《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
58 / 673
第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。

58.別邸で、公爵と二人、同じ部屋で、同じ時間、働き、就業後、二人で遊びにいく生活です。オレ、王都に帰らず、公爵領ですごしたいです。

しおりを挟む
オレと公爵は、公爵領に滞在して、仕事に、遊びに、と精を出し、夜は雑魚寝で、リラックスな毎日。

公爵領の仕事が一区切りつくまでは、今の生活を続ける方が良さそうだなー、とオレは思っている。

公爵の表情は、日に日に豊かになっていくんだよ。

今日は、とうとう、公爵が、声を出して、笑った。

オレは、思わず、おめでとう!と言いそうになった。

楽しいことを楽しめる余裕が、公爵にできたんだな、と思って、ほっとした。

今にして思えば、公爵領に来るまでの公爵は、乾いた小枝みたいだった。

力を入れたら、パキッと真ん中から折れそうだったと思う。

今の公爵は、曲げてもたわむぐらいのしなやかさがある。

ずっと、公爵領で暮らせたら、公爵は、楽しく生きていけるのかなー?

オレは、ずっと公爵領にいてもいいなー。

ヤグルマさんはいないけれど。

王都に帰らなかったら、煩わしい人に会わなくて済むんだよ。

神子様とか、神子様とか。

よく考えてみると

公爵が、王都に戻ることになったからといって、オレが戻る必要なくない?

むしろ。

公爵が王都にいても、屋敷に帰ってこれないほど多忙。

国と公爵家の仕事は、王都にいないと出来ないものもあるんだろう。

ひるがえって、オレ。

王都の公爵家の屋敷にいないと出来ない仕事などない。

むしろ。

公爵領の産業の立て直しに堂々と関われて、人目を忍ぶ必要がなくなるから、公爵領に住みたい。

公爵の伴侶のオレは、公爵領に住む。

公爵とオレの別居、いいと思う。

誰にも、ケチのつけようがない。

いつ、切り出そうかな。

帰りの話が具体例になってからにしよう。

まだ、楽しい時間を過ごしたいんだ、オレも。

今日は、仕事を早めに終わらせたので、遠くに行く。

この機会を活かして、公爵領に詳しくなるぞ。


オレと公爵は並んで歩いているが、二人で会話することはない。

公爵は、領民と話し、オレはガイドと話す。

公爵領に移住計画を立てたオレは、ガイドを質問責めにしていた。

質問内容は、領民の暮らしぶり。

このまま別居に突入して、しばらくの間は、公爵の伴侶として生活するけれど。

神子様と公爵がくっつくことになったら、オレは、公爵の伴侶として、過ごせなくなる。

公爵領の領民に混じって、日本に帰る日まで、過ごせないかな?

オレは、日本に帰るまで、王都の公爵家の屋敷にいるより、公爵領の片隅にいる方が、神子様を刺激しないで済むと考えている。

神子様は、オレが、ギリギリまで公爵の伴侶でいることを望まないだろう。

王城で鉢合わせした翌日の午前中に、アポなしで公爵が不在の屋敷に押しかけ、公爵と別れろと、正妻に要求する愛人。

しかも、愛人は、国の権力者とお友達で、愛人自身にも権威がある。

いくらも話していないが、言葉を交わして分かったことがある。

神子様は、正面から、ことを構えてはならないタイプだ。

神子様タイプは、こちらが何もしていなくても、邪魔だから、という理由で、抹殺しにくる。

良心の呵責など感じずに。

社会的に、が、先か。

肉体的に、が、先か。

精神的に、が、先か。


神子様が、公爵と相思相愛だと言い、公爵が公に否定しないならば。
公爵の愛する人は、神子様で、二人は想い合っていることになる。


オレが、日本に帰るための条件に、神子様は、ぴったり当てはまる。

ただ、オレが日本に帰るまで、神子様が、オレを無事で生かしていてくれる見込みが薄い。

神子様に限らず、公爵家の判断も、心配だ。

公爵の伴侶のオレが、公爵の伴侶じゃなくなると判明したとき、オレの処遇を考えるだろう。

公爵家の産業復興問題をはじめ、オレは、公爵家の内政に首を突っ込んでいる。

生かして放逐してくれるだろうか?

オレは、オレの先行きに不安しかない。

まさか、神子様なんて。

他の人が良かったなー。


しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

黄金 
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻! だったら離婚したい! ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。 お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。 本編61話まで 番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。 ※細目キャラが好きなので書いてます。    多くの方に読んでいただき嬉しいです。  コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。    

【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?

MEIKO
BL
 【完結】伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷う未来しか見えない!  僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げる。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなのどうして? ※R対象話には『*』マーク付けます。

【完】ラスボス(予定)に転生しましたが、家を出て幸せになります

ナナメ
BL
 8歳の頃ここが『光の勇者と救世の御子』の小説、もしくはそれに類似した世界であるという記憶が甦ったウル。  家族に疎まれながら育った自分は囮で偽物の王太子の婚約者である事、同い年の義弟ハガルが本物の婚約者である事、真実を告げられた日に全てを失い絶望して魔王になってしまう事ーーそれを、思い出した。  思い出したからには思いどおりになるものか、そして小説のちょい役である推しの元で幸せになってみせる!と10年かけて下地を築いた卒業パーティーの日ーー ーーさあ、早く来い!僕の10年の努力の成果よ今ここに!  魔王になりたくないラスボス(予定)と、本来超脇役のおっさんとの物語。 ※体調次第で書いておりますのでかなりの鈍足更新になっております。ご了承頂ければ幸いです。 ※表紙はAI作成です

転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜

隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。 目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。 同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります! 俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ! 重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ) 注意: 残酷な描写あり 表紙は力不足な自作イラスト 誤字脱字が多いです! お気に入り・感想ありがとうございます。 皆さんありがとうございました! BLランキング1位(2021/8/1 20:02) HOTランキング15位(2021/8/1 20:02) 他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00) ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。 いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!

【本編完結】異世界で政略結婚したオレ?!

カヨワイさつき
BL
美少女の中身は32歳の元オトコ。 魔法と剣、そして魔物がいる世界で 年の差12歳の政略結婚?! ある日突然目を覚ましたら前世の記憶が……。 冷酷非道と噂される王子との婚約、そして結婚。 人形のような美少女?になったオレの物語。 オレは何のために生まれたのだろうか? もう一人のとある人物は……。 2022年3月9日の夕方、本編完結 番外編追加完結。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

令嬢に転生したと思ったけどちょっと違った

しそみょうが
BL
前世男子大学生だったが今世では公爵令嬢に転生したアシュリー8歳は、王城の廊下で4歳年下の第2王子イーライに一目惚れされて婚約者になる。なんやかんやで両想いだった2人だが、イーライの留学中にアシュリーに成長期が訪れ立派な青年に成長してしまう。アシュリーが転生したのは女性ではなくカントボーイだったのだ。泣く泣く婚約者を辞するアシュリーは名前を変えて王城の近衛騎士となる。婚約者にフラれて隣国でグレたと噂の殿下が5年ぶりに帰国してーー? という、婚約者大好き年下王子☓元令嬢のカントボーイ騎士のお話です。前半3話目までは子ども時代で、成長した後半にR18がちょこっとあります♡  短編コメディです

処理中です...