともな教育係が来ていたら、今も、公爵の屋敷にいたぞ?」

「彼は、教育係として、申し分ない人物だ。私に敬意を持っていて、教育に関して、彼は評判がよく、実績もある。」

公爵は、自分に好意的な人物であるか、どうかで、フルイをかけたのか。

公爵自身の友人選びなら、間違ってはいないけどな。

「教育係は、公爵のことが大好きだ。
ひるがえって。
教育係は、公爵の伴侶になったオレが気に入らない。
教育係の大好きな公爵が、屋敷に不在だからな?
オレに対する不愉快さを隠す気は最初からなかった。」

公爵は、心底、驚いていた。

「教育係のスタンスは、公爵が恥をかかないために教えてやる、というもの。
オレのために、教育する気は、一切なかったぞ。
オレの教育係でありながら、オレを認めていなかったからな。

オレが、知らないことを聞くと。
『そんなことも知らないで、よく今まで恥をかきませんでしたね?』
という返事を返す。
毎回、定型句のように。」

「彼は、毎日、私に報告に来ていた。そのような話はなかった。」

毎日?

報告なら、週一、一行メールで十分な内容だったぞ?

貴族年鑑や、紳士録を読ませた、と書けば終わり。

公爵に近づくために、公爵の伴侶の教育係、という立場を利用したのか?

「オレについての話題は、会話のうちの何割だ?

貴族年鑑を、オレ一人で読ませ。
その間、教育係は、お茶とお菓子でのんびりティータイム。

オレが貴族年鑑を読み終わるまで、同じ内容の報告を毎日聞いたのか?」

「いや、順調だと。」

報告は、五秒で終わるな。

「大好きな公爵とお話をする機会を作るために、公爵の伴侶の教育係になったんだろう。」

「そんな卑しい真似をする人物ではない。」

公爵の前では、品行方正なんだな、教育係は。

「オレが初めて開催したお茶会。
日時もゲストも、教育係は、オレに何の相談もなく勝手に決めてきた。

オレは、別のゲストを考えていたし、その意向も伝えておいたのに、公爵家の伴侶で主催者のオレの意向を無視して、教育係が勝手に先方と話を進めた。

日時とゲストを決めた後は、教育係は何もしていない。
毎日、公爵の屋敷に来て、茶を飲んで、食事して、オレを観察して帰るだけ。

茶会について、オレが相談しても、返事が返ってきたことはない。

オレの茶会についての相談相手は、全部、公爵家の家人だ。

公爵が不在の公爵の屋敷で、公爵の伴侶が開催する初めてのお茶会。

大失敗に終わった理由は、明白だ。

主催者側に、敵が紛れ込んでいて、成功させまいと、オレの足を引っ張り続けたから。

何のために?

オレが、公爵の伴侶でいること自体が気に食わない?

教育係にとって、オレのお茶会の成功は、都合が悪かったから?


オレは、公爵の婚約者候補をお茶会に招く予定はなかった。
招きたいとも考えていなかった。

オレは、公爵が交流したことのない人達の話が聞きたくて、お茶会を開きたかったんだ。

お茶会をきっかけに、教育係は、クビにした。

クビの原因は、公爵の伴侶の教育係を拝命しておきながら、公爵の伴侶を侮辱し、公爵家を貶めることを目的とした行動に終始したから、だ。

教育係本人と家に、内容をしたためた文書を送りつけている。

教育係は、クビになった原因を知っていて、公爵には黙っていたということだ。」

公爵は、情報の多さに驚きながらも、キャパオーバーにならずについてきている。

「公爵は、公爵の選んだ公爵の伴侶を認めないやつらに、公爵家とオレを疲れさせるな。

オレは、めちゃくちゃ疲れている。

公爵と一緒のベッドじゃなく、今まで通り、オレは、一人で、自分の寝室で寝る。」

オレが言うと、公爵は、初夜、という言葉を引っ込めた。

「今日は、疲れすぎた。続きは、明日の朝。
公爵は、いつまで、屋敷にいられる?」
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