《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

397.マウンテン王国の国王陛下の不調に、心当たりがあります。男心から推測しますと。国王陛下の不調は?

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各国の国王陛下は、女神様の恋人候補なのかな。

マウンテン王国に限らず。

ということは。

「女王がたたないのは、女神様が異性愛者だからなのかなー。」

「ふふふ、ふふふ。」
と上機嫌な女神様。

綺麗な女神様が、優しくしてくれて、自分にだけ、他を圧倒するような力を与えてくれたらさ。

女神様に好かれていると思うよなー。

女神様から見ると、国王陛下は、基本的にしもべ。

しもべの中から、気に入った男を恋人にして楽しんでいるのかな?

ただなー。

女神様だからなー。

国王陛下が、恋人として感じていた時間が、女神様にとっても恋人であった期間とは限らない気はする。

しもべ認識していた男を恋人に引き上げることなんてするかな?

女神様に限らず。

と、考えてみたけれど、残念なことに、オレは、女心に詳しくなかった。

男心から考えてみよう。

国王陛下は、この世界の唯一神、女神様に好かれていると勘違いできる状況にあるのでは?

しもべにするくらいだから、女神様から国王陛下への好きの濃度の違いは、それぞれにあってもさ。

女神様から、嫌われているとは誰も思うまい。

女神様という、手の届かないアイドルが、至れり尽くせりして好意を向けてくれている。

ひょっとして、ひょっとすると。

国王陛下は、こう考えるかもしれない。

女神様は、国王陛下に惚れている、と。

他意なく親切にしてくれた人を、自分のことが好きなんじゃないかと誤解するパターンは、それなりにあると思う。

自分のことを好きな人が気になって、好きになる、ということもある。

苦手になったり、嫌いになることもあるよな。

そこは、人それぞれ。

女神様に惚れられているという、国王陛下の思い込みが、思い込みではなく事実であれば、両片思いだったり、両思いになったり。

女神様に惚れているという思い込みが、本当に、国王陛下の思い込みにすぎなかったら?

オレは、女神様と四人の友達に推測を話してみることにした。

「国王陛下の不調について、オレの推測を聞いてみてくれ。」

「ヒサツグの視点では、どう見えるのかを、わたくしは聞きたい。」
と王姉殿下スナメリ様。

国王陛下の姉の了解が取れたなら、問題ないよな。

「女神様のお気に入りは、今代の国王陛下じゃなく、英雄クロード。

つまり、今代の国王陛下は、女神様の恋人ではない。」

「ふふふ、ふふふ。」
と女神様は、楽しんでいる。

「国王陛下は、女神様が好きなんだと思う。」

「その通り。」
と王姉殿下スナメリ様。

「国王陛下が好きになった理由が、女神様に一目惚れしたから、とか、国王陛下側の積極性にあれば、多分違っていたんだろうけどさ。」

「別の理由なら。
女神様からの働きかけに対して、思いが芽生えたことになるよね?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。

「働きかけというのは、女神様に会ってもらえることや、女神様から力を授けてもらえることでしょうか?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。

「女神様が、働きかけてくることは、国王陛下には、あるあるでもさ。

国王陛下は、お父さんが魔王による消失でいなくなって、急遽、即位しただろう?

女神様が、国王という地位にある男性にするべきことをしているだけでも、免疫がない男心は、女神様が惚れているからでは?と考え出す。」

「そんなことがあります?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。

「親切にされたときに、惚れられているからでは?と考えてしまう人もいる。」

「そういう話は、聞いたことがある。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。

「惚れられていると思ったときに、自分に惚れているだろう相手を好きになることがある。」

「ヒサツグの経験?」
と王姉殿下スナメリ様。

「オレじゃない。
オレの場合は、クロードを構っているうちに、好きになっていた。」

「ヒサツグがノロケた。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。

「オレのノロケは、おいておこうな。

国王陛下は、苦しいときに、女神様に優しくされて、力を与えられた。

女神様が国王陛下に惚れていると勘違いしたことがきっかけで、国王陛下は女神様に惚れたんじゃないかな、とオレは思っている。」

「そんなことがあり得る?」
と王姉殿下スナメリ様は、頭を抱えた。

「国王陛下は、女神様を好きになったけれど、女神様は国王陛下と同じ好きを国王陛下に返さない。

女神様のお気に入りは、クロードだから。

ケレメイン大公国ができて、女神様と引き離されるまで。

国王陛下は、女神様と一緒にいられた。

今は、女神様に会えなくなっただろう?」

「ふふふ、ふふふ。」
と女神様は、笑った。

あ然とする、四人。

「国王陛下の不調は、つまり、女神様への恋わずらい、だと思う。

国王陛下は、惚れた女神様に会えなくなったから、元気をなくしたんじゃないかな?」

「国王陛下の不調が、恋の病?
失恋確定しているんだけど。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
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